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LINE、配慮欠く情報管理

総務省が情報漏洩を相次ぎ公表したLINEヤフーへの行政指導に踏み切るのは同社の企業姿勢に不信感を拭えないためだ。日本における代表的なインターネットインフラ企業であるにもかかわらず、個人情報を巡るセキュリティー体制でユーザーの安全性への配慮のなさが目立つとのこと。

要約文

LINEとヤフーが経営統合後、総務省から情報漏洩に関する行政指導を受けた背景には、日本の代表的なインターネット企業であるにも関わらず、個人情報のセキュリティ体制に配慮が欠けている点が指摘されています。特に、中国からのアクセスが可能な状態にあった問題や、LINEアプリの利用者情報が流出した可能性があるなど、セキュリティ上の問題が相次いでいました。これにより、自民党内では経済安全保障上から厳しい対応を求める声が上がっており、LINEのセキュリティ対策が特に注目されている理由として、世界的な選挙年とフェイクニュースの懸念があります。また、LINEヤフーは再発防止策を2026年12月までに完了する計画ですが、政府や自民党内ではその対応が遅すぎると不満が広がっています。さらに、メッセージアプリ間の相互運用性の導入や、EUがデジタル市場法で巨大プラットフォーム企業に相互運用を求めたことも言及されています。

日経新聞の図引用

LINEヤフーを行政指導へ

総務省は、不正アクセスによる情報漏洩を繰り返し公表したLINEヤフーに対して行政指導を行う予定です。指導の内容は、LINEアプリのセキュリティガバナンス強化、業務委託先の監督強化、改善策の実施状況報告の要求などです。この行動は、利用者利益の保護と経済安全保障の観点から、システム管理の是正とリスク管理の強化を促すためです。LINEヤフーの再発防止策は2026年12月までに完了する予定であり、総務省はこの対応が遅すぎると認識しています。また、LINEヤフーの大株主である韓国ネット大手ネイバーとの一体運用が問題視され、ソフトバンクに対して出資比率を高めるよう要請する案もあると報じられています。

日経新聞の図引用

LINEとネイバー社の関係

ネイバー社とLINEの元々の関係性は、LINEがネイバー社の子会社としてスタートしたことに始まります。LINEは2011年に、ネイバー社(NAVER Corporation)の日本法人であるネイバージャパンによって開発されました。この時点で、LINEはネイバー社の一部門として機能しており、ネイバー社はLINEの母体となる企業です。

LINEアプリの開発は、当時日本を襲った東日本大震災の影響を受け、災害時のコミュニケーション手段としての需要に応える形で始まりました。その後、LINEは急速に成長し、メッセージングアプリだけでなく、ソーシャルネットワーキング、エンターテイメント、モバイル決済など多岐にわたるサービスを提供するプラットフォームに発展しました。

ネイバー社は韓国最大の検索エンジンを運営するインターネット企業で、LINEの成長と国際展開を支える母体として重要な役割を果たしてきました。ネイバー社は技術面、資金面でLINEを支援し、LINEをグローバルに展開するための基盤を提供しました。

その後、LINEは独立した企業として成長を続け、2016年にニューヨーク証券取引所および東京証券取引所に同時上場を果たしました。2020年には、LINEとヤフージャパンの親会社であるZホールディングス(旧ヤフー株式会社)との経営統合が発表され、2021年に経営統合が完了しました。この経営統合により、LINEとネイバー社、ソフトバンクグループはさらに密接な関係を築くことになり、Aホールディングスという新しい企業体が設立されました。

このように、ネイバー社とLINEの関係性は、LINEがネイバーの一部門としてスタートしたことから、LINEが独立した国際的な企業へと成長する過程で発展してきました。

感想

今回の問題は、簡単に解決できるものではありません。その理由は、LINEのコアシステムがネイバー社にあると考えられるからです。データを日本に保管していても、コアシステムへのアクセスは容易に行えます。したがって、コアシステムを日本で直接管理する以外に解決策はないのですが、その移行作業は容易ではありません。2026年12月に完了予定の再発防止策が具体的に何を意味しているのかも気になります。LINEヤフー株式会社には、この点について明確な説明が求められるでしょう。

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