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やっちゃば一代記 思い出(20)

大木健二の洋菜ものがたり
 ヨーロッパの山菜
アスペルジュ・ソバージュ
 アスパラガスの野生種です。原産国のヨーロッパでは、野山で採集されたものが種です。出荷されます。時期になると、イタリアでは大束、小束様々な荷姿のアスパラソバージュで市場は所狭しの趣きとなります。さしずめ日本ならワラビのような山菜です。つくしんぼうに似た形で、茎から上はすべて食べられます。イタリアでは、大束は買ったその場で茎を少し切り落としてもらいます。当時の値段として一束が150円程度ですから、大衆的な山菜と人気があります。一方、当時日本に出回っている野生種のアスパラは輸入品のみ。細めの小束クラスのオランダ産、フランス産が1992年から入荷しています。アスパラはグリーンないしホワイトとというのが主流ですね。野生種は亜流のように見られがちで残念です。ただ、自然になかで育ってきた野趣は栽培種のホワイトやグリーンでは味わえません。
 ※アスペルジュ・ソバージュ
イタリア語ではアスペルピーもしくはアスペルぺと呼ばれ、ソバージュは野生という意味を持つことから、すなわちヨーロッパ産アスパラガス。
栽培用のアスパラと同様、南欧、ロシア南部、小アジアと原産地は点在しています。野生種は一見つくしんぼう風ですが、葉は小さく、茎は細く枝分かれしています。さらに小枝が束になって葉腋から出ていて、ここで光合成が行われている点が栽培種とは異なりますね。

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