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爆速で駆けつけるミナミのスナックのママ

渡りのバイター#28
仕事の優先順位

 かつて「渡り陶工」と呼ばれる陶工たちがいた
 彼らは焼き物の産地で修行し、渡りをくり返す
 ことで技術を磨き新しい技法を生み出したのだ
 彼らは時代に革新をもたらしたのである…

そんな渡り陶工へのリスペクトからスキマバイトで渡りをくり返す中年女子のバイトエッセイです

スキマバイトを始めてから一度も遅刻はしていませんし、キャンセルもしていない優等生です。
大人ですから当然と言えば当然ですが、
本業の商談には平気な顔で遅れて行くのは経験値のもたらす慢心でしょうか。
違います。
遅れて現れるボス感の演出です!笑

しかし、ピンチは突然訪れました。
翌日は早朝6:30からの品出しバイトにも関わらず…

ちょっと一杯のつもりで飲んで

その日は午後から大阪の会社で打合せがあり
朝から別件の商談をもう一本入れ
夕方からは資材メーカーと商談。
と近隣県に行くだけなのに田舎の営業マンさながらのスケジュールです。

明日、朝早いから軽くだよ!
と、最後の商談のおじさんと飲みに行くことに…

歌でも歌いに行こか!
とミナミのスナックへ

酒好き2人で軽く済む訳はなく、結果おじさん行きつけのミナミのスナックへ。
そこはかなりご高齢のママが1人で営業しており
行くと電話しておかないと開いてないことも。
しかし常連のみぞ知る鍵の隠し場所があり、勝手にinして良い謎すぎるシステム。
しかもママは来ない事もあり、そういう時は勝手に飲んで勝手に歌って1人3,000円置いて帰る…
謎が謎を呼ぶミナミのシステム。

早速、電話すると行くから、勝手に入っといて。
とのご指示で。笑
ドすっぴんで西から東に爆速の自転車で現れたのでした。
顔はもうおばあちゃんなので気にならないのかそのままでしたが、髪は気になるようでドライヤーをかけたりして、おもてなししてくれました。笑

ご自身は自転車の為か、ノンアルビールをぐびぐび。
しらふなのに軽快なトークは流石ミナミで50年(推定)

あかん。明日バイトなんやー!!

と、終電を待たずに割と小慣れた時間に電車に乗ったつもりが…

記憶喪失。とりあえず朝は4:30に起きお風呂の湯船につかって…気がついた時は6時!!
やばい、やばい、やばい。
と西から東へ爆速で自転車を走らせ何とか間に合い
ドすっぴんをマスクで隠し、駅ナカスーパーの品出しをしました。

下を向いたら吐きそうで、黙っていても吐きそうで、マスク越しにおはようございます!と元気を装い挨拶しまくってたら、パートさんに褒められました。
なんか、ごめん。

ママ、水割り濃いよ!

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