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常磐線 …男としての格好よさ
こんばんは、乙訓野添です。ちょっと箸休めで、とある体験談を書きます。出会いを求めて連敗中にあった出来事です。連敗で腐りそうになっていた自分が、腐らずにいた理由です。
とある用事があって、常磐線に乗って自宅に帰る途中の事でした。途中の駅で、若い女子数人が、発車直前までドアのところでワイワイ騒いでいたのですが、車内の女子がなにかふざけてドアの外に手を出してヒラヒラしている時に、ドアが閉まりました。そして発車。仲間はホームからその女子を見送っています。
ところが、その女子の様子がなんか変です。自分はたまたまそのドアの隣の席に座っていたのですが、横を向いてみると、なんとその女子の親指がドアに挟まっているのです。ドアにはゴムがありますから、いきなり千切れるという事はないのでしょうが、引っ張ったくらいでは抜けません。そのまま電車は走り続けています。
しばらくすると、その女子が段々と青ざめてきて、苦悶の表情になっていきました。ドアに締め付けられて、親指が痛いのでしょう。流石にみかねて、
「大丈夫ですか?」
と声を掛けました。しかし、よほど痛いのか、返事もしません。しかも、電車は急行列車で、しばらくは駅に止まりません。こりゃ、どうにかせないかん、と自分は乗務員に事態を告げるべく、走り出しました。車両の前方方向へ
先頭車両に着いて、運転席の窓を叩いて、乗務員にけが人が出ている事を知らせようとしましたが、全然振り向いてもくれません。しばらくバンバンやっているうちに、電車はようやく駅に止まりました。そして止まった途端、乗務員に怒鳴りつけられました。それでも自分は、けが人が出ている事を伝えると、乗務員は面倒臭そうに運転席に戻り、なにやら誰かに連絡をし、大丈夫だと追い返されました。
この場合、最後尾の車掌の方に走るべきだったのですが、自分はそんな事は全然しらなくて、運転手の方にバンバンやってしまい、ただの迷惑男になていたのです。
元の車両に戻ってみると、ホーム側の反対側のドアが開けられ、その女子の親指が解放された場面でした。何かお礼でも言われるかな、と思ってましたが、その女子は何も言わずにどっかに行ってしまい、その場にいた見知らぬオッサンが、
「にいちゃん、ようやった。偉いぞ」
と褒めてくれました。これがドラマだったら、お礼がしたいので連絡先教えてください、なんて事になるのですが、これが現実です。それとも自分がイケメンでなかったからなんでしょうか。
「こんな事なら、知らん顔しときゃよかった」
割食わされてばかりだと、どうしても前者の様に感じてしまうものですし、それが人間ってもんだと思います。正直者がバカを見る世の中ですからね。そう思ったとしても、自分は責めません。しかし、
「困った人がいたら、助けてあげなきゃ」
こう思った方が、格好いいのではないか、自分はそう思うのです。親切とか優しさとかは、割に合うか合わないかじゃないと思う。その性根は、その場では活きなくても、いつか活きてくる時がくる。その時、チャンスとか奇跡とかをつかめるのは、後者の人間だと、自分は信じています。
こんな事を書くと、ええ格好言いやがって、と思われるかもしれませんが、それは褒め言葉だと思います。人を恨む気持ちを持ったのでは、恋活とか婚活では、夜叉になるしかなくなると思うのです。
今回のnoteはここまで。今回はなんかええ格好言って終わりましたが、次回はボロクソ回です。そっちの方が自分らしいんですけどね。いいねやコメントいただけると励みになります。
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