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社会不適合者黙示録 思春期編(1)

はじめに言う。僕は社会不適合者である。
協調性などないため、皆と同じように楽しみ、協力することができない。
ましてや他人の気持ちを推し量ることなどもってのほかだ。それ故人間関係のトラブルは絶えなかった。おそらく知人の過半数は僕のことをよろしく思っていないだろう。

では、どのように不適合になってきたのかと考えてみると、そのルーツはかなり昔、自分という性格・アイデンティティが形成される小中学時代にまで遡ることとなる。

こんな自分だが、幼少期は集団で遊ぶことも多かった。
小学校という地域社会には、自ずと権力を持ったガキ大将というのが現れる。そのジャイアンを筆頭に、幹部としてコバンザメが数匹常に取り巻き、さらにその周りを一般兵が取り囲むという構図だ。おそらく、このカースト制度はどこのコミュニティを覗いても形成されていることだろう。
それは小学校という小さな世界しか知らない自分にとっては巨大な組織であった。そこに所属することが味方を増やす、即ち敵を減らすには手っ取り早い手段である。

体も小さくて弱かった当時の自分にとっては、いつ自分がいじめの標的にされるかわからない。友達なら数人いたが、次第にその集団に吸い込まれていく。本格的に見方が少なくなってきた、どうしよう、と考えていた時にふとそのグループに混ざる機会があった。

それまでは大人数で遊ぶことなどなかった自分には新鮮な体験であった。これだけ人数がいれば野球ができる。バスケができる。もちろん各個人で持ってきたゲームをすることもできる。こんな遊び方もあるのか、と世界が広がった気がした。いじめられることも経験してきた自分にとっては、味方が多いのは心強い。

…はずだった。

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