見出し画像

大人の道 皆と同じが良いわけではないから

豪華な振袖姿のお嬢様達が街を行く成人の日。
この日の街はいつもより華やいでいた。
若くて綺麗なお嬢様達は、まさに今この時の主演女優のよう。
その華々しい姿に私も思わず見とれてしまう。

成人した我が子の姿を見るのは嬉しいことだから、着物を着せてあげたいと思うのは親心に違いない。
この日のために、着物に帯、小物の数々、美容院でのセットに着付け。
どのくらいお金がかかっているのかはわからないが、着物はレンタルだとしても結構な金額のことだろう。
自分でバイトをしてお金を貯めたという人もいるとは思うが、きっと多くは親の出費なのだろう。

私が二十歳の頃は1月15日が成人の日だったが、私は成人式に出席していない。
同級生の皆が艶やかな着物の中で、スーツ姿で参加する勇気はあの頃の私にはなかったから。
着物が着たかったら自分でバイトをして稼いだらよかったのだろうけれど、そこまでの根性も私にはなかったから。

あの日、私はにぎやかな街から離れたくて、ひとり旅に出た。
人があまりいない所に行きたかったのだと思う。
長距離列車の窓の外の山々を眺めながら、あの時私はいったい何を思っていたのだろう。
もしかしたら、駅弁が美味しいと思っていただけかも知れないけれど。
それでもまさに二十歳の旅立ちだったような気がする。

あの頃より格差が広がっている今の時代。
成人式の着物はより豪華になっているような気がする。
テレビではそんな晴れ着姿の映像が流れるものの、着物を着れなかった私のような人達もきっといたことだろう。

皆と同じが良いわけではない。
これからの時代は、個性を持って胸を張って堂々と生きていける社会であってほしいと思う。

そして明日、私はひとり日本を飛び出しシニア留学セブ島に行く。
飛行機の窓の外の景色を眺めながら、私はいったい何を思うのだろう。
きっと二十歳の旅立ちのあの頃より、少しだけ胸を張れるようになったのかも知れない。

これから大人の道を歩んで行く新成人の人たちへ
立派なことは言えないけれど
おめでとう!

お茶にしましょう
生クリームたっぷりベリーベリーパンケーキ
思わず見とれてしまう
華やかさの中の幸せ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?