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妖しく倒錯的世界に導かれて(19) 恋愛感情なのか?

黒木さんに付け文を渡した翌日は日曜日です。まだケータイもない時代ですから真っ黒な置き電話でしたね。

(黒木さんから電話があるかも...)

そう思うと、留守電の機能もない電話なので出かけられずにいました。
あんな付け文なんか渡して、欲求不満の尻軽女(男だけど)だと思われたのではないか、、嫌われたかも?

電話はかかってこない。そのまま一日が過ぎてしまい、私はテレビを観ながら簡単な料理を作ると、お酒を飲んでくつろいでいたと思います。
大河ドラマか何かを観ていたのかな?

半分諦めかけたその時でした。
黒電話がいきなり肩を揺すって鳴り出したのです。私は母か友人の顔を思い浮かべますがドキドキする。
(誰だろう?黒木さんならいいな...)

「もしもし...」

「は、はい、、」

「陽子さんですか?」

「はい、そうです。黒木さん?」

「黒木です。昨日はどうも...」

付け文には、独り暮らしなので、私以外は絶対に出ないので安心してかけて下さい。と、書いておきました。


前回にも書いた通り、黒木さん以前にも何人かの男性とお会いしているのですが、それはエッチが目的であってこんなドキドキしたのは初めての経験。女装していくら気分が高揚していても自分が本当は男であるという心理的な一線を超えたことはない。

(自分は男性を好きになってしまったのだろうか... これって、同性愛?)

前々回でも書きましたが、この当時の自分の性的指向がよく分からない。
私は決してゲイではなくノンケなのは間違いないのですが、黒木さんと付き合っていた数年間、私は恋愛感情に似た気持ちを彼に対して抱いていた。

同性愛というのは生まれ付きのものなのか? それとも後天的要因もあるのでしょうか? 後天的にしても、ある一時期ということもあるのでしょうか?
それとも、快楽のためなら多くの人がどちらにでもなれるのでしょうか?

LGBTに関しては不勉強なので、それに付いて述べるのは控えます。


黒木さんとは月に二度、あの新宿二丁目『G』で待ち合わすと、デートを繰り返す仲になりました。

この時、私は28才。黒木さんはちょうど30才だったと思います。
私は172(58)位でしたが、彼は179で80Kg前後だと聞いた覚えがあります。

大学時代に数カ月付き合った彼女はいましたが、今度は彼女ではなく彼氏が出来た。僕は彼女になった。

黒木さんと付き合う上で、以前、鶯谷の派遣ニューハーフ孃Aさんに、色々教えてもらったテクニックが大いに役立つのです。
完全覚醒まで一歩手前。

https://note.com/lively_fairy457/n/nb33fdf49f241


次回に続きます。


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