サッカー なぜドイツにストライカーが育たなくなったのか?

サッカードイツ代表について書きます。
親善試合ながら日本代表に1-4の歴史的大敗。直近のワールドカップ2大会で連続グループリーグ敗退するなどドイツ代表の低迷が深刻になっている。その理由として、ポゼッションを掲げているがゆえにストライカーが育たなくなっていると書きましたが、この点について詳細を説明したい。(以下、敬称略します)

以下、私の独自の分析による考察です。素人意見なのでご参考まで。

ドイツ代表はもともとポジションにより選手の特性が異なっていた。フォワードは点取り屋、中盤は比較的テクニックのある選手、そしてディフェンスはガタイがよく守れる選手等。もともと人口も多くサッカー熱も高い国で、各ポジションに適正のある選手がたくさんいたので、選手層も厚かった。
ちなみにオランダはドイツと真逆。オランダは、各ポジションの特性というより、ベースにサッカーのうまさが必要となる。サッカーのうまさ、つまりドリブル、シュート、パス、そして戦術的なインテリジェンスを備えている選手が選ばれた。ドイツ代表とは異なり、複数のポジションを担える人材が多く、特に点を取れる選手が多いのも特徴。それはドイツとは異なり、人口が少ない国ならではの工夫。

そんなドイツ代表ですが、サッカーのスタイルが2014年前後からポゼッションに傾倒するようになった。おそらく国内最強のバイエルンミュンヘンの監督にバルセロナOBでポゼッション志向のグアルディオラが就任したことが影響している。

ではポゼッションを志向するとなぜストライカーが育たないのか?
ポゼッションを志向すると、選手選考の際、ベースのサッカースキルが求められるようになる。ボールキープ、パス、戦術的なインテリジェンス、ドリブル等。しかし、ドイツ代表ストライカーの歴史的傾向を見ると、中にはサッカー自体は下手なのに(極端に言っています)なぜか点をやたら取るタイプの選手が存在していた。

ワールドカップ通算最多得点(16点)を記録しているクローゼは、サッカーの全般的なスキルはむしろ低いのに、ポジショニングの良さでやたら点を取っていた。ワールドカップ通算得点3位(14点)のゲルトミュラーも似たタイプ。ドリブルやパスはうまくないのに、やたら点は取る。こういった選手は自分のテクニックのなさを自覚し、ゴールへの嗅覚や執着心で勝負していた。思うにこういった選手はポゼッション志向の監督からは選ばれない傾向にある。

近年のストライカーと言えば、メッシやレバンドフスキー、エムバペのようなベースのサッカースキルが高い万能型ストライカーが多いのもこの傾向からではないか。先に上げたクローゼやゲルトミュラー、イタリア代表だったインザーギのようにゴールへの嗅覚・執着心だけで勝負するタイプは絶滅したといっても過言ではない。

そうするとクローゼやゲルトミュラーのようなゴールへの嗅覚だけで勝負するような選手は育たないというより、選手はそんな選手像を志向しないだろう。結果として、そんな点取り屋が減少、というより絶滅してしまった。近年、ドイツ代表にゲルマン魂がなくなったという人が結構いますが、同様の理由でしょう。以上が、私の分析の結果であります。

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