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楽天G、金融事業再編へ

楽天グループは1日、金融子会社の再編について協議を始めたと発表した。楽天銀行、楽天証券ホールディングス(HD)、楽天カードなどを10月をめどに一つのグループにまとめるとの興味深いニュースが出たので取り上げる。

日経新聞の図引用

要約文

楽天グループは金融子会社(楽天銀行、楽天証券ホールディングス、楽天カードなど)の再編を計画し、10月に一つのグループに統合することを目指している。この再編により、金融事業の収益力を高め、楽天グループの財務を改善し、携帯電話事業の成長を促すことを狙っている。再編の主要な部分は楽天銀行であり、この銀行を中心に他の金融子会社を組み入れる形態を検討している。楽天銀行の上場は維持される予定で、楽天証券の上場計画は見直される方向である。楽天グループは70以上のサービスを提供しており、金融事業は特に収益性が高く、グループの重要な収入源となっている。携帯事業への投資を支えるために、金融事業の再編から得られる収益を活用し、将来的には株式の追加売却や上場による資金調達が計画されている。この再編計画が発表された後、楽天グループの株価は上昇した。

銀行・証券・カード一体に

楽天グループは、楽天銀行、楽天カード、楽天証券ホールディングス(HD)を含む金融子会社を10月までに統合する方針を決定しました。この再編の目的は、金融事業からの支援を通じて携帯電話事業の成長を促し、企業全体の財務を改善することです。具体的には、楽天銀行の口座数は1500万を超え、年間約140万の新規口座開設があり、預金総額は10兆円を超えています。楽天証券の口座数も1000万を超えています。再編により、これらの金融事業の連携を強化し、運営の効率化とサービスの向上を目指すとともに、外部からの資金調達を容易にします。2023年12月期の金融事業の売上は7251億円で、全体の約30%を占め、1229億円の営業利益を上げています。この再編計画は、楽天Gにとって重要な財務改善と成長資金の確保の機会となる見込みです。

日経新聞の図引用

ネット証券25年、進む投資の民主化

楽天証券は設立から25年を迎え、初期のデイトレーダーを主な顧客とするビジネスモデルから、投資未経験者を含む幅広い顧客層にサービスを提供する企業へと変化しました。楽天証券の社長である楠雄治氏は、この変化を「貯蓄から投資への流れ」によるものと語り、今後の投資市場は個人投資家の増加によりリテール(個人向け)事業の重要性がさらに高まると見ています。このため、証券会社はリテールとホールセール(法人向け)の事業を別会社に分けるなどの対応が必要になるかもしれません。楽天証券はリテールに特化し、みずほ証券との協業を通じてシェアを拡大する一方で、顧客の利益につながる商品だけを扱う方針です。また、新しい少額投資非課税制度(NISA)の導入により、投資家の裾野が広がり、特に30代以下や女性投資家が増加しています。楽天証券はこのトレンドをビジネスの大きなチャンスと捉えています。さらに、手数料ゼロ化を決断し、ビジネスモデルを再構築しています。このように、楽天証券は投資の民主化を推進し、より多くの人々が投資を通じて資産形成を行えるよう支援していることが伺えます。

ビジョン信じ泥臭く鼓舞

穂坂雅之氏は2003年に49歳でオリックス・クレジットから楽天グループへ移り、楽天カードの社長として、日本で最も取引量の多いクレジットカード会社を築き上げた主要人物です。楽天市場や楽天ポイントと組み合わせた「楽天経済圏」を通じて会員数を増やし、2017年には銀行系クレジットカードの取扱高を初めて上回りました。楽天カードの急成長の背景には、立ち上げ初期の苦難を乗り越えた経験があります。穂坂氏は自らをアイデアを出し続け、リスクを感じ取ることができるリーダーと見なしています。また、バブル経済の崩壊を経験し、その反省を楽天カードの経営に活かしています。穂坂氏は楽天でのカード事業の成功を強く信じ、困難な状況でも社員を鼓舞し続け、楽天カードを成功へと導きました。

感想

楽天の2023年12月期の金融事業売上は7251億円で、全体の約30%を占める一方、営業利益は1229億円という驚異的な数字を記録しています。カード決済手数料が売上に大きく貢献しており、売上の約3-4%が手数料収入であるとされています。電子決済の便利さは否定できないものの、手数料が高いとの懸念もあります。将来的には、手数料が低く設定された仮想通貨による決済への移行を期待しています。

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