僕の東大受験~数学編③~
早いもので数学編がもう③ですね。
では早速。今回は参考書レビューがメインになる気がします。最も、雑談もありますが。この合格体験記(?)のある種アイデンティティみたいなもんですからね。
前回は確か高1から高2の春の休校期間の話の内、数Ⅲでしたね。今回はその期間のⅠAⅡBについてから始めます。
僕がメインに使っていた問題集はこれです!
「スタ演」こと、大学への数学でおなじみ、東京出版から出ている「新数学スタンダード演習」です。
普段はネットのサイトから持ってくるきれいな画像にするんですが今回は僕が実際に使ってたものにしました。ボロボロ具合を見てもらいたかったので。
基本僕の参考書は使い込んだ感が出てるのですがこれは特に激しいですね。写真じゃわかりずらいですがかなり破れているのでセロハンテープでかなり補強しているんですよね。
そして見た目通りかなり使い込みました。
まずは良く知らない方のために基本情報から。
簡単に言うと数ⅠAⅡBの最も汎用性のある問題集です。分野ごとに分かれており、総合問題(数式編と図形編に分かれている)も含めると300問近くあります。僕が持ってる年のは289問ありました。
これ実は毎年少しずつ改訂されてるんですよね。まぁそこまで重要な改訂ってほどではないんですが。
この問題集の利点としては全ての問題にレベルと目安時間が表示されていることです。以下で紹介するのは、これから東京出版の本がちょくちょく出てきますが全てに当てはまる基準です。
まず下から順にA,B,C,Dに難易度がわかれています。
簡単に言えば、基本問題がA、難関大を受けるにあたって落としたくないレベルがB、差がつく問題がC、特色入試で出たり後期問題にあたるようなのがDという感じです。
この問題集は大半がBで、たまにC、まれにAという感じです。Dはマジで入試目的ならいらないですしこの問題集にも出てきません。
目安時間に関しては、大体10分刻みで出てます。スタ演には20分から30分の問題が多く収録されていますね。
僕はこれをどう使ったかというと
「ほとんどの問題を2連続、目安時間内に正解できるまで終わらない」
です。考えるだけでもう鬼畜ですね。
しかも、その2連続とは全体を通した後に2周目、という感じなのでまぐれで正解すると2回目はまず解けない仕様になっているのです。300問近くあると大体初めの問題は忘れますからね。
僕がこの問題集をやった目的は単純に演習量の確保と、応用力を付けるためです。それまでまともにやってた参考書が赤チャートだけ、つまりいわゆる網羅系だけであった為、それらで得た解法を実行する場所としてこの問題集を選んだんですよね。
もちろん赤チャートにも演習問題はあったのですが、僕の勝手な持論に「接続が良すぎる演習問題は効果がむしろ減りかねない」というのがあったのです。
簡単に言うと、赤チャートの例題をやった前提で作られている演習問題を取り組むと、がっちりはまりすぎて応用力が鍛えられないのではないか?ということです。
何の根拠もないのですが、何となく不安であった僕はあえて、「一対一」をやった前提で作られているスタ演にしたんですよね。
もちろん、一対一をやったことはありませんでしたが困ることはありませんでした。解説も、割とシンプルで別解もそれなりにあるのでこの問題集を選んで正解だったと思います。
(注:ここからやさ理とスタ演の比較が始まります。
長くなるので興味ない人は飛ばしてください。あと、やさ理信者も読み飛ばすのが賢明だと思います。やさ理アンチは読むと心が晴れるでしょう)
ところで別解で思い出したのですが、この問題集とよく比較されるものであり、名前と内容の乖離で有名な「やさしい理系数学」があります。この2つで迷った、迷っている人は多いのではないでしょうか。僕の周りもかなり悩んでましたが結局僕以外やさ理を選びました。
特にW君はやさ理も、その上のハイ理もやってました。正確にはハイ理は、娯楽として僕たちと一緒に解いてましたが。またYK君もやさ理をちょくちょくやってた記憶があります。S君もやさ理を持ってた記憶があります。最も彼は赤チャートが相棒でしたが。(確か)
実は僕もやさ理を買ってはいたんですよね。なんと、スタ演を終えて後にやるつもりで。ここら辺から僕の「学力向上ではなく、問題集をやるために問題集をやる」という、手段の目的化が若干始まるのですが…。
まぁ、当然あの「2回連続正解」という鬼畜ルールを課していた為、やさ理をやる時間はなく、友達に500円で売り渡しました。
どうでもいいですがその友達と今度ご飯に行く予定です。本当にどうでもいいですね。
さて、話を戻して。やさ理とスタ演の違いとして数Ⅲの有無がありますが理系ならばこれは正直どうでもいいでしょう。スタ演の数Ⅲver.を買えばいいだけですし。難易度も若干やさ理の方が高かったはずですが誤差程度です。
大きな違いは値段を除けば、問題数と解説の方向性でしょう。
問題数はやさ理が数Ⅲ含めて200問とスタ演と比べればかなり少なめです。時間がない場合はやさ理の方がいいでしょう。少なくともスタ演は理系受験生手を付けるなら高2の間がいいと思います。
しかし何といっても大きな違いは解説です。有名な話ですがやさ理にはとにかく別解が多いです。やさ理を紹介する動画やサイトでは100パーセントといっていいほど別解について触れられています。
確かに数学の勉強において別解が多いことは重要です。このことはまた今度触れます。東大特進で長岡先生の講義を受けた時にすごい感じたので。
ですがやさ理はその「別解の多さ」がメリットとなるような構成になっていない、と僕の中で結論がでたので結局やることはなかったんですよね。そして後にYK君もその結論にたどり着いてたことを知るんですよね。彼がやさ理をやってる姿も途中から見なくなりましたし。
簡単に言うと「別解をあげるだけ挙げて、その別解に至った理由やそれぞれの特徴をあまり述べていない」点があまり良くないんですよね。当たり前ですが別解をいっぱい覚えたからといって成績は上がらないので。数学力向上で重要なのはむしろ解法選択「までの」プロセスですから。
その点スタ演は解答の前に、一言程度ですが、その解法を選択した理由が書かれていることが多いです。
ということで、選ばれたのはスタ演でした。
まぁ冗談はさておき、やさ理比較コーナーはここまでです。
正直、やってない問題集のレビューは信条に反しますが、実際に購入し中身は何度も見てるのでこれくらいはご愛敬かと。
話が戻ります。僕はスタ演を鬼ルールで進めてたのですがここで「ほとんど」といってたのを思い出してください。実はある分野は1周で終わらしてたのです。
そのうちの1つは整数。理由はマスターオブ整数やYouTube上の整数問題で十分整数の能力は向上していたから。整数にこれ以上時間をかけるのはコスパが悪い、と判断したんですよね。これは賢い判断だったと思います。
もう1つは場合の数、確率です。実は、このスタ演を買うちょっと前からこちらの確率の参考書を買ってたんですよね。ですのでスタ演ではそこまでやらなくていっか、と思ってたのです。
こちら、「解法の探求・確率」でございます。もちろんこの中には場合の数も含まれています。
この問題集、そこそこマイナーだと思いますがかなりの名著だと僕は思ってるんですよね。
W君なんかすごく愛用してた気がします。
まずは基本情報から。この参考書、原則編、演習編、発展編、の3つに分かれています。原則編は、基礎からテクニカル的なことまで、確率の問題を解くのに必要な武器が一通り解説されています。例題を通して様々な武器の扱い方が学べます。
よく頭がこんがらがりがちな原因の確率を始めとし、同様に確からしいとは何か、漸化式はどう立てると楽か、など確率に必要な部分が網羅されています。僕はこの原則編を高1の終わりごろから始めて高2の間に何周かしていました。
正確に言いましょう。原則編「だけ」何周かして終わったのです。
演習問題には場合の数も含めて60問の難問があり、発展編には興味深い問題があるのにも関わらず、です。
理由は簡単で複数あります。原則編で十分得られるものが得られたから、演習編が思ったより難しく、ちょっと解いて諦めたから。そして何より「ここ最近東大理系で確率がでていないこと」が大きな要因でした。
その結果、2022の問題を知ってる人は分かると思いますが、僕の受けた年に限って「確率が出た」んですよね。幸いあのセットの中で最も難しいものだったので良かったですが、もし中程度のレベルの確率が出てたら、と思うとゾッとします。
ですのでこれから受験する方々は是非傾向にとらわれず、様々な分野をしっかりやっておきましょう。
とにもかくにも、原則編だけしかやらなかった上、スタ演の確率も
適当にやった僕は、確率が必然的に苦手になりました。いくら原則編が優れていてもそれを運用する訓練を怠ればそりゃそうなります。
まぁここらへんで感じてる人も多いでしょうが、僕は高2で多数の問題集を並行して進めています。次に紹介するのはこちら
「数学の計算革命」です。こちらは僕の計算力不足を解消するために高1の1月末頃、ちょうど早朝ボウリングをやったころから始めたものですね。
この問題集に関しては実際に書店で中身を見た方が分かりやすいと思いますが簡単に言うと、毎日コツコツ計算練習をするための材料がそろっています。しっかりと週ごとに分かれてあり、1日目、2日目、となっています。目安時間も書かれています。
もちろんただの四則演算じゃないです。多項式の展開から割り算、平方完成、数列の和、複素数の計算、積分など数Ⅲも含めて様々な分野の計算があります。
そしてこの問題集の特徴はこれらを「なるべく暗算」でやることを要求するところです。これには短期記憶力の向上の目的もあるからだそうです。もちろんそのために便利な計算方法が紹介はされていますがそれらは本番実行すべきかどうかは別問題、と述べられています。あくまで主目的は計算テクニックの取得ではないからだそうです
ここら辺は、著者の清先生もしっかりと考えがあってこの問題集を作られておられるようですし、それがしっかりと問題集の始めに書かれています。ですので、僕からいえることはそれをちゃんと読んでからやるべき、ということくらいでしょうか。
一つ言うならば、これを高1の終わりからやったことに少し後悔があります。逆算して受験ちょっと前に終わるようにコツコツやるべきでした。そうでないと、せっかく鍛えた処理能力が落ちてしまいますから。
本当はまだまだ並行して進めてる問題集はあるのですが長くなるので今回はこれくらいで。
次回はこの続きと、良ければ休校期間開け、どうしてたかについて語ろうかと思ってます。
それではまた。コメントがあればぜひお寄せください!
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