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MOTOGUZZI EAGLE DAY JAPAN 2024


雨予報との闘い

書き出しとしてこんな話はどうかと思うが、日本におけるモトグッツィの公式イベントは兎に角雨に祟られる。それでなくとも、オーナー達による非公式ミーティングでさえ雨に祟られる。
グッツィスタ達が集まり、ミーティングの思い出話になると大抵雨が降ったことの思い出が話題に出る。とにかく雨にやられるのだ。
何か特級呪物でも抱えているのだろうか?と疑心暗鬼になる程度には祟られ、一体だれが雨男、雨女なのか、そういう詮索すら諦めさせる程度に雨に祟られる。

筆者も何度かSNS伝いにグッツィオーナー達とミーティングしよう!と企画するも、雨によって予定を調整し延期したことは1度や2度ではない。
調べたところでは、2017年の同イベントは雨に祟られ、2018年は曇天、2019年も曇りだった。コロナ禍によって20年~22年は開催が無く、久しぶりとなった2023年はようやく部分的な晴れだった模様、従ってエントラント達が行き帰りと雨に祟られなかったであろう年は2023年のみということになる。
つまりここ直近、4回分を鑑みても、否定的に捉えれば75%ははっきりしないお天気に悩まされている訳だ。


気象神社の神様にお願いする

公式イベントのみならず、非公式イベントさえ雨に祟られる状況になんとかならないものか。そう藁にもすがる想いで筆者が毎回頼りにしているのが、JR中央線高円寺駅近くにある気象神社だ。

八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)は、高天原の最高司令官である高皇産霊命(たかみむすびのみこと)の子です。「八意(やごころ)」は“様々な立場から考える”を、「兼(かね)」は“兼任”をあらわし、“一人で二人以上のことができる”という意味の名前の通り、多くの人間の知恵を一同に結集させることができる「知恵の神様」です。

神話によると、太陽神である天照大御神が天の岩戸に隠れて世の中が暗闇になった時、岩戸を開けて天照大御神を外界に戻す知恵を考え出したのが、八意思兼命。
再び世界に「太陽」を取り戻し、世の中を救うことに成功しました。
このことから「気象の神様」と祀られるようになったとも言われています。

また、八意思兼命はその名の通り『晴』『曇』『雨』『雪』『雷』『風』『霜』『霧』という八つの気象条件を司ることができるとされています。

気象神社公式HPより

公式にもこう紹介されている通り、多くの気象条件を司っていて、特段晴ばかりを力添えしてくれるといったものでもない。
真夏にうどんがどうしても茹でたい香川県民があれば雨を祈念できるし、広瀬香美の歌を聞きながらゲレンデで新し恋を見つける予定であれば降雪の祈念もできる。他、どうしても元の時代にタイムスリップしなければいけない時は雷を祈念してもいい。

デロリアンでどこかへ行く予定があればお参りしておこう
画像出典:ユニバーサルスタジオ

ただし、邪な考えに基づく気象の祈念を申し上げたところで、八意思兼命は特段取り計らったりはしないだろう。なので、"杉下右京を相手取り完全犯罪の予定"があるため土砂降りで。みたいなものは論外だ。

筆者は、自身の呼びかけるミーティングの類が3回連続で雨に祟られ、藁にも縋る思いでお願いしまぁす!って晴れを祈念したら、好天に恵まれた。
この手のものは"当たるも八卦当たらぬも八卦"であるから、科学的な見方を示せば、ただ好天のタイミングだった。とも言えるのだが、参拝したらば好天が来た。というのは何とも心強く感じるものだ。
故に、このイーグルデイに際してちゃんと気象神社にお参りを行った。


当日の天気はどうだったのか

当初、GW明けぐらいでは"C予報"で悪天候が出ていた、しかしながら、会期が近づくにつれて晴れのち曇りになり

勝ったな・・・冬月先生あとは頼みます。

って思って余裕をブッこいていた。
だが、これが突然、イーグルデイを明後日に控えてという段階で、突如転がり落ちる様に雲行きが悪化し始め、最終的には昼頃から箱根は雨という予報で当日を迎えた。

どんだけ天候に恵まれないんだモトグッツィ

先ほど、過去4回中3回は悪天候と行ったが、これで5回中4回は晴れではないという脅威の80%は天候不良という記録が樹立。
ため息を漏らしつつも午前中はなんとか持ってくれという一縷の望みをかけ、筆者は箱根に向かった。
到着してすぐ雨に降られると辛さが突き抜けるので、少しでも天気が持っている間に箱根でゆったりしようと早めに移動、結果的には6時半ごろには箱根についてしまった。

会場一番乗りで一番はしゃいでたのは筆者である
写真撮影:筆者

写真を撮ったりしつつ、暇を潰し、同様に早めに現着したグッツィスタ達たちと他愛のない話をして過ごしていたら8時半には運営側が開場してくれ、入場が開始になった。
この段階では上の写真にもある通り、富士山が見えていて、箱根近辺が地元のグッツィスタ曰くこれだけ見えれば持つかもしれないという心強い情報もあって筆者のテンションは急上昇。
午前中だけもってくれたらそれでいいから!という願いが届いたのかと小躍りを踊った。

だが

非情にも、10時頃からポツポツと非常に弱く空が泣き始めてしまい、来場したグッツィスタ達と語らっていたが、落ち始めた雨粒に皆落胆の声。
幸いにして、路面がすぐに真っ黒く染め上げられるほどの雨量では無く、本当にポツポツという弱い弱い雨ではあった。それでも、降り出してしまうと、逃げ遅れて濡れネズミになるのは御免被りたい。そのため筆者は10時30分には泣く泣く会場を離脱、帰宅の途についた。
帰宅途中も部分的に降っていたり降らなかったりで、結局最後まで会場に居ても完全な濡れネズミにはならなかったかもしれないが、気分が落ち着かいないので帰った事は後悔していない。


来た見た跨った

残念ながら非常に弱い雨で早々にイーグルデイを後にしてしまった訳だが、一番の目的であったV100マンデッロをしっかり見て、触って、跨ってと出来た事は大きな収穫であった。故に早々な引上げになったが目的は達成できたことは大きい。
会場にはV100マンデッロの標準グレードと最上級グレードに加え、海軍仕様のリバリーが施される"アヴィアッツィオーネ・ナヴァーレ"が集合。
標準グレードは試乗車だったため自由に跨ることはできなかったが、最上級グレードと海軍仕様は跨り自由。
なので遠慮なく最上級グレードのV100マンデッロSに跨らせてもらった。

会場に展示されていたV100マンデッロS、黒カラーもカッコイイ
写真撮影:筆者

・感触
跨ってみての感触は「うわぁ、おっきい」だった。
V7IIが自分の中の基準であるため当然大きいのだが、非常に立派な車格であり、足つきはちょんちょんと言った感じ。両足ベッタリは到底無理だ。
自慢じゃないが筆者は足が"短い"。そう"短い"。

大事な事なので2回言いました!!!!!

175㎝あっても短いものは短い。故にちょんちょんちょーんという足つき。乗れなくはないけど、隣にあった現行のV7(850)は正に実家の様な安心感で、実際買い換えるなら現行V7で全く持って不満はないなと思う。
ただ、V100はデカイだけじゃなく、跨っただけで遠くへ行くなら断然こっちだな・・・とも感じさせてくる何かがあった。
お尻全体を優しく包み込むような感じで、動き出したらば絶対こっちは快適で快速だなと感じた次第。試乗もしようと思えば出来たが、先述の雨模様に怯えてたため試乗申し込みはしなかった。
ただ、乗ったら欲しくなって悶々としてしまうので、乗らなくて正解だと言い訳がましく自分に言い聞かせている。

海軍仕様は艶消しグレーのロービジリバリーが特徴的だ
写真撮影:筆者

・ルックス
会場にあった3種類のV100のうち、実際の所一番筆者の琴線に触れたのは、試乗車として置かれていたV100マンデッロの標準グレードだ。
単色の赤で塗られたボディカラーがイタリア車らしいといえばイタリア車らしく感じる。
完全に好みの話なので、チェンテナリオ仕様が良い人もいれば、海軍仕様が良い人もいるだろう。

ひとつ失礼を承知で言うならば、海軍仕様は経年劣化をどう遅らせるかが非常に難しいボディカラーだなと感じた。汚れで若干黄ばみがかり、手入れを怠って悪化しきってしまうと取り返しのつかない状態になりそう。ズボラな筆者には向かないなと思った。
海軍の紋章はとてもカッコイイのだが、お手入れという点で海軍仕様は他グレードよりも愛情が必要かもしれない。

中の人に、本国で設定されているホワイトは導入予定ありませんか?とそれとなく尋ねたところ、海軍仕様と色味が被っていたため見送ったとのこと。もしかすれば日本へホワイトの導入もあり得るらしく、色々内部で調整しているとのことだった。

ホワイトカラーって名前なんだっけ・・・・・・・
Huh?
オイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!
本国HPでカタログ落ちしてんじゃねぇか!!!!!!!

えぇ・・・・・・うそぉん・・・・・
これ日本に白って入ってこなくねぇ?造ってないってことでしょう?
そんなァ・・・・・

ウソダドンドコドーン!!


・質感
この点については、V7シリーズなどと比較しても200万円オーバーということもあり、ちゃっちぃなとはあまり感じなかった。
エンジン各部のシーリングは割とザッ!とした感じだが、この辺はイタリア車あるあるで、その辺が気になるならホンダかヤマハにするしかない。
全体をして、きっと持てば所有欲はしっかり満たしてもらえるだろうし、そこはモトグッツィなので物珍しさという点ではMVアグスタともいい勝負だから心配ないなと感じた。
佇まいの雰囲気もよく、写真に撮っても見栄えがする。BMWやトライアンフともちゃんと違うし、ドゥカティともしっかり違う。V100マンデッロを選べる人には、V7IIオーナーの私から贔屓目全開で

素敵だ。

と賛辞を呈させて貰いたい。

新世代のモトグッツィであるし、電装系や水回りについても買っていきなり云々は・・・無い・・・と思う・・・・・・いたい。たぶん。きっと。そう。うん。だいじょば・・・・ぶ。な気がした!(妄信)

標準グレード、一番写真に収めやすいとも感じた
写真撮影:筆者
ビビットな色合いは車体の抑揚を視認しやすくしててディテールを掴みやすい
撮影:筆者

まとめ

イーグルデイは天気にさえ恵まれれば是非お勧めしたいイベントだ。他のグッツィスタとの交流はもちろん、筆者はこの日グッツィスタ歴8年にしてようやく同じV7IIの黄色を見かけることができた。感動も一塩である。何分、V7IIのカタログ写真を飾るカラーだというのに、本当に自分のV7II以外は黄色を見かけたことが無かったからだ。最高だ。
残念ながら2024年もしっかり雨に祟られてしまい、来て早々に帰宅の途に就く羽目になってしまったが、最新車種に見て触れることができるし、普段見かけないモトグッツィが100台規模で集まっているのは兎に角壮観だ。
色々なグッツィを見て、カスタムの手本にしたり、マイナートラブルの思わぬ解決策を耳にしたり、コーヒー片手にグッツィスタ達の緩やかな時間はとても楽しいものだ。
本当に足らないのは天候だけで、来年こそは晴れが欲しいものである。
当日の準備にご尽力された運営の皆さんへ感謝申し上げると共に、来年の晴れを願って、イーグルデイ2024の模様をここに締めたい。

この台数は壮観だ小躍りせずにはいられない
写真撮影:筆者
コーヒー片手にグッツィに囲まれて語らう時間は最高だ
写真撮影:筆者

来年は晴れを下さい。

切なる願いです。

ほんとに


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