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防諜対策

 こんばんは、乙訓野添です。筋肉痛になってる時は、筋肉を補修するために水分を取り込むので、体重が落ちません。

 さて、見た目があまりにも残念なタヌキから、さっさと別の女に乗り換えたかった第二期モテ期。その実は、真剣な出会いじゃなくて、猟色に走りまくっていたので、乗り換え目的としては全然結果を出せず、ダラダラとタヌキと付き合い続けていました。
 しかし、そんなタヌキ、女の勘は鋭いのか、次第に妨害を受ける様になってきました。

 ある時、どっかのサイトで知り合った女とやりとりをしていて、仕事の帰りに会いに行こうとしていたのですが、なぜかタヌキが自分のマンションに来るという出来事がありました。まぁ、一応、正規彼女なので合鍵は渡してあったのですが、まさか平日の晩に来るとは思ってなかったのです。
 来てしまっている以上は、残業とか泊まりとか嘘もつき通せず、仕方なしに作戦中止。タヌキが待つ自宅に帰りました。その女とは、それっきりになってしまいました。内心、猛烈に腹が立ちました。女口説くのだって、楽じゃないからです。
 その時には、タヌキも薄々は何かを感じていたのでしょう。ただでさえブサイクな顔を、曇らせていました。美人がそうしてれば絵になるのでしょうが、ブサイクではただ単に鬱陶しいだけです。

 一応は、作戦がバレない様に取り繕っていたのですが、タヌキから「何か隠してる事はない?」と聞かれました。一体何のことかとしらばっくれると、おもむろにケータイを取り出し、とある写メを見せてきました。それは自分が他の女といそいそメールしてる画面でした。
 そしてタヌキは、ブサイクな顔をクシャクシャにして泣きながら、何か喚いていました。おそらく自分への非難だったと思うのですが、そんなもん、ろくすっぽ聞いてないので、中身までは覚えてません。とりあえず、何か取り繕って、その場はどうにか収めました。

 この頃は、まだこうした事へのセキュリティーが甘い時代で、ケータイにもロックかけるという習慣があまりなく、連れ合いにケータイの中身を見られて浮気や不倫がバレる、という事件が頻発していました。また、相手のケータイの中身は、それこそ暗黒の坩堝で、見ない方が身のため、という認識もまだ低かった様に思います。自分もモロにそれにハマったという訳です。
 今なら、スマホにロックをかける、暗証番号は教えない、メールやLINEは家に帰る前に削除する、画像や動画はクラウドに上げて端末からは削除する、そういった防諜対策をとるのは当たり前になっているでしょう。また、うっかり着信通知が画面に出てこない様にする、着信音やバッジが出ない様にする、そういった対策も取るでしょう。そういった知識は、この頃、急速に身につけていきました。

 しかし、タヌキに乗り換え作戦が事実上バレてから、第二期モテ期は急速い終了していきました。この後、とんと出会いがなくなってしまいました。というのも、それまで使っていたSNSが、出会い目的で利用するのを取り締まる様になり、メアドの交換も出来なくなったからです。後発のSNSは、最初は出会いを野放ししにして、ユーザーがある程度増えたところで締め付けをかけ、ゲーム基準のSNSに転換する事が多いのですが、その割を食ったという事です。出会う方法がなくなれば、リアル弱者の自分などは、手も足も出なくなってしまうのです。

 今回のnoteはここまで。昔のピュアな自分はどこへやら。かなりクズい男に成り下がりました。いいねもコメントもいただけないでしょう。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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