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家建ちぬ〜第六回 建築設計事務所の選び方〜

今回は建築設計事務所の選定経緯と、実際に選んでみてどうだったか。住宅建設は人生の一大イベント。そして設計は今後の人生で間違いなく、多くの時間を過ごすことになる空間を作るためQOL直結の人生におけるクリティカルデザインの一つだと考えております。

でも、結論から言うと設計、大失敗しました。。。

ここだけを見ると「設計がダメなんだから住宅プロジェクト全体を失敗した。」ようにも見えますが、俯瞰するとそう言わざるを得ないなといった感想です。
でも今日現在もまだまだ計画を続けてます。成功するまで続けるのが私のやり方なので、失敗はしません。w

では実際にどのようなことが起こったのか振り返って行きたいと思います。

設計に求めること

住宅を設計する設計事務所は新建築やモダンリビングなどの雑誌に掲載されるようなメディア系の設計事務所や、地域で住宅づくりをする設計事務所など、調べていくと、たくさんの建築家にヒットします。
この方の作品は素敵だなとか、こんな家に住んでみたいな、この方の考え方は面白いなといったイメージが膨らみます。すごく楽しい時間です。

でもアトリエ系と呼ばれる設計事務所が実際にはどんな仕事をしているのか、いわゆる意匠が優先して無理難題を現場に押し付けているのか、少し不安に思っていました。

当たり前ですが、デザインと同様に、性能と品質の確保も大切に考えております。

業界に身を置くため、実体験ですが、設計上の性能とデザイン性の両立は、昨今サッシなどの建材や設備の性能が良くなったことから、費用をかければ理論上の性能は心配ないと思っています。(ちなみに私は躯体を見せる設計よりちゃんと天井を張って仕上げをしたいタイプの人間です。)

それでも「デザイン性が高い=品質の確保が難しい」と言うのは間違いなくぶつかってくる問題だと思いました。
どんなに見た目が良くても構造や防水を含めた下地から納まりが考慮されていなければいけないものと考えております。

そこでアトリエ系の設計事務所と近い距離で仕事をしている友人に、設計業務の実態を聞き、オススメの設計事務所を紹介してもらいました。いろいろありましたので実名は伏せておきますが紹介していただいたことに今も感謝しています。

ケース① 設計事務所 A

凝った内装から住宅の設備更新までを請け負っている、独立系の現場監督の友人から紹介された設計事務所。

建築地は関東だが、まさかの関西の設計事務所を紹介された。
友人曰く「彼ほど詳細図を書いてくれる設計事務所はいない、非常に気さくなのでいいと思うよ!関東でも仕事ちょくちょくやってるから設計は問題ない」とのこと。建築雑誌でも有名な設計事務所出身で、細部の設計も得意そうである。早速ポートフォリオを送ってもらい過去作品を拝見。

設計事務所をやっているだけあって非常に綺麗にまとまっていて、作風はナチュラル系?自然素材をできるだけ使用し、「何事も健康的であること」を心がけているそう。年齢は1歳年下。

後日ZOOMの打ち合わせをした。作品をみても特殊な小屋の組み方をしていて、このディテールは大変だろうなと思いつつも実現させているところに力量を感じた。全体的な予算計画の部分から過去作の金額感を教えてもらい、コミュニケーション能力の高さを感じた。

ケース② 設計事務所 B

建築系のCGの作成やCADエンジニアの友人からの紹介。
「愚直にコツコツと素直なものづくりをしていて、作風も合うとおもうよ。努力の人で他業種から転身して建築家になった経歴の面白いやつだよ。」とのこと。

こちらは関東近県で設計事務所をやっているためフットワークも軽く、購入した敷地で顔合わせから初回の打ち合わせを行った。その際に弟さんの家が最近竣工したとのことで、写真を見させてもらったがなかなか素敵。明るく会話がしやすい大人な雰囲気の方。4歳年上。

後日弟さんの家の見学とアトリエで打ち合わせをする約束をした。

作風はモダンで仕上げは少なめなイメージである。次回には初回提案をいただけるとのこと。

設計事務所の選択

設計事務所Aと設計事務所Bと会話していて面白いのは、それまで自分に無かった価値観に気づかせてもらえることである。

設計事務所Aは健康的とは調湿効果のある材料を使用します!みたいなことだけでなく、建物にとってもこの方が健康的といった、軒を長く伸ばして外壁の劣化を防止するようなことを徹底するといった考え方で、何事も悩んだらどっちが健康的なんだろうと考えるらしい。笑

設計事務所Bは電線からの電気の取り込み方は庭にH鋼を刺して多少細工する程度がかっこいい。コンクリートの表面を高圧洗浄機で洗う高圧洗浄機仕上げはかっこいいよね。など好きな人には好まれるツボを的確につく会話である。

またどちらも建築家を志しただけあり、普段THEサラリーマンな生活をしている人間にとってはユニークで魅力的な方である。

事件

ユニークで魅力的なことは良いと思うが、ここでちょっとした事件が起きました。

設計事務所Aを紹介してくれた友人は私がとにかくDIYが好きで、さらに現場監督をやりながらも職人ばりに作業をすることが好きな性格を知っていたのだ。

おそらくそれを伝えたのだろう、Aから「大仏の住人さん!今度都内で鉄骨の建て方があって現地も見られるし、人が足りてないから手伝ってもらえないでしょうか!」と連絡が入った。

この連絡をいただいた時に、ふと我に帰って「あれ?オレ客だよな?客に建て方手伝ってってかなり不思議じゃね?」と冷静になり、ないわーと100年の恋も冷める勢いで対象外となってしまった。もちろん奥さんも同意見であった。

設計事務所の決定

そんなこんなで、実際にはコンペや提案を見て決めるのではなく、我が家の住宅設計は設計事務所の対応で決まりました。

これがその後の後悔の始まり始まり。。。もちろん正解はないのでうまくいくも行かないもそれぞれの感じ方です。もっとちゃんと考えておけばよかったーと今では後悔しているということです。

次回に続く。

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