100倍、身につく国語力 (21) 表現篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン

 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

【表現篇】①
 ここでは、日本の日常生活で見られる
さまざまな日本語表現について考えて
みます。特に日本人が、普段,、何気なく
使っている「言語表現や行動」などに、
改めて焦点を当てながら、新しい発見を
していきたいと思います。

 1. 気になる「二字熟語」の表現 ①

 日本語には多くの二字熟語があります
が、普段無意識に使っているものには、
感心したり、驚いたりする組み合わせに
なっているものが少なくありません。

  ところで、二字熟語の構成の種類には、
主に以下のようなものがあります。
 
  ① 意味の似た漢字を組み合わせた
  もの
  ② 対になる漢字を組み合わせたもの
  ③ 上下で修飾・被修飾の関係になる
  もの
  ④ 下の字が上の字の目的語・補語に
  なるも
  ⑤ 上下で主語・述語の関係になる
  もの
  ⑥上の字が下の字を打ち消している
  もの

  一例を挙げると、「 さあ、勝負だ」や、
「 いい勝負だったね!」の「 勝負」は、
一体どういう意味なのでしょうか。

 これは「 勝つ」と「 負ける」が一緒に
なって、「 勝負」という複合語になった
ものです。つまり、プラスとマイナスの
要因が一つとなり、両方の可能性を含んだ
新しい熟語になったと考えられます。

 英語でも “defeat” という単語があります。
これは、「 負ける、敗れる」という意味に
なる一方で、「 阻止する、征服する」など
の意味があり、これなどは、一つの単語で
両方の意味を表しています。ついでながら、
”Thankyou.” は、常にお礼や受諾(じゅだく)
の意味ではなく、丁寧な拒絶(きょぜつ)の
意味を表すことがあるので、要注意ですね。
 
  このような組み合わせは、プラスとマイ
ナスという要因だけでなく、年数、容量、
領域、程度、時間、状況など、多様な分野
での対局になっている意味を、一つに包括
するという発想からきているようです。

 そこで、ここでは品詞別にどんな言葉が
あるか、身近な素材として幾つかの新聞
から熟語を集めてみました。
 
【 名詞+名詞】
 勝負、日夜、前後(左右)、公私、
 合否、凸凹(でこぼこ)、主従(しゅ
 じゅう)、内外、 表裏(ひょうり)、
 真偽(しんぎ)、自他、正誤、賛否、
 頭尾とうび()、晴雨、吉凶(きっ
 きょう)、虚実(きょじつ)、因果(関係)、
 成敗(せいばい)、離着、生死、終始、
 安否、集配(しゅうはい)、存亡(そん
 ぼう)、昼夜、朝夕、縦横(じゅうおう)、
 白黒
 
【 動詞+動詞】
 進退、優劣(ゆうれつ)、出入、浮沈
 (ふちん)、伸縮、往復、返送、貸借
 (たいしゃく)、取捨(しゅしゃ)(選択)、
 攻守、授受(じゅじゅ)、昇降(しょう
 こう)、生滅(しょうめつ)、進退、進入、
 成敗(せいばい)、収支、呼吸、開閉、
 緩急(かんきゅう)、
 
【 形容詞+形容詞】
 大小、老若(ろうにゃく)、美醜(び
 しゅう)、 寒暑、長短、明暗、高低、
 難易、冷温、遠近、多少、善悪、
 強弱、清濁(せいだく)、新旧、濃淡、
 安危(あんき) 

 『 広辞苑』や他の辞書でも、同様の意味
が載せられており、基本的な意味は変わ
りませんが、上の辞書とは少しニュアン
スが違うように説明されています。この
ようなことから、ときにはいつも同じ
辞書を調べるのではなく、他のものと見比
べてみるのも必要かも知れません。

 結局、言葉は構造上からみても、文脈に
よってプラスともマイナスの意味ともなる
わけで、こういう現象は漢字の熟語にも
現れることになります。

 子どもは、好奇心が旺盛なので、この
ような構造上の仕組みにを説明するだけで
も、非常に関心を示してくれます。そう
いう場合、お母さんが子ども一緒になって
漢字の「トランプカード」や、「クイズ」
などを作ると、子どもはおもしろくなって、
作る過程でいろいろなことに気づくので、
この方法を、ぜひお薦めします。

 アナミズ (2024.03.03)

 

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