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朝が咲く…そのニ

「季節が変わる」その時々を感じられれば
私は飽きる事なく、その場所にいられて
その場所を好きになれて
その暮らしを、何度も何度も繰り返し
「生活」として、生きて行ける気がします。

たとえば心が、少しユラリとする時も
何処からか帰って来て
「お帰り…!」そんな風に
家や、街並みや、木々の佇まいが、私に囁いてくれたら
その時の不安な気持ちに
ひとつ楔が打てて
しっとりとした深呼吸が出来ると思います。

私の見ているモノの中に
ひとひら、流れていく季節があれば
たとえその日、苦笑いをした私であっても
飽きることのない雲の流れが、大好きだから
きっとまた顔を上げて
生きて行けるような気がします。

朝カーテンを開けて
優しい朝日に小さく手を合わせ
バルコニーから外を眺めると
きちんと並んで建てられた、若い世代の家々が広がります。
それぞれの「生活」を
たくましく歩んでいるかのようで
そのひとつひとつの屋根の下に
愛を土台とする家族が
支え合い、寄り添い合い
暮らしているのだと思うと
とても清々しく見えて来ます。

そんな私の周りの「未来へ育っていく景色」を
眺めるのは、とても心強く嬉しい事です。

賑やかな商業施設を
素敵なモノとの出会いを求めて、歩くのも楽しいですが
今の私には「何かを手に入れたい欲」が
少し面倒に感じてしまう時があります。
きっと購買意欲と言うエネルギーの、不足かも知れません。

お金では買えないし
決して自分のモノにもならないけれど
日々、変化する目の前の景色や、季節の移ろいは
穏やかに私を満たしてくれます。

とても便利で、様々な商品が並ぶ様は
小さな好奇心を呼び込みますが
それだけでは何となくいつか、飽きてしまうような気もします。

急に空が暗くなり、雲の流れが早くなって
みるみるうちに小さな雫が、木々の葉を濡らし
やがて勢いを増して、刺すような雨足は
初夏に焼けつく道の色を
どんどん変えていきます。
そんな様子を見ていると
まるで、短い雨の物語を見ているようです。

今、私の立つ場所は
私が根を下ろし「生活」をして行こうとした場所です。

これからも、呼吸をするように変化する空や雲や
どっしりと揺るがない遠い山々
子供たちの声が、天を抜ける澄んだ空気
そんな素敵な事たちと一緒に
私も生活をする場所を
育てて行きたいと、願う毎日があります。

「さぁ、今日も頑張るぞ」と
空に突き上げた拳で、グンと背伸びをしながら
私も私の物語を始めて行きたいと思います。


ギャラリーからお借りしたのは
大好きな「hoho」さんの作品です🎐ありがとうございました















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