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#御朱印めぐり
vol.20 大阪・豊国神社
「どうして、いつも裏口にたどり着いてしまうんだろうね」
「いつも同じ方向から来てるからやん。そら、同じところにしかたどり着かんやろ」
「なぜ違う道を行こうとしないんだろうか」
「お喋りに夢中やから違う?」
行き慣れてしまうと、足が勝手に向かう。喋っているとその慣れに気づかないまま進んで、当初の思惑とは別の道を進んでしまっている。なんて、ざらにあるものだ。
「なんやったら、ここから表門行ける
vol.18 摩耶山天上寺
六甲山牧場に向かう途中で、時間が空いた。
月に一度の日帰り旅行。一分一秒も無駄にしたくなくて、二人で近場の観光地を探し歩くことにした。
スマホ片手にブラブラと歩きながら風景を眺め、時折、手のひらの中のリストをスクロールする。
「お寺があるって! 行って良い?」
「どこ?」
「多分、近く」
「多分って」
横から呆れ声が返ってきた。だから私は必死でスマホを傾け、地図を指す。
「分かったか
vol.18 安井金比羅宮
白い短冊・形代を持って並ぶ。こんなに緊張するなんて思わなかった。
小さな穴を潜る人たちを見ながら、何度も間違えないようにとじっくり観察する。
潜って、帰ってくる。潜って、帰ってくる。
悪縁を切り良縁を結んでくれるその行いを、何人も見守る。私だけじゃない。列に並ぶ参拝客の多くの目が、たった一人を見ている。それがまた、私の緊張を増幅させた。
形代を所狭しと貼りつけられた巨石には、人々の怨念が
vol.17 橿原神宮
白い砂利の広がりに、思わず声をあげそうになった。
白く大きな鳥居は改修中で見れなくて残念だったけど、境内でこんな広がりを目にできるなんて。知らなかった風景に、一気にテンションが上がった。
「まるで平安神宮みたいだね」
「確かに。あそこも真っ白だったね」
「何? その幼稚園児みたいな感想」
「素直に感動してるの!」
曇り空の下でも白砂利は、ここが聖域であるこを明示している。
私と愛奈は白
vol.14 京都・豊国神社
六波羅蜜寺から歩いてどれくらい経っただろう。
小道を進んで、大通りを横切って、住宅街をさらに進んだ。道中のカフェや和菓子屋さんに立ち止まりそうになりながら、自制の先にたどり着いた京都・豊国神社は、階段の先にある。
「階段が重い」
「足に来る~!」
腰が曲がる私とは違って、遥は声を弾ませた。
「なんでそんなに楽しそうなの?」
「なんでそんなに苦しそうなの?」
数段先を行く遥は振り返っ