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100倍、身につく国語力 (45) 独特表現篇

❤小~高校生と,母親向けのレッスン


 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

独特表現篇 ⑥

  
【独特表現の日本語の特徴】
 
2.日本語特有の独特表現の実態
 
(6)「 きれくない」は、何語でしょうか
 
 最近、子どもや若い人が使う「きれく
ない」と、いう言葉を耳にすることがあり
ますが、みなさんは気にならないでしょう
か。
  
 これは、本来なら「きれいになる」の
否定形なので、「きれくならない」では
なく、「ちっともきれいにならない」と
言うところですが、結果として「きれく
ならない」と端折った形になっています。
 
 それでは、「きれいになる」は自然で
あるのに、「きれくなる」はなぜ不自然
なのでしょうか。その上、「きれくなる」
は変でないと言う人がいることも事実で
すし、今ではかなり混乱しているような
気がします。ただ、そういう人でも、
「きれかった」、「きれくて」、「きれ
ければ」は、言いにくいと感じるのは、
それなりに違和感があるからだと考えら
れます。
 
 本来の「きれいだ」というのは、すべて
の活用形がそろっていて、どの用法も自然
に思われます。それに対して、「きれく」
は新しく作られた形であるので、「きれく」
以外の形は作りにくいため、現段階では
いろいろな用法に対応することができない
のかも知れません。

  ところで、「きれいだ」は「きれい」に
「だ」ついた形容動詞ですが、他の例では
「静かだ」、 賑(にぎ)やかだ」、「簡単だ」、
「複雑だ」のように」、状態的意味の名詞
に、「だ」をつけて形容動詞としたものです。 
ただ、日本人の子ども(最近では、若い人も?)
でも、この否定形だとして「静かくない」、
「賑(にぎ)やかくない」、「簡単(かんたん)く
ない」、「複雑(ふくざつ)くない」となるため、
このような言い間違いとなって、問題が発生
することになります。  

 これは日本語を学ぶ外国人にとって、この
形容動詞は非常にわかりにくい品詞で、この
活用形でつまずく学習者が非常に多いといえ
ます。  なぜなら、形容詞は「大きい」、
「小さい」、「暑い」、「寒い」などがあり、
終止形が「~い」で終わるので、その否定形
というのは「~くない」、という形になるの
は難しいと、あまり感じないからでしょう。

 ❤とにかく、日本人でも「きれくない」と 
 いう人が増えてきたのは、外国人の発想に 
 近いわけで、その影響をまともに受けた 
 結果、「きれいだ」の否定形が「きれく 
 ない」になり、「静かだ」が 静かくない」 
 になってしまったと、考えられないでしょ 
 うか。                                                                  

<参考> 北原 保雄著『しっくりこない日本語』
(小学館新書、2017) アナミズ (2024.03.27) 

アナミズ  (2024.03.27)

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