1990年4月17日(火)
【罠解除士鍛錬場】
「あ、2期生がおる」
朝10時ごろに鍛錬状にやってきた富田 剛は一生懸命手のひらを広げて光を発現させようと頑張っている2期生たちをみてこう口にした。鍛錬場を見渡すと、森 瑠美と山口 可奈もいたので、富田は2人のところに歩いて行く。
「山口さん森さんお疲れ様です。2期が入ってきたんですね」
「あ、富田君お疲れ様。意外と遅かったわね。今日から2期も一緒に鍛錬するからよろしくね。どう、挨拶しとく?」
「そうですね。その方がわかりやすいですよね」
冨田がそう言ったので、山口が鍛錬を行なっている2期生達を富田の所へ誘導した。ちなみに森はもう挨拶を済ませている。
「皆様お疲れ様です。冒険者1期の富田です。文学部史学科の2回生です。皆様よりは半年早く冒険者始めてるのでいろいろ疑問点等あれば解消してあげたいと思ってますので、何かあれば遠慮なく聞いてください」
富田なりの笑顔を浮かべてこのように自己紹介した後、2期生達が順番に簡単な自己紹介を行った。その後2期生達は鍛錬に戻ろうとしていたが、滝 早苗が富田に疑問を投げかける。
「あの、富田君。私戦士の右田さんから罠解除士に化け物がいるって聞いたんですけどそれって富田君のことですか」
以前罠解除士に化け物がいると右田から聞いていて、それが富田ではないかと思った滝が訪ねたのである。
「あ、化け物っかどうかはわからないんですけど、一応罠解除士の中では能力の発現は最先端で頑張らせていただいてます」
富田はそう言いながら右手にありえない大きさの光球を発現させた。それをみて2期生達は富田が化け物だと認識したが、富田は憧れの右田 良子に化け物だと認識されていたことにショックを受け、ひどくしょんぼりとしていた。
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