子供が不登校!焦って対応すれば悪循環。また今後の進路は?


「お腹がいたい」
「頭がいたい」
「朝起きられない」
「学校に行ってもすぐに帰ってくる」

などの子供の様子が続き学校に行けない日が増えると親は、
「心配でどうしたらいいのだろう?」と
不安な気持ちになりますよね。

1度そのようなことがあると、

「今日は学校に行けた。明日はどうだろう?」
「学校から連絡はないのだろうか?」

など、日常の生活においても心配する日々が続いてしまうと思います。
親が子供のこのような状態に間違えた対応をすると、子供はより学校に行けない気持ちと不安な気持ちで自分のことを不必要な人間だと思い引きこもってしまうことがあります。

ここでは、

  • 子供が不登校になる主な原因

  • 親が注意すべき行動

  • 親だから出来る行動

  • 不登校でも通える学校

  • 不登校でも不幸ではない

この5つに分けて解説します。

「どのようにすればいいのだろう?」と不安な気持ちの親は、あなた一人ではありません。
不安に感じている気持ちは、子供のことを考えているからです。

そんな気持ちを大切にするために、最後まで読んでこれからの生活でぜひ参考にしてくださいね。


不登校になる原因は?


子供個人によって違います。また、地域、性別、年齢によっても不登校の原因が異なります。

大人は、子供が学校に行きたくないというと学校での問題が原因だと思い込んでしましませんか?

実際の理由は、
下記の7つの原因があげられます。それぞれについて詳しく解説していきます。

  • 学校生活によるトラブル

  • 無気力

  • 非行や遊び

  • 学業不振

  • 甘えたがり、精神が未熟

  • 家庭環境

  • 発達障害や精神症

一つだけの原因ではなく、複数の理由が重なって起こる場合もあります。

まずは、どのような原因があるのかを知り、親が一方的に決めつけてしまうことがないようにしましょう。

学校生活によるトラブル

いじめが原因と考えられる割合 0.5%~2%
いじめというよりも友人間のトラブルという割合 8%から15%
教師との関係を巡るトラブルの場合 0.9%~2%

子供が学校に行けなくなった時に、親が原因として真っ先に考えるのが学校生活によるトラブルだと思い込んでしまうことがあります。

しかし、実際は、
「先生とうまくいかない」
「学校の居心地が悪い」
「疲れる」
という調査結果が文科省から調査結果として出ています。

本人が、知らず知らずに間にストレスが溜まっているというケースも多いです。そのような場合、学校だけに原因があると思い、担任や学校ばかりに尋ねるのはよくありません。

ただ、実際学校がいじめと認定している数が少ないため本当は2%よりも多い可能性もあります。


無気力

無気力や不安が原因の場合 40%~50%

不登校の原因としてもっとも多いことが無気力です。

たとえば、以下のようなケースです。


  • 受験で燃え尽きてしまった

  • 学校生活が自分が思っているものと違った

  • 特に興味があるものがない

  • 親の期待に答えることに疲れてしまった

ただ家にいて昼過ぎに起きて朝方に寝るなどの生活になってしまうことでさらに無気力が加速してしまうこともあります。

非行や遊び

非行や遊びが原因の場合 10%から15%程度

2番目に多い理由が、非行や遊びです。


  • 家の中に居場所がない

  • 友人といることだけが自分の場所だと感じる

  • 自分が頑張っているのに、思い通りに成績や結果が得られない

  • 大人は認めてくれるない

  • 親が自分に関心が強すぎて、逃げたくなった。

子供の様子の変化を感じた時に、話を聞かずに放っておくと、親は自分に無関心であると思い、非行に走って関心を引こうとすることも多くなります。

学業不振

学業不振が原因の場合 5%から9%

子供の成長に伴って学業も難しいなってきます。

  • がんばっているのにに思ったように成績が伸びない

  • 勉強が難しいのでついていけない。

  • 勉強ができないことが恥ずかしい。

学習習慣がある子供とない子供では能力の差ということよりも、予習、復習などの基本的な幼いころからの日々の積み重ねが結果としてでてくることがあります。

すぐに学習成果につながるものではないことを理解させてあげることが大切です。

甘えたがり・精神が未熟

甘えたがり・精神が未熟なことが原因の場合 4%~15%

いじめや友人間のトラブルと同じくらい割合の多い理由に甘えたがり・精神が未熟な場合があります。

  • 学校で行う生活習慣を子供が自分一人では中々取り組めない。

  • 運動や試験など苦手なことがあるとその日から休みたいという日が増える。

  • 家では、自分のしたいことだけをする。

自分の希望が通ることが第一で、親が容認することや、親の関わり方から引き起こされることが多いです。そのため、親と離れることが不安で自立心が育っていないことが考えられます。


環境問題

家庭環境変化が原因の場合 2%~5%

  • 両親の離婚

  • 家族の生活の変化

  • 環境の変化に自分で合わせることができない

子供自身が自分ではどうすることもできない進級や進学による環境の変化によって、自分の気持ちをコントロールできないことがあります。

自分の思いを説明したり、伝えたりすることが出来ないことで、居場所がないと考えてしまう子供も多いです。

発達障害

学業の一部不振や、集団行動不適切など発達障害が原因の場合 0.5%~2%

  • 教科によって極端に学習の遅れが見られる

  • 同じ学年の子と遊ばない

  • 文書の理解に普通より時間がかかる

  • 静かにしなければならない場面で静かにすることができない

  • 強いこだわりがあり理由もなく不安になる

自分の状況を自分では確認することができない子供が多いです。
そのため、対人恐怖症になるなど、不登校にはなってませんが、神経症と言われる子供は全体の16%〜20%みられます。

不登校になった本人が、原因を把握していないことも少なくありません。親が、理由をはっきりさせることを急ぎ過ぎて、子供に病院での検査などを無理やり行うことがないようにしましょう。

親が注意すべき5つのポイント


学校に行けなくなってくると、親は今の自分の状況も考えて何とかして早く解決してたいと焦りますよね。

でも、そんな気持ちであっても子供には関係のない時間が流れています。

親が自分の生活環境に合わせた考えに陥ってしまわないように、親が注意すべきことを5つに分けて解説します。

  • 強く励まさない

  • 厳しい指導を行わない

  • 自分の考えを押しつけない

  • すぐに結論を出さない

  • 親としての自分を責めない

急ぐ気持ちもよく分かります。急ぐ気持ちが出てきた時こそ注意すべきことをしっかり理解して行動しましょう。


強く励まさない

 強く励ますことをしないようにしましょう。
「がんばってね。」
「○○ならできるよ。」

など、親の思い込みから励まされても行けない場合があります。

急に学校に行かなくなってきたら、少しでも学校に行って欲しいという気持ちで励まして、とにかく学校に行けるようにしようと励ましてしまいがちですよね。

しかし、本人も混乱しているケースも多くあります。メンタル面が落ち込んでいたり、体の調子が悪くなっていたりしている状態から学校に行けていないのです。

そんな場合は、余計に落ち込み自分はダメな子だと思ってしまいます。
回復する前に強い励ましを受けても、負担になることが多いので注意しましょう。

厳しい指導をおこなわない

学校に行けないことが悪いことであるかの様な厳しい指導はやめましょう。
「学校に行くことが普通」と言われることは、子供は幼い頃からとてもよくわかっています。

「どうして?」
「みんな行ってるでしょ。」
「早く学校に行きなさい。」

などと、自分の価値観を押し付けてしまうと、子供は大人は、分かってくれないと心を閉ざしてしまします。

わかっていることをさらに言われることで子供は追い込まれてしまいます。心の逃げ場所がなくならないようにすることが大切です。

自分の考えをおしつけない

一方的に自分の考えを押しつけて話をするのは良くありません。

「学校に行かないと、これから大人になれないよ。」
「進学できなくなるよ。」「友達が心配するよ。」

親が自分の考えだけを話すと子供はますます自分の考えが話せなくなります。
自分の考えを自分でだれかに相談したり、確認したりすることはあっても、子供に押し付けてはいけません。親の考えを一方的におしつけないようにしましょう。


すぐに結論をださない

すぐに結論をだすことはよくありません。

「学校に行かないなら進学できない」
「こんな風になったら、これが将来できなくなる。」

という風に自分の経験や知識だけで結論を急いで出さないようにしましょう。

自分の結論にあわせるように子供を動かそうと説得することになるので注意してください。

今は、その状況に応じた学校を探すこともできます。まずは、今の状況を見極めてできることから取り組むことが大切です。


親としての自分を責めない

親である自分を責めてはいけません。

「私の育て方がわるかったのか?」
「どうして、こんなことになるまで気がつかなかったのか」

というように、自分自身を責めてしまうということがあります。

自分自身を責めるということは、自己肯定感を下げてしまいます。それは、子育てに対するエネルギーも消耗してしまうことになります。

自分が自分を責めてしまうと子供との接し方が消極的になり、悪循環になってしまいます。


親が子供にできる5つのこと


子供が学校に行けなくなると、そんな時に親の自分にできることは無いか?と考えてしまいますよね。

「どんな風に、子供と接したら良いのだろう?」
「今はどうすればいいのだろう?」 

考えだすと答えがみつからず悩んでしまいます。
では、実際にどうしたらいいのでしょうか?
親だからこそ出来ることを次に5個にまとめて紹介します。

  • 子供の意見を聞き、ゆっくり会話をする

  • 家の中で居場所をつくる

  • 親自身が前向きな姿勢で生活をする

  • 第3者に援助をもとめる

  • 環境を変える

出来ていないことに目をむけるのではなく、これから出来ることに目を向けられるように参考にしてくださいね。


子供の意見を聞き、ゆっくり会話をする

子供が答えるまで待って会話します。

「学校の行きたくないのね。話せる?」など、ゆっくりとした口調で尋ねます。

子供自身が学校に行けない理由を分かっている場合と、わかっていない場合があります。また、答えを考えている子供をイライラして待ってはいけません。

子供が考えている時は、
「後ででも大丈夫だよ。この用事が終わる頃にまた尋ねるね、考えてみてね。」と
一言添えてゆっくり話すようにします。

子供が学校に行けなくなったときこそ、ゆっくり話をする機会だと思い、ゆっくり回復させる時期だと考えて子供と接する時間を作ってください。

家の中で居場所をつくる

子供の精神的な安定のために自分の居場所と思える場所を作ることです。
学校に自分の居場所がないと考えている子供も多く居ます。家には自分の居場所があると認識する事は大切です。

年齢が大きくなると自分の部屋で一人になることで落ち着いた気持ちになれることがあります。

部屋にいる子供にも、
「ごはんだよ。食べるよ。」など、
食事や、家族の団らんなど、一緒に居る時間をつくるなど継続した働きかけ
を忘れないようにしましょう。


親自身が前向きの姿勢で生活をする

親が子供を信じ前向きな気持ちで毎日を送ることです。

子供が学校に行けないことで、親は他の子供と比較することで、後向きな気持ちになってしまうことがあります。

「今日は、これに挑戦しよう。」

家庭にいても学習や、基礎的な生活を行うことはできます。出来ないことに目が向いてしまう時は、今できることや家庭で出来ることに目を向けて取り組むようにしましょう。


第3者に援助を求める

自分一人で考えてしまうのではなく、周りのサポートを求めることです。

教室には行けないけれど、保健室なら通うことができる。別室なら学校にいける。など他の方法がある場合も少なくありません。

不登校になった子供は、「学校に行けないことが悪いことだ。」という罪悪感を持っている子供も多くいます。そして、それがさらに学校に行けない理由になってしまうこともあります。

「行ける日に、行ける場所に参加しよう。」

と、一人で悩まず、学校やサポート団体に相談することです。自分一人だけの考えよりも多くの考えを共有してくれる場合もあります。子供が一人だと思ってしまうように、親も一人だと思ってしまわないように上手に色々な機関を利用する事が必要です。

公共団体

  • 市町村子育て相談窓口

  • 児童相談所

  • ひきこもり地域支援センター

  • 教育支援センター

  • 発達障害センター 

民間団体

  • 不登校親の会

  • フリースクール

  • 不登校に対応した塾や家庭教師

  • カウンセラー

その他地域によってサポートセンターやNPO法人などの機関もあります。一人で考え込まずに相談することが大切です。

環境を変える

今の学校しかないという考えを変えて、違う学校にも目を向けてることです。

今はオンラインで違う人と話をしたり、学習したり出来る時代でもあります。学校をすぐに変えるということではなく、少しの間違う学校も見てみようという気持ちも大切です。環境が変わることで考えや、行動も変わってくることもよくあります。

みんなと同じでなければならないと決めつけることはよくありません。
ご近所付き合いや、地域の目、うわさばかりを気にする必要はありません。


不登校でも通える高校はある


「高等学校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生について、これを適切に評価する事が望まれること。」と文部科学省でも通知されています。

不登校の生徒が、どこか入れるところを探さなければならない」ではなく
「自分に合った進路を考えてみよう。」
親子で考えることが大切です。


  • 全日制高校

  • 通信制高校

  • 定時制・単位制高校

  • その他

上記の4つに分けて紹介します。それぞれの学校に特徴があります。
親が決めるのではなく子供と一緒に話し合うための材料として知っておくことで、進路への不安な気持ちもやわらぐことができます。


全日制高校

全日制高校は、基本的に学校に毎日登校して、朝から夕方まで学校にいる時間が長い学校です。

中学校が不登校をやむおえない長期欠席として認めてくれて書類を作成することで高校受験を他の生徒と同じように受験することが可能になることがあります。

その一方、地域や中学校によっては不登校だった生徒は無理だという決めつけで協力してもらえない場合もあります。

中学校への相談を必ず行うようにしましょう。

在籍している中学校には事前に相談しておきましょう。


通信制高校

レポート提出、テスト、スクリーニングをスクリーニングをクリアすることで高校の単位が取れるものです。全日制の学校のように出席日数が厳しく規定されているわけではありません。

通信制高校は、あらゆる部分が学校ごとに大きく異なっているため中々学校生活をイメージすることができないという特徴があります。

定時制高校・単位制高校

無理な登校や集団生活を無理せず回復を図りたい場合に状況に合わせて通うことができる学校です。定時制というと一般的に昼に働いて夜に通うというイメージを持っている人も多いです。しかし、現在では昼間に通う定時制高校が人気が出ています。

定時制のような登校スタイルが苦手な子供にとって、時間を有効活用して専門的なことを学べる定時制・単位制の進学できる学校を選ぶ生徒も増えています。

その他

チャレンジスクールや、エンカレッジスクールという全日制の学校もあります。
現在は、東京都だけですが今後は全国にも出来る予定の学校です。

新設されている学校の情報は各都道府県の教育委員会です。そしてその情報を最も早く正しくキャッチできるのは、公立中学校です。そのため、どんな学校を選ぶにしろ、まずは在籍している中学校の先生に相談することが大切です。


不登校のメリット・デメリット


不登校になったからといってデメリットばかりではありません。また、みんなが不幸でもありません。

親は、子供が不登校になると子供の将来を考えて不安になります。

しかし、不登校後、自分にあった学校・仕事に出会えた人は60%以上という結果があります。不登校になった子供の多くは、それぞれのやり方で学校復帰・社会復帰しています。

  • 不登校から得られること

  • 不登校になって損をしたと思うこと

上記の2点を子供が学校復帰・社会復帰して感じていると答えたことについて解説します。今だけではなく、将来の展望として参考にしてください。


不登校から得られること

不登校になったことで子供が得ることが出来たと感じていることです。

  • 思いやり

  • 自分の好き嫌い

  • 自分の得意、不得意

  • 悩んでいる人に気持ち

以上のようなことを学んだという生徒が多くいます。

不登校になった生徒は、自分と向きあう時間や機会が他の生徒より多くなります。そのため、自分の得意、不得意や好き嫌いをよく知ることができます。

不登校の時期に、友達、家族、周りの方との関係から思いやりが人を強くするとても大切なことだと言うことを学んでいます。そして、思い悩む時間が多い子供ほど誰か悩んでいる人がいると優しく手を差し伸べることができます。

また、困難を経験して乗り越えたことで
「あの時に比べたら今の状況なんて大丈夫」
と社会復帰後も考えられる子も多いです。

自分自身で人生や社会に疑問を持ち自分で考え、行動に移していくことができる子供になっている子が多いです。


不登校になって損をしたと思うこと

不登校になったことで、自分が損をしたと感じていることです。


  • していない学習があり、一般的な知識が欠如している

  • 同年代の友人との関係を築くことができなかった

  • 体力がない

  • 学校の一般的な行事がわからない

最も損をしたと感じていることは、学習の遅れや一般的な知識の欠如していることについて損をしたと感じていることです。

しかし、学習の場合、オンラインや別教室での自習などで学習に取り組めている生徒は、他の生徒よりも学習が定着していることもあり、高校・大学進学で優秀な成績をおさめている子供もいます。

学習できる状況や環境を提供して協力してあげることは、今後の学校復帰、社会復帰には大きな役割を果たします。

その他にも、学校にいかなかったことで行事に参加したり、友人と遊んだりする時間がもてなかったことで、人とのコミュニケーション不足を感じています。

損をしたと感じる気持ちは、不登校を克服できたからこそ感じるものです。

今まで悩んでいた分、他の人の気持ちが分かる優しい子が多いです。親は、損をしたことは、取り戻せるという気持ちで子供に接しながら、挑戦させてあげることが大切です。


まとめ

親は、子供が学校を休みがちになり不登校になると心配して、どうすれば良いのか不安な気持ちで一杯になります。

子供は、本人が分かっている場合と本人が分かっていない場合も含めて何らかの原因があり、不登校になっています。そんな子供のことを誰よりも心配し、大切に思っているのは親であるあなたです。

  • 子供が不登校になる主な原因

  • 親が注意すべき行動

  • 親だから出来る行動

  • 不登校でも通える学校

  • 不登校のメリット・デメリット

ここでは、不登校の主な原因や親の注意すべき行動など、上記の5点について解説しました

子供が不登校になったから、できなくなったことを考えるのではなく、人生でのわずかな期間をさらに子供と過ごせる貴重な時間だと思って一緒に子供と向き合ってください。

一人で抱え込むのではなく、周りのサポートも上手に利用することで、今とは違う新たな人との関係も築くことができます。

きっと将来、「こんなことがあったね」と話せる時期がやってきます。
そのころまで、前向きな考え方で、自分と大切な子供のために、一緒の時間を過ごしていく事が大切です。

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