100倍、身につく国語力(100) 楽しい作文篇
❤小~高校生と,母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
楽しい作文編 ②
【マンガから作文へ】
(2)『コボちゃん』の良さ
『コボちゃん①』は、たくさんあるマン
ガの中でも、理想的なマンガといえます。
なぜなら、コボという 5歳 の男の子を
中心に、家族や周囲の大人との意識や
考え方のズレや違いを対比することが
できるからです。それで、読者が思わず
クスッという笑いを誘いながら、ストー
リーの本質を理解していくように工夫
が、最大限に効果を発揮されています。
ところで、マンガは視覚的かつ娯楽的
な要素が強いため、これまでそれを文章
化するということは、学校教育の現場で
あまり深く考えられていないようです。
しかし、コボちゃんの日常場面の言動は、
子どもには非常に共感が得られる親しみ
があり、四コマの「起承転結」をうまく
表現したり、文章力を身につけたりする
点で、最も大切な視点となりうるのです。
さて、作文の要点は子どもがあまり
負担にならないように、原則として、
200字で書く習慣を身につけていくよう
にします。作文は200字の範囲で要約文
を書けばいいという約束だけで、はじめ
は本人の自由意思に任せて書いてもら
い、指導者は子どもが書いた作文に対
して、基本的にはまず「赤色で大きく
花丸をつけて」あげます。
その次の段階で、作文の句読点やマン
ガの「落ち」の内容を確認させる程度に
とどめて、漢字や文法的な事項などを、
細々と注意することはあまりしないよう
に配慮することが大切なのです。
(1)『コボちゃん①』を作文教材に
する理由
マンガ作文に対して、関係者がその
主旨を一応理解したとしても、それでも
マンガがなぜ作文の教材になるのか、と
いう疑問が依然として解けない人がいる
のも事実だろうと思われる。
そこで、そこで私が主催する「子ども
作文研究会」のメンバーは、そのことを
テーマにしてブレ-ンストーミングで
徹底的に話し合った結果、多様な意見や
考えが出たが、最終的には以下の3項目に
まとめることができた。
① なぜマンガが教材となるのか。
・抵抗少なく取り組めるし、楽
しさとモチベーション>につ
ながる。
・4コマの中に、ストーリーが
凝縮されて完結しており、
そのまま文章構成につなげる
ことができる
・「落ち」の理解力や、創造力
が学べる。
・視覚情報を文章化することに
より、文字情報に代える練習が
できる。
・話ことば、セリフを書き言葉に
変換する訓練ができる
② なぜ『コボちゃん』を教材とする
のか。
・子ども目線の内容で教条的で
なく、話題が豊富で、「落ち」
に説得力がある。
・背景の設定がニュートラルで
汎用性があり、家庭内コミュニ
ケーションのネタになる。
・親子が登場する社会性のある
内容となっており、家族や
社会を第三者的に観察できる。
・現代では珍しい三代にわたる
家庭内のほのぼのとしたやり
とりを見ることができ、かつ
、目上に対する尊敬する態度も学
べる。
・出てくる場面が現代の功利主義
的なものや、尖ったデジタル的
環境ではなく、ややレトロ風の
雰囲気であるため子どもたちは
むしろ新鮮味を感じるにちがい
ない。
③ マンガを使用する目的は何か。
・楽しく書くことで想像力や表現
力が自然に身につき、作文への
抵抗感が薄れて書くことが好き
になる。
・従来の作文教育でなく、生きる
力の基礎となる人間力を学ぶ
ことができる。
・マンガの場面展開が事実把握の
訓練になり、文章表現で倫理的
思考や分析力が養われる。
・基礎的な論理構成のできる小学
低学年時に、母国語での思考力
や表現力を養う。
・小学高学年の児童が、抽象的な
思考力の基盤を構築できるし、
自分の家庭生活と比較しなが
ら、客観視することができる。
・答え(解答)が一つでない場面に
接し、多様な考え方が理解でき
る。
このように『コボちゃん』を作文教材
にするという考えは、充分な理由のある
ことが分かりました。そこで、「子ども
作文研究会」では1年間の研究を重ねなが
ら、植田まさし作の『コボちゃん①』の
作文教室の準備に入り、『コボちゃん
作文教室』として、東京の調布市にある
電気通信大学の100周年記念ホールで、
作文教室を2017年の11月より開設して
以来、既に7年目になる実績を残すこと
ができました。
❤この作文教室には、現在40名
ほどの諸中学生が、毎月2回
の授業を行っています。
講師は12名で、ほぼ個別授業
の「寺小屋方式」で楽しく
作文の練習をしています。
アナミズ (2024.05.21)
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