『秋の花』 (創元推理文庫) 北村薫
友人から貸してもらった『秋の花』 を読了しました。
いや・・参りました。良かった。
この「円紫さんと私」のシリーズ読み進めていますが、変に暗い気持ちになっているときに「あっあの本、読めるなあ」と思うと気持ちがやわらいでいくのがわかる・・
昔は(結婚する前は特に)午後から自転車で神戸市内三宮方向には行かず、
反対方向の湊川神社から新開地、兵庫駅、運河、長田と須磨を結ぶ商店街を走らせて歩いている人、働いている人、笑っている人達を見て、気持ちをやわらげていくのが好きだった・・
同じような気持ちに読んでいてなっていきますね。なっていく。
まず最初に秋海棠(しゅうかいどう)の写真があり、次に久世光彦先生の
巻頭言に目が留まる。これがまた良いんだなあ。
話は可哀そう・・とはいえこの話で起きた事は生きていく人間はいずれ必ず経験するものかと私は思う。その経験は最初で最後。しかも前触れもなく、それによって成長することはない。むしろ究極の逆。それについて「私」は円紫師匠に耐え切れない問いをするシーンがある。
わかる・・それに対する円紫師匠の回答が思わず体を2つに折ってしまうほどに感極まってしまった。
いや・・参りました。良かった。
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