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2004年6月10日(木)

【熊大第6迷宮:絶対運命黙示録部隊】
「まあまだ無理ですよね」
「うん。まだ無理だよ」
 迷宮探知を行っていた飯島 志保がボス部屋の探知が出来なかったことを報告し、それに対して井上 貴志が当然のように返事を返した。ここは熊大第6迷宮。絶対運命黙示録部隊は本日も地下2階を訪れている。前回から地下2階を探索しているので、飯島の迷宮探知は2回目となるが、出来そうな感じがまだ1ミリも感じないレベルでボス部屋は見つからないのである。こうなると、適当にぶらぶらとしながら通常亜獣を狩ることになるので、準備が出来次第、迷宮内の移動を開始する。
「うんと、前方に亜獣の気配4体です」
 亜獣の気配を感じた飯島が報告し、部隊は一旦移動の足を止める。4体であれば特に戦闘を回避する必要もないので、十分に警戒しながら少しずつ亜獣との距離を詰めた。すると目の前から4体のゴーレム戦士が近づいてくる。
「こいつら魔法効かないので、戦士の皆さんよろしく」
「よし、じゃあ気合を入れるぞ」
 前回の探索でも遭遇したゴーレム戦士には魔法が通じないことがわかっている。そのことにいち早く気づいた島津 亮二がそのことを伝え、戦士3人は井上の号令を聞いて気合を入れ直す。この後はゴーレム戦士4体と戦士3人の肉弾戦となる。ゴーレム戦士は動きこそ早くないものの、攻撃の1撃1撃が非常に重く、まともに喰らえば1撃で致命的になりかねない威力である。また、装甲も非常に厚いらしく、先程から何度となく攻撃を加えているがなかなか弱っていく気配がない。前回出会った時にはゴーレム戦士が2体だったので、戦士3人はある程度の余裕を持って戦うことが出来たが、今回は4体なので、少し状況的に厳しいようである。直撃ダメージこそ喰らわないものの、かするような攻撃は何発か喰らっており、また体力的にも少しずつ厳しくなってきている。ただ、ちょうど戦闘開始から15分ほど経った辺りで、ゴーレム戦士は4体とも動きを止め、消滅していったのである。
「お疲れー。物質回収します」
 声をかけながら飯島が物質回収に向かう。これを聞きながら戦士3人は僧侶の中村 瞬の場所まで移動した。このあとは順番に回復を行ったのであるが、思いの外戦士3人の精神的疲労が大きかったので、、本日はこの1戦のみで探索を終了することにしたのである。

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