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100年後にもう一度生きる

手書きの字で書かれた貼り紙が目についた。

パートさん募集
時給1000円

ガラスに貼られたその貼り紙は、ほんの少し曲がっていた。
私はなんだかその張り紙に、今の日本の現実と未来が見えてくるような気がした。
かつての日本は裕福な国だったはずなのに。

今やオーストラリアの時給は2000円を超えるのだという。
コロナ後の円安の影響もあり、日本を訪れる外国人が増えている昨今。
普通にランチが5000円くらいする国からすると、チップの習慣がない日本は、ラーメン1杯が3000円でも安いのだという。

これからは日本も給料が上がっていくことだろう。
しかしそれは限られた職種、限られた人達だけなのかも知れない。
世界中いつの時代も、富める者が世の中を支配していたのは事実。
真面目に働けども働けども、抜け出すことが出来ない貧困がある。
これから更に高齢化が進んで行く日本は、物価は上がっていくも、年金暮らしの高齢者の年金は上がることはない。
とはいえ、資産を持っている高齢者も多いのも世の中の事実。

このどうしようにもない気持ちを、いったいどこにぶつけたらいいのやら。
お金が全てではないことはわかっている。
気持ちまでもが貧乏になってしまってはいけない。
しかし精神世界だけで生きていくには限界がある。
それこそ山奥で暮らす修行僧にでもならない限り無理だろう。

100年後にもう一度生きてみたいと思う。
時代は今やかつてないほど高速で進んでいる。
世の中はいったいどんなふうに変わっているのだろう。
きっと想像も出来ないような、社会のIT化に目を丸くすることだろう。
今あるスマホは発掘された土器の如し。
もはや麻の服を着た古代人の気分かも知れない。
興味のあるところだ。

とはいえ人の感情は100年後もその先もきっと変わらないだろう。
人を愛する気持ち、失う悲しさ。
いつの時代も流れる涙は変わらない。
人類は、過去の歴史に学ぶことが出来ているだろうか?
争いがいかに愚かだということに気がついているだろうか?

100年後、今の自分であることに気づくために、顔の2個のホクロは残しておこうか。
そして鏡を見て私はいったい何を思うのだろう?
その時、日本の時給はいくらになっているのだろう?
それでも同じ樹の桜は変わらず咲いているに違いない。

アイスとイチゴのミルフィーユ

お茶にしましょう
100年後のスィーツはどんな?
想像するだけでワクワク

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