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愛?淫欲?『堕ちてゆく兄と弟。禁断のLove』その9 来訪者

今、まさに、陽介が兄である孝介の男性器を口淫しようとした瞬間。

ピンポーン!玄関のチャイム音。

ふたりは慌てて離れた。

「だ、誰なの? もう9時なのに」

「誰だろう? ちょっと待って...」

孝介が防犯カメラで確認すると、そこに立っていたのは隣街に住んでいる叔父だった。この叔父は母の弟で現在45才の独身。親戚であり帰すわけにもいかず孝介は陽介に言った。

「まずい人が来た。ヨシおじさんだ。
参ったな! どうせ小一時間で帰るだろう。それまでお前は自分の部屋で隠れているしかないな...」

「よりによって、こんな時に...」

陽介は不満そうにそのまま階段を駆け上がり自分の部屋に隠れた。

「お! 孝介。明けましておめでとう。
お父さん、お母さんはいるかな?」

「旅行中なんですよ。だから、オレと陽介が留守番なんです」

「そうか、、それでいつ帰って来るんだ? おっ!お酒飲んでるのか? オレも付き合ってやろう」

叔父はそう言うとズカズカと中に上がり込み周囲を見まわす。
まずいことになったと孝介は思った。この叔父は酒好きでクセが悪く親戚中の顰蹙を買っている。
(お酒なんか飲ませたら、そう簡単には帰りそうもないな。まずいぞ...)

「あれ、陽介はいないのか?」

「ええ、、陽介は友達の家に行って泊まるかもしれません」

「そうか、、じゃ、今夜は孝介とサシで飲もうな。お前もかなり飲めるようになったそうじゃないか!」

叔父はお酒を前に嬉しそうだが、孝介としてはたまったものではない。

その頃、自分の部屋で陽介はイライラしていた。もう一時間も経つのに叔父が帰る様子がない。
時折、下から「ワハハ!」と、酒癖悪い叔父の下卑た笑い声が聞こえる。

陽介は兄との続きを楽しみたく、女装姿のまま化粧も落とさず部屋に隠れていた。こんな姿を叔父に見られたら大変な事になるに決まっている。
家にいるのがバレないよう、物音も立てられずに部屋でジッとしている。

兄からメールが届いた。

『陽介、ヨシおじさんがトイレに立ったので途中経過。おじさんはかなり酔っている様子だ。今夜は泊まって、明日、お父さん、お母さんが帰って来るまでいるそうだ。このままじゃまずいだろ? 眠ったらまたメールするから、その隙に洗面所に行ってメークを落とすんだ。見られないよう慎重にな』

陽介は叔父が憎かった。
殺意すら覚えるほどに。

兄と夢のような時間を共にしたこの年末年始の数日間。明日は両親が帰ってきてしまう。今夜が兄と過ごす最後の夜だったのに。

今夜が勝負だと思っていた。
そんな陽介の思いに兄もその気になっていたのに...。

激しいディープキッスから、兄の大きくなったモノを口に含もうとした瞬間にあのヨッパライがやって来た。

このままでは欲求不満で眠れそうにない。陽介はアソコが未開発なので性交までは無理だが、手と口で兄を慰め満足させてあげたかった。そのまま朝まで兄の胸で眠っていたかった。

なのに・・・。

陽介は女姿のままドアをそっと開け階下の様子を窺った。

階段の下で叔父がこっちを見上げている。ドアを開け下の様子を見ている陽介と叔父の目が合った。階段を上がった真正面が陽介の部屋なのだ。

「あわわわ、、」
叔父は言葉にならない声を上げた。

バタン!

陽介は慌ててドアを閉めた。
(見られた? ど、どうしよう...)

しばらくすると、叔父の大声とそれに混じった兄の声が聞こえてきた。

トイレに立った叔父が廊下で何やら叫んでいるので孝介が様子を見に行ってみると、叔父は二階の陽介の部屋を指差しながら何か云っている。

「ど、どうしたんですか?」

「孝介! おまえ、陽介は友達の家に遊びに行ってると言ったな?部屋から明かりが漏れているんで見たら、 今、陽介の部屋から女が顔を出したんだ」

「・・・・・」

いくら物音を立てなくても真っ暗にしなくては明かりは漏れる。
孝介は言い訳に頭を巡らした。

リビングに戻ると尚も叔父は言った。

「あの内気で大人しかった陽介が、親が留守の間に女を連れ込んでいるなんて驚いたな...。しかも、商売女みたいにスケベそうな下着姿だったぞ」

「おじさん、陽介も19才になったんですよ。あまり野暮なことは言わないで見てみぬふりしてやって下さい。父や母には内緒にして下さいよ...」

かなり酔っ払っていた叔父は、女を陽介自身だとは思わず彼女だと思い込んでいたのは幸いだった。

叔父はその後ベロンベロンに酔うとやっと眠ってくれた。
午前1時を過ぎようとしていた。

そして、陽介にメールを送った。

陽介は相当トイレを我慢していたのか飛び込むと、出てくるなりリビングで眠っている叔父を睨みつけバスルームに化粧落としに行った。

ああ~ なんて日だ。。。

この叔父とのことは、後に大事になる伏線になってしまう。

翌日の昼過ぎに両親は帰ってきた。

母は自分の弟である叔父の訪問に嫌な顔をしたが、土産に買ったものでその晩は叔父を含めた5人で食事。

あれだけ口止めしておいたのに、叔父は前夜のことを面白可笑しくではあったが喋ってしまったのだ。
酔うとこの人は軽薄になるのだ。

一部始終話し終えると「まぁ、陽介も男だってことだな。内気なので心配してたんだ。それにしても、ゾクッとするほどいい女だったな。ワハハハ」

陽介は黙ってうつむいていた。
孝介も黙っていた。

「親が留守の間に連れ込まなくても堂々と付き合えばいい!」

父は渋い顔をしながらも、そう言うと陽介に彼女がいることに少し安心しているようだった

だが、母はごまかせない?
不審の目を陽介に向けているのを孝介は見逃さなかった。

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