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夏じたく

「雉の親子が庭を通り抜けました!」
(通行料は払わなったようだ)

滋賀比良山を背にした大津の友人からの季便り。
そんなことを聞きながら熱い夏を迎え「夏じたく」を始める。
まず、玄関の敷物を改める。涼やかな自然素材のインドネシア製のマットは二代目。
スリッパは来客用に2セットを準備。これも自然素材で客人を待つ。
くつ下を脱ぎ素足になると草履である。
わら製は強すぎて敬遠。竹の皮で編んだ草履に出会ってひんやりと心地良い。
近くに販売する店舗もいつのまにか畳まれた。
いまでは高知の竹製品専門店から取り寄せている。
二足程注文すれば夏使用なので、四・五年は耐えてくれる。木綿の素朴な鼻緒が楽しい。
団扇も見るだけ風を感じ部屋飾りにもなる。
扇風機が廻ればほとんんど出番はない。
エアコンのフィルターもお掃除されて早くも始動。
飲み物は年間を通じてほうじ茶。

その日の気分、天候により庭のハーブと緑茶や紅茶とのブレンドも楽しむ。
春は柿の若葉、夏は枇杷のの葉を干していただく。
江戸の昔、枇杷茶売りが夏の街を廻っていたそうな。
電話を入れるとやわらかい京ことばで応待される。
注文数が多いと「暑い時期ですから・・・」と減量のご注告をいただく。

鉄ビンのお湯を大ぶりの急須に注ぎ入れて台所テーブルに鎮座願う、
常温の飲物で夏を過ごすと秋への変り身体のだるさ軽減を体感している。
しかし、暑い日のビールやコーラ、西瓜の冷たいのはたまりません!!
寝具は肌かけにパシーマ。二十年来の朋友パシーマは中に脱脂綿を詰め両サイトをガーゼで覆いきると加工したもの。給水と放湿性があるとか。

パシーマは本で出会った。犬との生活を綴った中野孝次氏ロシア文学ご専門で古典にも詳しい。エッセイ「趣味に生きる愉しみ」(二〇〇四年光文社)文庫にパシーマの紹介があった。
がんこそうな学者先生のお好みにあったようだ。
ならば私もと誘発され、本社に電話注文して入れた。気持ちよい!!
冬ならば上下パシーマにはさまれサンドイッチ状態で眠る。
寒ければ頭からかぶり、いつでも洗濯機で乾きも早い。
夏は二つ折りにしてお腹にかける。
枕カバーとシーツは麻素材。夏は最高でス。
無印良品の手頃な価格のものをゲットしている。
人生という時間帯三分の一は床の中にあり。
気持ちよく眠らなきゃぁー。

またこの時期欠かせないのが蚊取り線香。

暑くても寒くても家の中に風を通したい私。ドアは閉めきらず、風にお取りいただく。玄関近くに蚊取り線香を立てておくと、煙は家の中を回る。香りがあるのでそれを判断できるが無臭なのは無気味なのです。
「家の作りやうは夏をむねとすべし冬はいかなるところにもすまる」と徒然草にもある。
反して日本家屋は密閉化され、スマートに走っている。
軒は浅く日差しもようしゃない。
我が家も浅い軒。抵抗して雨戸を立てたり閉めたり。
カーテンも引き多方面から対処を心がける
温度計も台所と洗面所に置き確認を怠りなく。
梅雨明けも近く本格的な暑さが日本列島おおいそうだ。充分な夏じたくとはいかないが五感で迎え涼やかな秋を待つと致しましょう。

                              文月十日

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