第64話 エイトウーマン写真展2023⑥〜専属8年レジェンド女優、一色桃子がやってきた〜
6日目
新エイトマン女優『鳳みゆ』
一体何人目の新エイトウーマン候補女優だろう?
”二十歳くらいだろうか?”と思わせる美少女が控室にいた。
「彼女『鳳みゆ』。明日、週刊ポストの『なをん』でデビューするねん。こないだ西田さんに撮ってもらった」
社長はそう説明した。
「みゆちゃんにはグラビア撮影の時、煽られたんだよ」
西田さんが言った。
彼女は撮影前に「これまで何百枚、何万枚と撮られてきたけど、一度も自分が納得する写真を撮られたことがない」と、西田さんに言ったそうだ。
「さすがにプレッシャーに感じました?」
「そりゃ感じるよね・・・」
西田さんはそう言うだろうと思った。
だが、みゆさんは撮ってもらった写真を見て「むっちゃ嬉しいです!」と喜んでいたらしい。そしてさらに「エイトマンぽいですよね」と言ったそうだ。
「いやいや。西田さんの写真がエイトマンぽいじゃなくて、エイトマンが西田さんに撮ってもらってるだけやで」
社長はそう訂正していた。
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葵つかさの昔の戦友『月乃ルナさん』
『月乃ルナさん』が写真展に来てくれた。ルナさんは元エイトマン女優であり、今は他事務所に所属している方だ。去年の写真展に来てくれて、今年も来てくれた。
ルナさんは事務所のマネージャーさんとやってきた。マネージャーさんが控室にいた葵つかささんを見て「本当に葵つかささんだ・・・」と呟いていた。
それを見ていたルナさんは「ずっと会って話してみたいって言ってたのに、本人前にすると全然喋らないじゃん」と笑っていた。
マネージャーさんにとって『葵つかさ』という存在は大きくて遠いもののように感じていたようだ。
他事務所に移籍した女優が、前の事務所の写真展に来るってすごいことではないだろうか?それもマネージャーまで一緒に来るってとってもすごいのではないか?葵つかささんとルナさんの信頼関係なのか、エイトマンとルナさんの信頼関係なのか。おそらくどっちもだろう。
マドンナ専属8年レジェンド女優『一色桃子』
『一色桃子さん』が来てくれた。本日も美人続きである。桃子さんはマドンナ専属8年のレジェンド大先輩。私は以前に一度、桃子さんと会っている。その時は桃子さんのパワフルさに圧倒されたが、そんな彼女が一気に好きになった。
桃子さんは相変わらずパワフルだった。なんなら以前会った時からパワーアップしていた。
「西田さん、お疲れさまです。これ、頭皮マッサージする機械です。ぜひ頭皮をリラックスさせてこれからもお若く頑張ってください」
西田さんはやや圧倒されていた。
「つかささん、会えて感激です。顔ちっちゃ!相変わらずお美しい。これ合わないかもしれませんが差し入れです。お菓子も皆さんで食べてください」
つかささんは「桃子さんむっちゃおもろい。エイトマンよりエイトマンぽいよね。元祖エイトマンを感じるわ。むしろ懐かしさすら感じる!」ときゃっきゃ喜んでいた。
「かんなちゃん!お疲れさま!これ、むくみや疲れをとるバスオイルやから使って。お風呂ちゃんと入るんやで!」
桃子ねえやんに会うと実家帰ってきたみたいな気分になる。パワフルありがとう。
一通りみんなへの挨拶を済ませると桃子さんは写真を見にいった。
「桃子さん、写真を見てどういう気分ですか?」
私は聞いた。エイトマン女優として歴の長い桃子さん。一体どんな思いで写真を見ているのだろう。
「写真て・・・こんなにパワーがあるんやね・・・」
桃子さんはそう言って泣いていた。
”もお、みんな泣くやん”
これまで在廊女優が写真を見て涙する場面を何度か見てきた。そのくらいエイトマンにかける思いは強く、エイトウーマンの濃い撮影だったのだなと想像できる。想像はできるが実感できないのが少し寂しい。
「このままやと日ぃ暮れてまうから、どんどん写真見ていきましょ!」
私は桃子さんのお尻を押して催促した。
”それにしても、相変わらずボンキュッボンのいい身体やなぁ。桃子ねえやんの身体はまさに熟女の色気やなぁ”
そんなことを思いながら。
桃子さんは帰り際、私にハグをしてこう言ってくれた。
「あなたはもお、女優さんとしてもすごいし、これから長くやっていけると思う。そして文化人としてもどんどん活躍していくと思う!」
桃子さんは私のnoteを読んで、前回のニコ生配信も見てくれていた。
「写真展に行ってなくても写真展のことがよくわかるから、読んで、見て、予習してきてん」
今夜も実況レポートを書こう。写真展の2週間、頑張って書き続けよう。桃子さんの言葉から活力をもらった。
ちなみにエイトマンの中で葵つかささんの次に歴が長いのは、一色桃子さんなんやで。2人はまさにエイトマンのレジェンドだ。
『吉高寧々』が涙したワケ
この日の写真展では『吉高寧々さん』も泣いていた。
寧々さんの在廊中、西田さんの奥さまが来てくれ、寧々さんと奥さまが初対面した。いつも通りの笑顔で挨拶をしてた寧々さんだが、控室に戻ると突然泣き出した。
「AV女優として西田さんに撮ってもらえたことが嬉しくて幸せで感謝しかなくて、その西田さんを支えてる奥さんがこの人なんだと思うと、泣けてきた〜」
そう言って寧々さんは「西田さんありがとうございます〜」と西田さんにハグをした。
写真展の写真を見て泣く感情は、エイトウーマンに選ばれた女優だから湧いてくる感情なのだろう。
私はそこまでの境地を味わえていないことが少し悔しい。その境地を味わえたことは彼女たちにとって勲章であり、かけがえのない経験なのだろうなと、寧々さんの涙を見て想像していた。
ちなみに西田さんの奥さまは、西田さん以上にふんわりした品のいい方だ。
「とても優しそうで穏やかな奥さまですね」
そう言うと、西田さんは「実はそうでもないんだよ」と答えた。
「ぼくね、エベレストに登ったんだけど、その言い出しっぺはカミさんなんだよ。彼女が『エベレストを見てみたい』と言ったから登ることになったの。バイタリティがすごいよね」
そう言う西田さんはエベレストの他にも徳島の阿波踊りなど、奥さまが見てみたい、行ってみたいと言ったリクエストを一緒に叶えているそうだ。
『ボクらの時代』〜西田幸樹×塩原洋×梁井一〜
エイトウーマンを撮った『西田幸樹さん』、エイトウーマンのオフショットを撮った『塩原洋さん』、エイトウーマンドキュメント動画を撮った『梁井一さん』が3人で話していた。
「ほら、あそこみて。エイトウーマンを撮ってくれた主要カメラマン3人が、『ボクらの時代』やってるで」
社長が言った。私はその光景を見て心の中で手を叩いた。何を話しているのかは聞こえなかったが、リアル『ボクらの時代』を観れたことに感動したのだ。
私はフジテレビの番組『ボクらの時代』が大好きだ。毎週録画して観ている。
ちなみに私にとっての一番の神回は<若林正恭さん×山里亮太さん×西加奈子さん>の回だ。
言葉の天才たちの対談。テンポが良くて、とにかく面白かったのを覚えている。面白すぎて録画したものを5回は観た。だから印象に残った場面も覚えている。西加奈子さんが「天才ってさ、怒りのパワーが衰えへんよな」と言った場面だ。
当時は”怒りのような負の感情をパワーにしてはいけない”と思っていたから印象に残った。だが今は違う。今は”一番のパワーは怒りだ”ということをひしひしと実感している。そう実感するに至った話は、また別の機会に書いていこう。