100倍、身につく国語力(106)楽しい作文篇
特別編(大江健三郎氏について)
昨日、久し振りに訪れた故郷の富山県
では有意義な時間を過ごしました。
特に、立山黒部のアスペンルートは快晴
に恵まれ、雪の大谷ウオークも満喫して
きました。
そして、夜は、ホテル黒部の夕食を楽
しんだあと布団で横になりながらテレビを
見ていると、そのまま寝てしまったよう
です。しかし、しばらくして10時過ぎに
目がさめたので、テレビをつけるてみる
とノーベル文学賞作家の(故大江健三郎氏
に関する番組をやっていました。
それはNHKのシリーズ番組で、「書き
ながら考える」という内容(ETV8 1988
年放送)で、大江氏が故郷の愛媛県喜多
郡大瀬村中学校で作文教室を行ったもの
でした。はじめボーッと眺めていたのです
が、しだいに画面に惹きつけられていき
ました。
内容は複雑なものではなく、大江氏が
生徒に書いてもらった作文について、大
きな白板ボードに転写した原稿用紙に、
マジックで添削していくという形式でし
た。大江氏は考えながらとつとつと語り、
随所に生徒とのやり取りを入れて、生徒
が納得できるようにゆったりとした時間
の流れの中での授業が進められ、深い味
わいのある番組でした。
生徒たちは自分たちの村の自然(空気、
森、川など)や人々(考え方、生き方
など)をテーマに自由に書いたものに、
大江氏が気づいた点に線を引いたり、大
きく囲んだり、不要な箇所や語句を✖印
で削除したり、ことばを追加したりしなが
ら、大江氏自身に語りかえるような授業
は、非常に印象的でした。
その中でも特に印象に残っていた言葉
をまとめると、次のようになります、
① 文書を書くときは、まず考える
こと
② 考えてから、また書くのを繰り
返し、リズムを大切にすること
③ ゆっくり、あわてずに何度も考
え、とこととん考えること
ということで、ゆったりした時間の中
で、何度も自問自答のように繰り返され
る言葉は力強く生徒たちの胸に響いてい
くように感じられた。これらの言葉を
まとめると「熟慮すること」に尽きる
のではないかと思う。
この私は眠気から覚め、しっかりと
大江氏の言葉を受け止めることができた。
なお、大江氏は授業の最後に、自分の好
きな詩を生徒に紹介したが、彼の人柄が
よくにじみ出ているように思われます。
なぜななら、これはまさに私たちが
「子ども作文教室」で実践して」いる
信条なので、まるで大江氏に代弁して
もらっているように強く感じた次第です。
実は大江氏について、私はウカツにも
『ヒロシマ・ノート』をずっと前に読ん
だぐらいで、あまり知らなかった。ただ、
今回の番組を機に、大江氏の著作を読ん
みたくなってきました・
ちなみみ、大江氏に関する情報につい
ては、ウイキペディアでは、次のように
なっています。
江 健三郎は、日本の小説家。昭和中期
から平成後期にかけて活躍した現代日本
文学を代表する作家の一人である。愛媛
県喜多郡大瀬村出身。 東京大学文学部
仏文科卒。学生作家としてデビューして、
大学在学中の1958年、短編小説「飼育」
により当時最年少の23歳で芥川賞を受賞。
新進作家として脚光を浴びた。
ウィキペディア
生まれ: 1935年1月31日, 愛媛県 内子町
死去: 2023年3月3日
配偶者:
大江 ゆかり (1960年から)賞歴
ノーベル文学賞、 芥川龍之介賞、
野間文芸賞、 Junichiro Tanizaki Prize、
新潮社文学賞、 大佛次郎賞
アナミズ (2024.05.27)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?