見出し画像

1990年3月6日(火)

【紅丸:川崎 志郎】
「うむ。うまい」
 炒飯を口に運んだ川崎 志郎は思わず言葉を漏らした。ここは中華料理屋『紅丸』。夕食の時間であり、店内はほぼ満席状態である。川崎はカウンターの端側に座り、美味しい料理を堪能中である。現在目の前には炒飯と餃子が鎮座しているが、実はこの前に川崎は回鍋肉定食を食している。しかも大盛りだ。大盛り回鍋肉定食をペロリと平らげた後で、追加で炒飯と餃子を頼んだのである。実は川崎は隠れた大食漢であり、たまに本気で量を食べたくなる時があるのである。それが本日であり、目の前の炒飯と餃子の後も追加注文する気満々である。
「大将追加注文良いですか」
「良いよー」
「えーと、天津飯と唐揚げをください」
「はーい。ちょっと待っててねー」
 店長の大きな声が店内に響く。その声を聞きながら、まだ食べきってない炒飯と餃子を食べ進める。するとちょうど食べ終わるぐらいのタイミングで天津飯と唐揚げが出来たらしいので、川崎はカウンター越しに料理を受け取る。そして、再度気合を入れ直した後で、天津飯から口に運んだのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?