第96回アカデミー賞に近いのは誰だ?:主演女優賞編
今年も重要3賞と呼ばれる全米映画俳優組合賞(SAG)とブロードキャスト映画批評家協会賞(BFCA)、ゴールデン・グローブ賞(GG)の候補が発表されて、今シーズン注目の役者がそろった。さて今一番勢いがあるのは誰でしょう。※は英国アカデミー賞(BAFTA)ロングリスト入りの印。
主演女優賞編。
3賞全てに候補入り
・リリー・グラッドストーン/キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン※
・キャリー・マリガン/マエストロ:その音楽と愛と※
・マーゴット・ロビー/バービー※
・エマ・ストーン/哀れなるものたち※
いずれか2賞に候補入り
・ザンドラ・ヒュラー/落下の解剖学※(BFCA+GG)
・グレタ・リー/パスト ライブス/再会※(BFCA+GG)
・アネット・ベニング/ナイアド ~その決意は海を越える~※(SAG+GG)
いずれか1賞に候補入り
・ケイリー・スピーニー/プリシラ(GG)
・ファンタジア・バリーノ/カラーパープル※ (GG)
・ジェニファー・ローレンス/マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(GG)
・ナタリー・ポートマン/MAY DECEMBER (GG)
・アルマ・ポウスティ/枯れ葉(GG)
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」のグラッドストーン対「哀れなるものたち」のストーンという構図が出来上がりつつある主演女優賞。先住民の象徴として強力な存在感を放ったグラッドストーンは、先住民系として初の主演女優賞を狙う。またストーンは彼女世代の俳優としては初となる二度目の受賞を狙う。それにふさわしい自由にして大胆な演技とのこと。
「バービー」からロビーは、今年を代表する作品の顔として輝いた。彼女なしではショーは始められないだろう。人形を演じるという難しい演技を成功させた。
「マエストロ」のマリガンは、50年にわたる期間で大きな愛をみせる感動的な演技を披露した。クーパー演じるカリスマたっぷりのバーンスタインに真っ向から直面する様は圧巻だ。
「落下の解剖学」のヒュラーは非英語の演技ながら、観る者を惑わせる奥行きのあるパフォーマンスで魅せた。重要な批評家賞でも主演女優賞に選ばれている。
優れた非英語の演技なら「パスト ライブス」のリーもいる。英語と韓国語を使って二つの世界の狭間を体現した。ユ・テオとジョン・マガロと創り出す三角関係も繊細。
「ナイアド」のベニングは尊敬を集める大ベテラン。キューバとフロリダ間の遠泳に成功したナイアドを演じるために、これ以上なく身体を鍛え上げた。そのカリスマとエネルギーに乾杯。
今年を代表するミュージカルパフォーマンスなら「カラーパープル」のバリーノも忘れてはならない。映画デビューだが、主演として堂々たる立ち振る舞いをみせた。
あとポートマンにもわずかにチャンスは残っているか。
激戦の主演女優賞に候補入りするのはどの5人なのか。ワクワクする。
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