第59話 エイトウーマン写真展2023①〜吉高寧々の笑顔を見て思ったこと〜
1日目
西田幸樹さんの奥さまと初対面
寝られなかった。何だか緊張してしまって・・・。
2023年10月31日。今日から第3回目のエイトウーマン写真展だ。私は寝たような寝てないようなぼんやりした頭で準備をして、渋谷の写真展会場へ向かった。
開場の2時間ほど前に到着。
”あの人、去年も来てくれた人かな・・・”
会場前に去年の写真展で会ったことあるような人が立っていた。声をかけようかと思ったが、人違いだったら嫌なので、エイトウーマンポスターの写真だけを撮って、私は中に入った。
西田幸樹さんがいた。その隣に優しそうな女性が立っていた。その方は西田さんの奥さまだった。
「カミさんは僕の仕事のこと何も言わないけれど、写真データをシュレッダーしたり手伝ってくれるんです」
「去年の写真展では前日に、写真を展示する手伝いをしてくれました。写真展期間中、展示写真が変わったことを伝えたらそれを見に来てくれました」
西田さんの話の中に何度も登場される奥さま。話を聞いていると、奥さまは西田さんにとってかけがえのない人だということが、ひしひしと伝わってくる。一体どんな方なのだろうと想像ばかりが膨らんでいた。
そんな西田さんの奥さまにやっとお会いできた。会場に来て早々ご褒美をもらってしまった気分だった。
「写真集に載っている藤さんの座談会の記事、すべて読みました。ありがとうございます」
奥さまはそう言った。私は照れくさいのと嬉しいので、何度頭をペコペコしたか分からない。
西田さんご夫婦はお昼ご飯を食べに行き、私は会場を見て回った。会場は床全体にロウソクの写真は貼り巡らされており、まるで写真の中に入り込んだようだった。
今年の写真展のテーマは『祈り』と『世界平和』。西田さんが以前言っていたことを思い出した。
”この西田さんの思いが少しでも伝わればいいな。伝えなければいけないな”
炎の中に立っているエイトウーマンたちの姿を見ながら、そう考えた。
緊張していたスタッフかんなはお客さまに救われる
開場5分前。受付に座った。
”何だろうこのドキドキは。この状況を想像しすぎて昨日は寝られなかったんだ。大丈夫大丈夫。去年も受付やったんだし。最初からそんなにたくさん人来ないよね・・・”
そして14時、開場した。
予想は大外れ。開場早々、写真を購入されるお客さまで受付は大慌て。これを予想していたから、昨日は寝られなかったのかもしれない。
しかし、写真購入者は去年の写真展でお会いした方がほとんどで、接客をするうちに私の緊張はだいぶ解れた。
「今年も頑張ってねー!かんなちゃんこれお土産」
「エイトウーマン写真展のnote読みました。写真展の裏側を知れて面白かったです。今年も楽しみにしてます」
「かんなさん、去年よりさらに綺麗になってて、一瞬気づきませんでしたよ!女優さんみたいですね」(「去年も女優や!」とツッコませてもらった)
正月に親戚一同が集まった時のようなワクワクとでも表現しようか。私の気持ちはみんなに温められて緩められて、ようやくしっかりとエンジンがかかった。どうもありがとう。
今年の写真展では”写真集を売る”というミッションが私にはあった。私の文章が初めて紙の本に載った記念すべき写真集『ドキュメント8woman 2021-2023エイトマン女優14人の3年間の軌跡』だ。
「写真集には藤かんなのサインしていいで。何なら西田さんにもサイン書いてもらおう」
社長からそう言われていたので、写真集の営業をするチャンスを鷹のように見計らっており、写真集購入者をキリンのように首を長くして待っていた。
ひとりの女性が写真集を購入した。その方はエイトウーマンみんなのファンらしく、写真集に西田さんのサインを書いてもらうとのことだった。
「もれなく私のサインもついてきますよ!!」
私はとっさに自分を売り込んだ。
一瞬の沈黙が流れる・・・。
”やばい。強引すぎたか・・・”
私は気弱になる。
「あ、そうですよ。かんなちゃんのサインもどうぞ」
西田さんが助け舟を出してくれた。
「・・・え!!藤かんなさんですか!?」
女性は驚いた。
「私、かんなさんのTwitterも見てます!会えて嬉しい!」
彼女はそう言って泣いて喜んでくれた。
「女性のお客様は特別特典として、かんなちゃんとハグできますよ」
西田さんがそう言って、私は彼女と2回ハグをした。西田さん、深謝。
それにしてもどうもみんな、私が『藤かんな』だと気づかないようだ。良いのか悪いのか・・・。
でも彼女のように、この写真展に来て楽しむなり喜ぶなりして帰っていかれる人の姿を見れるのは、受付をしているご褒美だなと今年も思う。
青いドレスの吉高寧々さん登場!
写真展初日の在廊女優は『吉高寧々さん』。去年、初めて寧々さんにお会いするとき、”不快な思いさせたらどうしよう”とド緊張していたが、今年はもう緊張はなかった。なぜなら去年の写真展で「エイトウーマンは同志なんだ」と思うことができたから。
今年の寧々さんは青いドレスに身を包み、まるでプリンセスだった。
「寧々ちゃん、今年もよろしくお願いします!青いドレス素敵ですね」
「かんなちゃん、よろしくお願いします。エイトマンカラーやねん!」
私は今年もお寧々スマイルによろめいた。笑顔の破壊力は健在。いや、さらに磨きがかかっていた。
寧々さんが写真を購入してくれたお客さまとチェキを撮りに行く。今年も写真作品の購入者には在廊女優さんとの数分間のトーク、もしくは一緒にチェキを撮れるという特典がある。
「〇〇さん、今年も来てくれてありがとうー」
「△△さん、どの写真買ってくれたんー?」
寧々さんは全開の笑顔でファンの方に話しかける。ファンのみならず、周囲で見ていたお客さままで足元らへんが少々溶けていた・・・ように見えた。
”寧々ちゃんも『吉高寧々』としての歴史を築いてきた人なんだな”
彼女がファンと交流する姿を見てそう思った。
寧々さんはいつもニコニコして、全く自分のことを語らないが、ファンからの支持が熱い人気女優だ。その分これまでたくさんの闘いをしてきたことだろう。
あの笑顔の下にどんな経験や思いが隠されているのかと考えると、少し胸がキュッとなったが、それと同時に、身体にグッと力が湧いた。
私は西田さんが言ったこの言葉がとても好きだ。
とっても嬉しいお客さま、百田尚樹さん
写真展1日目はあと30分で閉場。最後の最後にとても嬉しいお客さまが来てくれた。『百田尚樹さん』である。
数ヶ月前、百田さんのニコ生配信に出させてもらった際「写真展にぜひ来てください」とお誘いしていたのだ。
「おう!行くわ!」
そう言ってくれた百田さんは、なんと本当に来てくれた!約束したことは必ず守ってくれる方だった。
これ、まだ1日目でっせ!