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2004年3月30日(火)

【熊大第5迷宮:勇者王ガオガイガー部隊】
「いやー、こうなると板野さんの素敵さが一段と引き立つな」
「怒られますよ」
 ボスとの戦闘中、戦士3人の鬼気迫る戦いを眺めながら岩川 真悟が漏らした言葉に、板野 幸美は呪文の詠唱が終わったタイミングで突っ込みを入れた。ここは熊大第5迷宮。昨日の部隊編成でメンバーが一人変更になった勇者王ガオガイガー部隊はいつものように地下2階のボスの部屋を訪れている。今回戦士の羽田 晴信が引退したので、その枠に元人類補完計画部隊の前野 諭子を迎え入れて、戦士3人が全員女性という編成になったのである。今まで男性の羽田が居たからか少し遠慮がちに戦っていた木寺 菜穂美と下里 由理子であるが、入れ替わりに入って来たのが先輩であり、実力も上位の前野だったので、一段と戦闘に気合いが入っているのである。また、前野もその2人のやる気に触発され、今まで以上に気合いが入っているようである。戦士として気合いを入れて敵と戦うのは素晴らしいことであるが、後方から見ていると女性的魅力を感じないことこの上なく、横で大人しく呪文を唱えている板野の女性的魅力が増大して見えるのも仕方がないというものであろう。ちなみに元々勇者王ガオガイガー部隊は金曜日に探索を行なっていたが、このタイミングで人類補完計画部隊が探索を行なっていた火曜日に曜日を変更している。
「いや、流石に、ちょっと怖い」
 苦笑しながら稲見 正一郎もこのように言葉を漏らす。それほどに戦士3人は気合いが入りまくっているのだ。その結果、地下2階のボスである青大オーラを倒すことができ、本日地下2階をクリアしたことになった。
「お疲れ様です。物質回収します」
 戻ってくる戦士とすれ違いながら、岩川が言葉をかける。戦士3人はまだ戦闘モードが切り替わってないらしく、恐ろしい表情を浮かべたままだ。そのまま回復を依頼するために稲見のところへやってきたが、この頃になってようやく落ち着き、クリアできたことへの喜びで笑顔も見えるようになったのである。
「いやー、やっぱり諭子さんは強いですね。今まで倒せなかった光少年がクリア出来ましたよ」
「一度倒したことあるからね。でも菜穂美と由理子も強いわよ。2期下とは思えない」
 戦いの途中で感じた感想を木寺が口にし、回復を受けながら前野が返事を返す。人類補完部隊は地下4階を探索中だったので、前野は地下3階のボスまでは倒しているのである。そうこうしているうちに3人の回復と物質回収を終え、ボスを倒した満足感を感じながら本日の探索を終えたのである。

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