心の底から好きじゃない、ごめん。③

彼は素直で心の表現もそのまま出してくれるような
真っ直ぐな人だった

わたしはどこか素直になれない性格で
嬉しいのに嬉しいと言えなかったり

恥ずかしさから気持ちをすべて出せずにいた

彼から

『ずっと叶えたかった夢があるから
    地元を出て、専門学校に行くんだ』

とある日言われた

今となれば
少しの距離くらいどうってことなかったかもしれない

当時は免許もまだなかったし
離れてしまうんだ これまでと変わらずいれるかな

そんな気持ちになりながら

『夢叶えるために頑張ってね
   応援してる』

そう伝えた

引越しや新生活の準備に追われ
前ほど会えなくなった

少しして
『会えなくなるけど ここで頑張ってね
   離れてても応援してるよ』

わたしは卒業後、就職が地元で決まっていた

そして彼は3月のうちに
地元を離れた

少し離れて時間が経ってから
すごく存在が大きかったこと 
好きだったことに気づいた

どうして気持ちを伝えなかったんだろう
なぜ 彼も好意を持ってくれているときに
わたしも素直に出せなかったんだろう

後悔ばかりが押し寄せる

今度帰省したときに
直接 気持ちを伝えよう

そう決めた

離れている間
彼の好きだった曲を良く聴いた

曲や香りって
時間が経っても
すぐ想い出を蘇らせてくれるもの

音楽を聞きながら
切なくなったり懐かしい気持ちになったり
会うまでソワソワしていた

彼に会う日が近づく

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