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事件ファイル No2           雨漏りは覚悟してください ??

新築の住宅で・・・・ ?

これから新築を予定している方のために、最後尾に プレゼント を用意しています。

 私は ホームインスペクター(住宅診断士) という資格も取得しているのですが、その協会のHPでは、お住まいの地域のインスペクターを検索することができるので、時々私にも相談の連絡が入ります。

建物の購入や売却に際しての判断基準が欲しい場合には対象地域を管轄するインスペクターに相談・確認してみてください。

そのお宅は 引渡し前 から雨漏りがしていたそうです。

 当然ながら建築主は『 雨漏りの修繕をしてから引き渡しを受けたい。 』と伝えていたそうですが、補助金等の関係で期日までに引き渡しを受けなければ 無効 になってしまうという事で、後日の修繕を約束したうえで引き渡しを受け代金の精算も済ませたそうです。

 ・・・・

 そのような経緯があって、私に声がかかったのは 引渡しが終わり、一部の荷物を運び込んだ後の事でした。

 私が 引き受けたのは、【 インスペクション 】ではなく『 【 明らかな瑕疵 】に対してハウスメーカーさんが 対応をしてくれない ので知恵を貸してほしい。 』という事からでした。

 【 あまりにお気の毒 】という思いから【 誤魔化されないような知識の供与 】のみを前提としてお宅を訪問しました。

 さらに現地で感じるところがあり『 係争(裁判沙汰)に発展する際にはその後は手を引かせていただきますがよろしいですか? 』と、確認を取ってから内検しました。

 『 ちょっと たちの悪い 工務店さんかな? 』と思ったからです。

 雨漏りは 継続 しているようでした。

 雨漏りの跡が残っていましたので、場所の特定と原因について見当をつけるのには、さほどの時間はかかりませんでした。

 ・・・・ そのあとで

 その工務店さんの HP を見せてもらいました。

 【 素敵な家 】を提供している工務店さんのように見受けました。

 今回の新築においても、計画段階において 『 この場所にトップライト(天窓)をつければさらに明るく居心地の良い住まいになりますよ。 』というようなアドバイスもくれたそうです。

・・・・

そして建設途中からの 雨漏り 発生。

・・・・

建築主さんも 建築途中で雨漏りを指摘していたそうです。

 『 手直ししました。 』を確認する度に また次 の雨で雨漏り・・・・の繰り返しだったそうです。

 そして 内装 も仕上げてしまった後でも 雨漏り が継続したという事です。

 そして、引き渡し時には以下のように言われたそうです。

 『 トップライトを希望するのであれば、少々の雨漏りは 覚悟 しておくのが一般常識です。 』と。

 そして その処置をコーキング(下の写真のようなもの)で止めようとしたそうです。

適材適所で優れた材料です

 でもやはり 雨漏りは止められず・・・・。

・・・・

 その辺りまでは情報として聞いたうえで 施工した工務店と 保険会社とその鑑定人 建築主 との三者面談に 建築主の希望 として 了解を得て私も参加したのです。

 私が『 トップライトの止水に関する 納まり を手書きでよいので書いてみてもらえませんか? 』と現場監督さんに尋ねると、『・・・・』で回答がありませんでした。

 『 トップライトを施工する際には監督さんは立ち合いましたか? 』と聞くと同じく『 ・・・・ 』でした。

 『 雨漏りの重要因子であることの認識はあったにもかかわらず、写真等でも確認はしないままに施工が進捗してしまったという事ですか? 』 に対しても 『 ・・・・ 』

 そして口を開いた内容は『 とにかく雨漏りを止めなければなりませんので 屋根の上に上がらせてもらいます。 』とのことでしたので、『 メーカー仕様の止水方法でなければ だめ だという事は理解できていますか? コーキングで止水するメーカー仕様であれば それ でよいのですが、メーカーがそれを指定していないのであれば、かえって悪化させる可能性がありますが そこ を認識していますか? 』

 『 わかっています。正式には 後日 メーカー仕様を調べて きちんと対処します。 』と。

 それに対して建築主は『 それは今言うことですか? 今の発言からは これまでに何度も それ をせずに 誤魔化しの様な手直し を繰り返してきたと 証言したに等しい ではないですか。 』と。

 ・・・・

 私は事前に その納まり詳細図 の準備と持参をお願いしていたので、それをお願いした方を確認し、その方へ向き直って『 お願いしていた メーカーが指定している トップライトの納まり詳細図 を見せていただけますか? 』と聞くと、『 今回のメーカー には そのようなもの はありません。 』との回答が帰ってきました。

続けて『 これが他メーカーの 似たようなトップライト の納まり詳細図です。 』と図面を提示しました。

 『 この納まりが 今回のトップライトと 同形状のサッシ だというように認識してよいですか? 』に対して、現場監督さんが『 そうです。 』とやや胸を張るようにして返答しました。

 『 この図面では コーキングを一切使用するようになってはいませんね。 』

 『 という事は コーキングで止水しては いけない という事だと思いますが、保険屋さんの鑑定人はどのように考えますか? 』と話を振ると、その鑑定人は『 おっしゃる通りだと思います。 』と。

『 鑑定人さんもそのようにおしゃっていますが、施工者としてどのように考えますか? 』

『 ・・・・ 下請けに確認しなければ何とも言えません。 』

 当然ながら これ で建築主さんは いささか 冷静さを欠くようになり・・・・

 『 それではどのように施工したのかさえ不明のまま、一切を下請け任せで施工したという事ですか? あなたが私にトップライトを勧めたのです。そして雨漏り発生後には、雨漏りは当たり前の事 のように言っています。その挙句がそのような言い逃れですか? 弁護士に相談しますので文章にして回答してください。 』という発言になってしましました。

 ・・・・

 正直なところ私も『 トップライトは雨漏りに関しては重要因子になりうる。 』と認識しているので、進んでお勧めすることはありません。

 しかし施工者として 雨漏りは明確に瑕疵 です。

 もしかすると ですが、私が指示するように手直しすれば いったんは雨漏りは止まるのではないかと思いましたが、それは口にはしませんでした。

なぜならば、その処置は【 目先の処置 】であって、根本的な解決には至らぬまま 施工者を逃がしてしまうことになる可能性が高くなるからです。

 【 瑕疵担保責任保険 】の期限(引き渡し後10年)が切れた後に【 当初の原因 】で漏水が再開してしまえば、建築主さんにとってはかえって迷惑になる可能性があるからです。

 ・・・・

建築のトラブルに関しては キチンとした技術的ベースの基に第三者的な意見が言える建築士 を見つけておくことが重要だと思いますよ。

今回あらためて感じましたが、【 保険屋さんの鑑定人 】は必ずしも、 【 被害者 】である【 建築主の見方ではない 】という事です。

当然【 フラットな立場 】で発言することが求められると思いますが、今回は【 鑑定人がすべき発言をしないから 】私がしゃべらざるを得なかったという状況です。

 【 保険屋さん自体 】が【 工務店からの発注 】で保険をかけてもらっているので、工務店の不利益になるような発言をしない という事も、ある程度は理解できますよね? ・・・・それではダメなのですが、現状はそのような状況のようです。

『 あの保険会社は 建築主の見方ばかりをする。 』というような噂を 工務店仲間 に広げられては、自らの仕事が減る 可能性がありますからね。

 くれぐれも 素敵なHP と 聞き心地の良いキャッチコピー の誘惑には負けないで下さいね。

 住宅展示場で利用できそうな 参考資料 を添付しておきます。

見掛けだけの判断ではなく 気になる問題点 は解決しておきましょうね。

 【 有名建築家が設計すれば 雨が漏って当然 】と言われていた時期があります。

施工が困難な カッコいい外観 をデザインすれば 漏水処置は困難を極めるのだから、というような 皮肉を込めた意味 です。

でも、建築士になるには試験を受けて 合格 して初めての事なのですが、建築家には今すぐにでもなれます

なぜって 【 建築家 】という資格はない ので【 名乗ったもの勝ち 】とでも言えば良い様なものなのです・・・・。

これ以上は書けませんのであしからずご了承くださいね。

 

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私の 状況に応じて、ですが 無料の範囲で対応いたします。

 

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