よみがえるプロレス名言活用研究所~天龍源一郎・編


(出典名言)
 「おまえら、こいつのことプロレス馬鹿って笑うけど、いつかこいつにメシを食わせてもらう時が来るぞ!」(天龍源一郎)
 
 げんちゃんこと天龍源一郎の言葉である。「こいつ」とは、もちろん、オレンジ・クラッシュ・小橋建太をさす。全日若手時代、練習の虫の小橋をバカにした、中堅レスラーに対して、天龍が放った名言である。さすが親分肌のげんちゃんである。先を見る目があるのも一流の証である。 
 小橋の練習好きは有名で、馬場から川田からKENTAまでもが、その異常なまでの練習好きについて、言及している。特に川田の「小橋を殺すには、刃物はいらない。ダンベルを取り上げればいい」というコメントは有名である。
 
逆に安田忠夫は練習嫌いで有名らしいが、元祖はディック・マードックではないだろうか。嫌いというか、練習をしたところを見たことがない、と言われた。華麗なフライング・ヘッド・シザーズを決めるマードックを見て、長州が「あんな技、いつ練習したんだ」と言っていたのを覚えている。すなわち天才肌であったのだろう。もちろん、安田は違う。
 
マードックと言えば、ブレーン・バスターであるが、最近、元祖と言われたキラー・カール・コックスのインタビュー記事を見た。以前にも同様のことを言っていたが、ブレーン・バスター最大のポイントは、安定性なのだそうだ。「尻」が大事だと。どっしりとしたお尻の持ち主が良いのだそうだ。
 尻と言えば、以前僕は精神的な悩みから痔になり、病院に通ったことがあるのだが、そこの先生が明らかにオカマちゃん風であった。お尻をぐりぐりされたのだが(食事中の方、すみません)、なんとなく先生が嬉々として、「どうですか~」と声が弾んでいたのが、快感であった。
 
 さて、天龍である。角界から期待されて入門したものの、なかなか芽が出なかったのだが、ビル・ロビンソンと組んで、馬場、鶴田のインタータッグに挑戦した一戦が契機となって、一流への道を歩み始めた。僕はこの試合は、残念ながらリアルタイムで見ていないが(覚えてないのかもしれない)、当時の雑誌で見たのは覚えている。
 まさに掟破りで、エンズイギリや卍固めを使い始め、子ども心に「サマになってないようなあ」と、全日ファンでありながらも違和感を感じたものである。
 
天龍は当時、「第3の男」なんて呼ばれていた。映画のタイトルと一緒で今思えばかっこいい呼び名であるが、天龍本人は悔しかったのではないか。初のメジャー・タイトルも鶴田のお下がり的なUN(ユナイテッド・ナショナル)ヘビーだったし。
 そういえばこの試合、リッキー・スティムボートとの王座決定戦で戴冠したのだが、当初はデビット・フォン・エリックがチャンピオンとして来日していた。しかし、シリーズ前夜、ホテルで急死してしまったのだ。
 今となっては薬物乱用による死亡だったことが知られているが、当時はそんなことは知らず、週刊プロレスで見てかなりショックを受けたものだ。
 フレアーの自伝にも書いてあったが、薬物は現場検証の前に、やはり来日していたブロディが、全部トイレに流してしまったそうだ。

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