友人の面会
入院19日目
入院してから月日はずいぶん経って、この生活にも慣れてはきた。
けれど、単調なスケジュールで、会話は看護師さんと理学療法士さんと交わす、必要最小限のやりとりだけの日がほとんど。
雑談とか、他愛もない話ができていない物足りなさを感じている自分がいた。
他者と共感したり、されたりするコミュケーションの不足は、私にとってストレスになるみたい。
もちろん1人の時間も大切で、必要不可欠である。
自分の精神衛生を保つ手段は人それぞれだが、私にとっては1人時間と他者との関わりの時間、いづれもバランスよく存在することが必要のようだ。
今日、面会に来てくれたご夫婦とは、ずいぶん長いおつきあいになる。
子供たちが小さい頃は、家族ぐるみで海に行ったり、キャンプに行ったりと、楽しい思い出がたくさんある。
子供たちが大きくなった今は、お父さん同士でバイクツーリング、お母さん同士で買い物に出かけたりするお付き合いである。
彼女とは、趣味嗜好が似ているし、共感共鳴することが多い。一緒にいてとても楽で、素の自分でいられるのだ。
貴重な友人の1人である。
今回、私の入院の知らせを聞いて、わざわざ遠いところ病院まで来てくれたのだった。
談話室に移動して、小一時間おしゃべりできた。ほとんど、私がしゃべっていたような気がするけど。
人の話を聞くのも大好きなのだけど、今の私は、言葉を吐き出す事に飢えているみたいだわ。
いろいろ聞いてもらってありがとう。そしてスミマセン・・・
早く自分の足で歩けるようになって、また一緒にお出かけしたい!と窓の外に広がる晴れた空を見て強く思った日だった。
彼女から、私好みの差し入れをいただいた。ハンドクリーム、文庫本、小さなブーケ。
感謝である。
生花は、病室には置けないとのことで、残念ながら夫に持ち帰ってもらった。
でも、いい香りがするハンドクリームは、手につけるたび、クンクン香りを楽しませてもらってます。
これ、見られたら異様な光景だよね。手のニオイをやたら嗅いでるおばさん。
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