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2004年5月7日(金)

【戦士試験場:小原 愛梨・青沼 絢加】
「やっぱりそんなに簡単ではないわね」
「でも愛莉はベスト10には入ってるじゃん。私やばいかも」
 本日4回目の模擬戦を終えた後の休憩で、小原 愛梨が述べた感想に対して、青沼 絢加が返事を返した。ここは戦士試験場。本日は2次試験2日目である。本日から各職業に分かれた試験が行われており、戦士希望の受験者達は、決められた対戦表に従って順次模擬戦を行っている。現在までに4戦がおこなわれており、その試合内容によって与えられたポイントの合計が壁にある電光掲示板に記載されている。現在1位は4戦全てを圧勝した是枝 泰彦であり、ポイントは1人抜けている状況だ。その次に2位の鮫島 正登、3位の柳沢 喜恵、4位の室伏 新吾が僅差でならんでおり、5位以下は少しポイントを離されている。ちなみに小原は現在7位、青沼は現在14位という状況である。合否の判断はもちろんポイントだけではないので、この順位で15位に入っていれば合格とか、入ってなければ不合格といった単純な話ではない。ただ、もちろんポイント上位にいれば入るほど合格に近いことは間違いないのである。
「とりあえず15位以内はキープしないとね」
「でも次の相手はあいつなんだよね・・・」
 激励の声をかけた小原であったが、次の対戦相手が現在1位の是枝である青沼は大きなため息をついて肩を落としている。
「まあ、相性とかもあるから案外いけるかもよ?」
「それマジで言ってる?」
 元気付けようと言ってくれた言葉なのであろうが、さすがにいけそうな気は全くしないので、再度青沼は大きくため息をついた。この後、休憩時間が終わり、第5戦目の模擬戦が開始する。小原は現在25位の相手に対して優位に模擬戦を終えたが、青沼は是枝に対して手も足も出ず、文字通り完敗という結果に終わったのである。この結果、小原は6位に順位が1つ上がり、青沼は3つ下り17位に名前が表示されることになった。

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