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同調圧力 キャシャーン見た

CASSHERNを見ました。

同調圧力に屈して。

ありがたくも先のPeachの記事をたくさんの方の目にお留め頂き、あまつさえ駄文にサポートやコメントまで頂戴して、2時間半の元は十分に取れました、ありがとうございます。

しかしながら、新たに問題が発生しました。

で、キャシャーンは?

2時間半取り戻したなら見ないの?

見るでしょ?見るよね?

と非常に強い同調圧力を友人よりかけられまして、抵抗できるほどの強い意志を持ち合わせていないので、圧力に屈しました。

見ます。




配信サービスで探すと、私の利用しているamazon primeでは有料配信。3日レンタル400円。

うーーーーーん。

400円。

うーーーん。

先の記事でサポート貰ったし…これで……と思ったけど、「こいつ、キャシャーンに使ったのかよ!!!」と思われるかもしれない。ここは潔く自腹で!!!

たった一つの命(2時間半)を捨てて、生まれ変わった不死身の身体!

鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンを見なけりゃ何を見る!


ってなわけで再生。(本当は友人達を同時再生に誘ったんだけど、誰一人付き合ってくれなかったから奴らは薄情)



以下、ネタバレ。役名作中で言ってくれたりくれなかったりなので役者名で。

なんか世界観の説明と共に始まるOP。

世界観は、スチームパンクにアトラスの「デビルサマナー 葛葉ライドウ」乗せってかんじ。(大好きです、続編いつまでも待ってます)

それか「もしもFF7の新羅カンパニーが火力発電だったらな時の日本支社」みたいな。

なんかユーラシア帝国とかアジアが統一がとか言っているので多分戦争してるんだと思う。思う、っていうのは長セリフによる説明と、視覚から入ってくる情報量が共に多すぎて処理しきれないので、だいたいこんなことだろうなー、と予想立てて見ているから。(原作既読ならこの作業は端折れるかもしれない)

幸いにも意地の悪い伏線とかどんでん返しとかはないのでほぼ予想は当たる。

この映画の見方としては、この後もセリフがめちゃくちゃに多いかめちゃくちゃ少ないか両極端で、映像も暗くて見辛く情報量が少ないか、CGゴリゴリのエフェクトマシマシなの両極端なので、大抵の場面で

「え?今、何しとるん??」

になる。

なので「おそらくこういうことなんだろうなぁ」と想像して予想して見ることが重要。(ネタバレはガンガンしますが、これを読んでいる未視聴あなたが見るときのために覚えていて欲しい)

国会らしき場所で演説する寺尾聰

新造細胞の研究が人々を救う的な事を演説するも、受け入れられず……しかしながら、大物っぽい政治家達は興味を持ち、軍の息のかかったミッチーに声をかけられ研究は軍のものとなる……。

ふむ、なるほど。これはこの軍の後ろにいる大物政治家達が自らの延命の為に研究させる気だな……?と予想。

なぜなら大物政治家達揃いも揃って体調悪そうだから。

酸素吸入器に眼帯に鼻チューブ点滴とかそれぞれにつけた老人の集まりとか、平日午前の病院かよ。めちゃくちゃスペアの身体欲しがるパターンやん、権力はあるけど老い先短い年寄りとか。

そこから、話の流れはかなり低いテンションのまま寺尾聰の家庭になんかいろいろあったんですよ、の説明のターンに入る。

んだけども、登場人物の関係が説明されないのでまだ手探り。麻生久美子の母親は死んだとかこっちは聞かされてないから(突然後でご存知でしょうが…みたいに明かされる)、誰が誰の子供よ??状態。原作未読の方が悪い、ハイ。


そんなこんなで戦争に行った伊勢谷が死ぬ。

突然でごめんやけど、情報とっ散らかってるうちに死んでしまったんだ、申し訳ない。

そして落ちる雷(物理)

よく分からないと思う。でも私の少ない語彙で他に説明しきれない、物理の雷が落ちてきた、研究室の培養液プールに、物理の雷が。

そしてその培養液から現れる伊勢谷……じゃないわ、これ唐沢寿明だわ。明度上げて確かめました。唐沢寿明です。暗いし泥だらけだし、見にくいので私は赤マント羽織ったところで唐沢寿明だってやっと気づいた。

唐沢寿明の後からも続々と培養液から這い出てくる人影。

なるほど、この物理雷の何らかの超パワーにより、なかなか成功しなかった研究に最後の一手が加えられ、人としての形を成した。的な事だな?この物理雷の超パワーはきっと後々明かされるんだな?

と思ってたんだけど、結局明かされませんでした。明かされたかもしれませんが、見逃しました。

このあとは、すったもんだあったのかなかったのかわからないままキャシャーンとなった伊勢谷が唐沢寿明と戦い、人はなぜ戦うのかとか苦悩するんですけど、

知らん。

そんなんこっちは何も聞かされてへんねん、知らんねん。

伊勢谷は恋人が大事なのかなと思って見てたら、突然「母を返せ!!」と恋人がほっぽりだして追いかけるし、人を守りたいのかと思えば、ほっぽりだして恋人追いかけるし、お前はなにがしたいねん!!そこ、はっきりして。あと情報出して。そしたら一緒に考えるから、戦う意味。

その点、宮迫は良かった。セリフは一切ないが行動原理が終始一貫してて分かりやすく、その分こちらも感情移入しやすい。仲間(自分に優しくしてくれた麻生久美子も含まれる)を守る、シンプルでそれが良い。

でもこのあと宮迫も闇の力に捕まってしまうんだけどね……。


登場人物のやりたいことはほぼ分かんない反面、監督のやりたいことはめちゃくちゃ分かる。分かりやすい。

ここ、サビだから!!!

が画面から伝わってくる。

唐沢軍団が結成されるシーンとか、唐沢寿明の演説からのカッコいい曲に乗って、顔カット入れてからの一味の引きカットから繋がる侵略映像とか。

唐沢寿明がエフェクトマシマシ画面で荘厳な曲と多くのロボット達引き連れて階段降りてくるところとか。

ここカッコいいやろ!が伝わってくる。監督唐沢寿明好きなんやろうな。

あと佐田真由美や唐沢寿明の「ロボット達を指先一つで動かす敵幹部」も良い。かっこいいでしょ?が伝わってくる。


ビジュアル面も「それそれそれ!!分かるわぁ…!!」がさらに強く、

ストレートロングヘアに編み上げブーツの麻生久美子がゴシックな座り心地悪そうなソファに横たわる絵面とか最高だし、

軍の息のかかったミッチーが前髪がピッチリオールバックじゃなくてほんの少し毛束が落ちていて、眼鏡酷薄で世界を斜に見てて、でもそれは自分の出自の低さの卑下からきてるところとかめちゃ分かるし、

惚れた女に思い伝えれず殺されて逆上する要潤が、ピッチリ黒ボディスーツで白い毛皮を羽織り、毛皮脱いだら籠手ってのも分かる。めちゃ分かる。

西島秀俊が金ボタン軍服で、クーデター起こした時の使用武器が銃ではなく日本刀ってところも良く分かる。

ただ、唐沢寿明の白い髪は、唐沢寿明が元気な和の顔だと思うので、白い髪との融和性が低すぎて、ちょっと…

原作的になのかもしれないけれど、全体的に雰囲気がゴシックっていうの?洋風のお屋敷なんだけど、そうするとモチーフがどうしてもキリスト教的な感じになるから、こう雰囲気的に西洋宗教画な画面にしたいのも伝わるんだけど、それが唐沢寿明の元気な和顔と喧嘩しちゃってるところはちょっとミスマッチではある。

これは個人的な問題なんだけど、樋口可南子が寝かされている唐沢軍団の城の部屋、改装前の泉の広場思い出すから、なんかごめん。

あとアクションだけは私が殺陣好きなのもあるんだけど、この撮り方嫌いで、カット割多すぎる割に繋ぎに連続性がなく、カットが変わるたびにスピードが死んでるので、漫画的過ぎる。これだけは好みではなかった。


と、監督のやりたいことはさておき。

伊勢谷の戦う理由はわからんまま、というか結局キャシャーンの立ち位置すら提示されないまま、クライマックスなんですけども。

あれこれしてるうちに結局お父さんが「妻とワシが幸せだったらそれでええんや」みたいなこと言い出して、いやいやちょっと待ってそれはどうよの伊勢谷と対立したのかしてないのかよくわかんないまま、伊勢谷と麻生久美子がキスをして、なんか宇宙になった……

宇宙になったでいいのかな、わかんないから見返したら物理の雷になって他の星に刺さってたっぽいから、物理雷は進化のパワー持ってて、二人は新世界のアダムとイブ的なアレなんだと思う。知らんけど。


とこんな感じのキャシャーンでした。

面白いか面白くないかでいうと面白くはないんだけど、この上っ面だけはなにか大事な含みがありますよ…と見せかけた薄っぺらさと、CG多用で情報過多の画像が、PSからPS2時代のRPGっぽい気がして非常に懐かしい。

確かに面白くはないんだけど、この懐かしい薄っぺらさは確かにかつて私の一部だったな……ってなるので、私はCASSHERNの事憎めないと思う。

CASSHERNにもいいところあるんだよ、見てから悪口言って!って擁護に回る事もあるかもしれない。

そんなセンチメンタルな気持ちにさせてくれたキャシャーン。楽しめました。

お勧めするかしないかと言えばしないですけど、1キャシャーン(約2.5時間)無駄にしたかというと決してそんなことはなかったと……思う、多分、おそらく、いやきっと。



見終わって

「たった一人の幸せのために、周りの迷惑考えないのはあかんとか、先の緊急着陸事件に繋がる話やん、キャシャーン……深いな……」

なんて言っていたんですけれども。

見終わってから、同時再生してくれなかった友人が

「キャシャーンはマスクしてるから

とかオチ出してくれたので、オチ採用です。




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