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INTJがESFJの「Feスイッチ」を押しちまった話

私はMBTIでいうところのINTJを自認しています。私は日頃、他人様の情動を刺激したり、感情を逆なでしないよう注意して生活をしているつもりです。というのも、相手の感情を刺激することでこちらにその感情を振り向けられてしまうことがあるからです。私はその感情を上手く扱いきれずオタオタしたり、オタつく自分の感情をも御しきれず、結果、自分で自分のエネルギーを削いで消耗します。そんなわけで、ついつい対人関係に距離を置きたくなる。そうゆう自分勝手な性分です。

【ESFJさんにとっての感情とは?】
先日、表題にあるとおり、ESFJさんの外向感情「Feスイッチ」を図らずも押してしまいました。以下はESFJさん全般というより、とある知人の性格的傾向、個別的な側面が強いかとは思いますが、心理機能について学習する手立て、加えて自分自身を省みる機会として、今回の出来事を「ESFJさんのFeスイッチ」と大きく捉え、この場を借りて色々考えてみたいと思います。

はじめに、ESFJさんの主機能は外向感情(Fe)です。ESFJさんの主機能をちょっと強調して表すと「みんなの感情は私の感情、私の感情はみんなの感情」かなと。具体的な発言に置き換えると「みんな言ってる」「みんなやってる」となりそうです。

ちなみに、INTJである私の感情に対する認識は、「私の感情は私の感情、あなたの感情はあなたの感情」です。上のセリフを耳にするたび(みんなってどこの誰ですか、みんなってあなたのことですよね)って心の声でボソっとつぶやいています。

話が反れました。私がESFJさんのスイッチを押してしまったエピソードとはこんなやり取りでした。

【Feスイッチにまつわるエピソード・回想】
ある朝、長年の間柄であるESFJさん(仮にAさん)に会った。すると、Aさんは急いで私のところにやってきて、開口一番「この前は本当にごめんね~。」と言いに来られた。私は何のことだかサッパリわらかず「何のことですか?」と問い返す。すると、Aさんは「ほら、Bさん(私のこと)からもらった頭痛薬。飲んだあと効いたかどうか聞かれたのに、私ったら全然眠れなかったって言っちゃったでしょ。いつも気遣ってくれているのに悪いことを言っちゃったなと思ったのよ~。」と表情、感情巧みに話すのだ。

(ああ、そんなことあったわ)私は思い出した。頭痛薬の件を説明すると、この朝の2日前、Aさんが頭痛がする、後頭部のあたりが痛い、と繰り返し言うものだから私は常用している市販の頭痛薬を2錠を渡し、飲んでみてはどうかと勧めたのだ。

その翌日、私が頭痛の効き目がどうだったかAさんに尋ねると、「飲んだけど眠れなかったのよ。夜中に目が醒めてそれからずっと寝られなくて。」という返事であった。私は「体質や体調によって効き目も異なるから合わなかったのかもしれないですね。すみませんでした。」と答え、まだまだ話が長くなりそうだったので早々にAさんに挨拶をしてその場を離れた。それだけのことである。

それがそのまた翌日になってこれほど謝り倒されることになるとは…。こちらは何とも思っていなかったのに少なくとも10回は謝られた。「全然、大丈夫ですよ、気にしないで下さい、こちらこそすみません。」と私まで10回も返すはめになった。ちょっと疲れた。

このあとのAさんの語りをまとめると以下である。どうやらAさんは、私が発言した「すみません」について、あとになって随分と考えを巡らせていたようなのだ。Aさんは、私の「すみません」の一言を気にして、いろいろ思い返し、勧めた頭痛薬によってAさんを不眠にさせてしまい申し訳ないことをしたと思った私のことを、更に申し訳ないことをしたとAさんは思い悩んでいたらしいのである。(重ね重ねのわかりづらい文章で殊更に申し訳ない)

ただ、そこからが長かった。「眠れなかったのは頭痛薬のせいではない。夜中に咳が出たから寝られなかった。普段、飲んでいる薬では無いので頭痛薬をもらったことを翌朝すっかり忘れていた。朝は低血圧でぼーっとしているから頭痛薬のことを尋ねられたとき何のことだかわからなかった。」(だから傷つけたコトは悪かったが仕方ないというコトか??)という下りをAさんは繰り返し話された。合計3回ループされた。私は傾聴と笑顔で「そんな、いいですよ~」をひたすらにループした。

【Feスイッチにまつわる考察 Fiとの対比】
とまあ、やり取りはこんな調子だったのですが、まずもって、私は「すみません」とは言ったが薬効に対する責任などは感じておらず、話の幕引きとして当たり障りなく言っただけのことでした。それなのに、何故、これほどまでにAさんは過敏に反応したのでしょう。

確かに、よくよく振り返れば、私も少し強引だったのかもしれません。頭痛薬だが弱いものであること、飲めば30分も経たずに頭痛が改善すること、外気温や気圧の変化で頭痛は起こりやすいものであること等、Aさんの訴えを半ば退けるような物言いだったのかもしれません。そうした罪悪感が無意識に私の口から「すみません」を言わせたのではないか、なんだかそんな風にも思えてきました。

おそらく、Aさんは薬など飲みたくはなかったのでしょう。ただ、「大丈夫ですか。頭痛って嫌ですよね~。」という共感、感情の交流を欲したのだと思います。痛みという感覚、重だるい感情を他者と分かち合えればAさんの痛みは多少でも軽くなったはずです。それを私が頭痛薬というAさんが望んでもいない解決手段を性急に提示したものだから、翌日のAさんの「全然、眠れなかった」という感情的な含みを持たせた発言へと繋がったのでしょう。私はAさんのFeを刺激してしまった、「Feスイッチ」をばっちり押してしまったのです。

あとになれば、こんな風に考えることも出来るのに。それなのに、ついつい自論を押し付けてしまう、相手をコントロールしようとする、自分が有能であるかの如く振る舞いたがる、これらは自分でも自覚している良くない癖であり、無意識の無能感の裏返しだと踏んでいます。

Aさんに話を戻すと、「全然、眠れなかった」の発言に端を発したAさんのFeですが、更に拡大してゆく様子がその後の行動から読み取れます。

Aさんは、その感情が他者や外部の社会では歓迎されない種類のものであることを経験値から熟知しています。よって、その感情に対するもっともらしい理屈を無自覚に考え出し、そのような振る舞いをした自分自身を省みた結果、私に対する過剰な謝罪となったのではないでしょうか。

Feは、物事の判断に際して、世間一般はどう捉えるか、他者の良い悪い、好き嫌い、といった他者や外部の視点・物差しを用います。なので、Aさんも自分の振る舞いが、社会、世間一般にはどう映るか、相手はどう思うのか、という尺度で判断し、私への謝罪と釈明に至ったのだと推測します。

私は、Aさんのこの一連の行為の背景、心情の経過を想像し、ESFJさんらしさを感じました。また、外向感情、Feとはこのような働きを持つのだな、と改めて思いました。

外向感情の特徴として、ひとつは、感情を自他と共有する、外部との感情の一体化、拡大化、感情の一般化。ふたつめに、自分の固有な感覚、考え以上に、社会や世間、他者の視点をもって物事の認識、判断にあたること。大きくこの2点が挙げられるように思います。

逆に、INTJの私は第三機能に内向感情を持つので、自分の感情の独自性、独立性をいかに保つかということに執心しますし、物事の認識、判断は主機能である内向直観、つまり、自分の信念や内在する感覚、ビジョンに焦点を当てがちです。そうゆう意味でESFJさんとは感情のスタンスや判断の軸において、真逆のポジションを取っていることに気付きます。

なお、社会生活においては、Niに偏り過ぎるとまずもって客観性に欠けるため、物事の判断においては、補助機能のTe外向思考を並行使用し、Teに情報を照会、精度の高い判断とするべく絞り込みに努めています。(といっても全然、絞り込めず常に前のめっていますが…)

ざっと一読する限り、これって私の愚痴を綴っただけの話でしたね。そもそも、Aさんがこのように思考しているかどうかもまったく不確かですし。ですが、こうしてあれこれ分析をし、理路を考えることで、身の回りの出来事や人間関係に対するイライラやモヤモヤが解消されたり、胸に収めることができるのであれば、現実的運用としてはそう悪いものではないのでは、と私は捉えています。つまるところは、心的防衛機制の「合理化」によって、自分の心的負担軽減を図っている、そうゆうことなのだと思っています。

で、話の最後に、私はAさんに頭痛薬が効いたのかどうか再度尋ねてしまいました。そうしたら「う~ん。」と困った顏で濁していたのでやっぱり薬は効かなかったみたい。こうゆうときにハッキリ言わないとこがESFJさんの優しさであり、流せば良いものを事実確認をしたくて要らんコトを尋ねてしまうのがINTJである私の反省点です。

というわけで、手前勝手な内容であり、性格傾向に関する表現で不快に思われる方がいたら申し訳ないですが、ここはひとつ、聞きかじりの知識と個人的主観による心理機能及びタイプ特性に関する考察ということでふわっと捉えていただけると幸いです。

以上、長文のところお目通しをいただきどうも有難うございました。






















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