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2004年6月7日(月)

【戦士鍛錬場:小原 愛梨・青沼 絢加・藤枝 拓海・是枝 泰彦・柳沢 喜恵・桐原 美早】
「やっぱりまだ是枝くんには敵わないわ」
「まだっつうか俺には敵わないよ」
 模擬戦の後で、ため息をつきながら小原 愛梨が発した言葉を聞いて、是枝 泰彦は少し笑いながら返事を返した。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。本日は朝から私もプリキュア部隊と九州新幹線で鹿児島へ部隊が合同で鍛錬を行っており、先程まで模擬戦を行っていたのである。模擬戦の組み合わせは小原と是枝、青沼 絢加と柳沢 喜恵、藤枝 拓海と桐原 美早であり、是枝と柳沢は圧勝、藤枝と桐原戦だけは藤枝が僅差で勝利という結果であった。
「うちの部隊やばくない?」
「いや、あの2人が強いんよ」
 模擬戦に完敗した青沼が感想を口にし、それに小原がフォローの言葉をかける。是枝の実力は30期の中でも1人抜きん出ており、今の時点で是枝に勝てないのは正直仕方がないことだ。また、柳沢もトップ5人には入っているような実力なので、下から数えた方が早い青沼とは実力の差があるのは歴然なのである。
「まあでも鍛錬場の模擬戦と、亜獣との実戦は違うっていいますよ」
 明らかに自分よりも強い2人と部隊を組んだ桐原が普段考えていることを口にする。鍛錬と実戦は違う。これはどの職業でも言われていることであり、迷宮内の雰囲気、緊張と鍛錬場のそれとは比較のしようがなく、鍛錬場で無双していた冒険者が迷宮内ではそこまでの実力を発揮できないというのは良く聞く話なのである。
「良し。じゃあ迷宮入ったら本気出す!」
「いや、鍛錬場でも本気出そうね」
 気合を入れながら青沼が発した言葉を聞いて、思わず小原が突っ込みを入れる。これを聞いてそこにいる全員が笑い声を発したのである。

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