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80才のライフデザイナー ③

高齢者の生きがいのスタイル

 高齢者は社会的にみて、一体どういう
立場にあるでしょうか。それは一般的み
れば、妊婦や身障者などの弱者グループ
に属し、社会的、制度的に保護を必要と
する存在と考えられているようです。

 確かに、高齢者は現役世代から見れば、
各自の知見や能力を、具体的な生産活動
に反映させていない人も多くみられます。
悪くいえばそういう高齢者を見て、世の
人は社会の役に立たない人という評価を
してしまうようです。元気な人が病弱の
人を軽視する構造に似ていますが、私も
若いころそうだったので、今になって
反省しています。

 しかし、そういう状況はあまり感心でき
ないのでないでしょうか。なぜなら、高齢
者は、肉体的には若い人に敵わないかも
しれないが、これまでの経験や知見などは、
いくらで世の中の活動に貢献できると思わ
れます。

家庭教師としてのサポート

 我が家では、娘府夫婦と孫たちと一緒の
二世帯同居です。この生活が始まってから
もう10年近くなるが、もう毎日が賑やかな
ものです。
 
 親は50代に入ったばかりだが、上の孫娘
が高3、真ん中の孫息子が中2、下の孫娘が
小4で、親の生活は、まさに猫の手も借り
たいほどの忙しさです。その猫の手なっ
ているのが、同居中の80歳の「ジイジ」
「バアバ」で、悠々自適自適の生活とは
ほど遠い二人が、全面敵にサポートすると
いう生活スタイルになっています。

 妻はさすがにもう料理はしないが、家族
7人
の洗濯、家の掃除、買い物の手伝い、
お風呂やトイレ掃除などの担当で、毎日
忙殺されています。そればかりではなく、
孫たちが入れ替わり立ち替わり、バアバ
の部屋に入っては話し相手になっていま
す。

 一方のジイジは、子ども達の家庭教師
として、英語、国語、社会などの科目を
中心に3人の孫を教えています。特に言語
に関する科目は、昔教師をしていたこと
から、けっこう頼りにされています。彼ら
にとって、わからないところがすぐに聞
ける人がそばにるのは、きっと助かって
いるに違いありません。

年代差を超えた信頼関係

 このような生活スタイルは、お互い年代
差を超えて、若い親子と高齢者の間で、互
いに信頼関係が深まるとい効果があり、
二世帯同居も悪くないと思います。

 もちろん、全員で7人家族なので、買い物
一つとっても、大変だと娘がいつもこぼして
おり、仕事も山のようにある主婦でありなが
ら、料理はすべて手作りで、店屋物を許さな
い強い心持ちには頭が下がる思いです。

 お蔭さまで、これまで病気をせずに健康に
暮らせているのも、ありがたいと感謝して
います。

 こういう生活で、孫たちと別に暮らして
私達は、普通の高齢者が孫とほとんど一緒
に過ごす時間がないとか、たまに遊びに来
ても、一日で疲れてしまうとこぼすのを聞
くにつけ、逆に恵まれた環境にあるといえ
るのかもしれません。

 ですから、家族が考えや気持ちに行き違
がいあり、激しくケンカをしたり、怒鳴り
合ったりしても、後になって互いに反省を
して生活を続けていくことが、人間の成長
につながるのだと思っています。

 これは若い人だけに求めるのでなくて、
高齢者にも求められるので、頑固ジイジや
頑固バアバと言われないためにも、心すべ
き大切なことなのではないでしょうか。

アナミズ (2023.02.09)

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