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"仮設の映画館" 私の想いよ、届け。

映画館が大変だ、ということは、すぐに想像がつく。こんなに時間があったら、普段なら映画館で映画を観ているはずだ。それが叶わない今、"仮設の映画館"を利用して映画を観た。

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TBSラジオ"アフター6ジャンクション"のカルチャートークに『選挙』や『精神』の想田和弘監督がゲスト出演していた。本来であれば5月1日に公開開始するはずだった『精神0(ゼロ)』の紹介のためだった。

監督はラジオの最後に、映画館の現状と、映画が映画館で上映できないとどうなってしまうか切実に訴えていた。(下のリンクから聞けます。後ろから6分半くらい)

「今、上映できないならまず延期して、いつか事が落ち着いたら上映すればいい」と私は考えていた。同じく配給会社へ公開延期を訴えた想田監督。しかし、配給会社からは「そうしたら、映画館が潰れてしまう」と返されてハッとしたそう。

家賃や人件費や維持費にかかる十分な補償はまだ無く、仮に公開を延期したところで、いつか上映できる状況になったとしても、上映できる劇場がなくなってしまう、という話。そりゃそうだ。

ビル一棟丸まる映画館というところは、配給会社がビルごと所有していることが多いため、この状況でもろに打撃を受けているのは、ビルの片隅に設けられているミニシアターたち。愛するべきミニシアター。私たちのミニシアター。

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想田監督は『精神0』を鑑賞する手段として”仮設の映画館”を紹介してくれた。新作映画を通常通りの1,800円で、ストリーミング配信で鑑賞できるというもの。この状況下、配給会社の東風が設立したサービスで、鑑賞料金の半分が劇場へ、残り半分が配給会社と制作会社へ渡るというもの。この分配は劇場で鑑賞するのとほとんど同じだそう。

サイトに行くと、普段のミニシアターのようなラインナップで、すごくテンションが上がった。あぁ、この感じ。映画を愛する人たちが、作る、観る映画人たちのために作り上げた劇場って感じ。鑑賞方法を見てみると、Vimeo経由で観ることができ、わざわざVimeoのアカウントを作らなくても、Googleやfacebookのアカウントがあればログインできる。支払いはクレジットかPaypal。

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本日、5/3。GW2日目してもうやることがない。お昼ご飯に初めて作ったキンパを食べたら、「ちょっくら映画館救ってくるか」という気持ちで"仮設の映画館"を利用してみることにした。(偉そうなこと言ってすいません。モチベは何でもいいんです、良い気分で鑑賞できれば)

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私はちょうどFacebookの広告で観て気になっていたこの作品をチョイス。

"仮設の映画館"の公式サイトから作品を選んで、Googleアカウントでログインし、Paypalで決済。映画が実際に再生されるまで、ものの1分ほど。うちのWi-Fiはコンセント挿すだけタイプ&6階のため、普段から超絶脆弱だけど、画質も自宅で鑑賞するには申し分なく、途中で途切れることもなかった。

サステナビリティについて1時間半必死に考え、絶望し、励まされ、劇場で鑑賞するように心をグワングワン動かされた。しかも(これやって良いよね?やって良いはず…)難しくて頭が追い付けなかったシーンは、ちょっと巻き戻して観直したりできて、より府に落とせた気がする。

こんな簡単なことで映画に恩返しができるならもっとやりたい。明日はあれを観ようとか、これも上映してくれたらいいな、とか、このサービスのおかげでいろんな期待が湧いた。やっぱりお金を払って新作映画を観たい!NetflixやHuluやAmazonプライムが今存在することの根底には、大昔から劇場映画が積み上げてきた知恵や歴史や、映画人たちの工夫に工夫を重ねた財産があったからで。敬意と愛を込めて、何か力になりたいよ。

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ちなみに、ミニシアターを救うための運動としては、下の"Save the CINEMA"っていうのもホットです。Change.orgで署名活動や、クラウドファンディングで支援ができます。

ミニシアターに一度でも行ったことがあって、そこで心を少しでも動かされた経験がある方は、この連休中に、自宅でまた同じ体験をしてみませんか?大手を振って映画館に行ける日が、早く来たらいいな!

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