福祉とデザインをつなげる|菅原春香さん(愛知 / 20代)
LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?
━━ LDSに参加してみて、どうですか?
デザイナーとかライターとか、色々な仕事をしている知り合いが全国に増えましたね。今年の目標が「自分にとって心地いい暮らしを見つける」ことだったので、住みたい場所や理想的な働き方をたくさん見せてもらっている感じです。
━━ 毎月2回オンラインプログラムがありますが、印象に残っている言葉はありますか?
地域での活動のはじめ方について話題があがった時に、オフィスキャンプの坂本大祐さんが「最初は多少はハッタリでもいいからやってみた方が良い」とおっしゃっていたことです。まずは自分からデザイナーと名乗って仕事をもらい、自分で調べながらやってこられた。そういうことが今の自分にも必要だと思っています。あとはhickory 03 travelersの迫一成さんの「頼まれていないけどやる」というスタンスも印象的でした。誰かに依頼されたわけじゃないけど、例えば地域のマップを作ってみるとか。結果、それが仕事に繋がったり。
━━ LDSでは参加者さんによる自主企画も盛んです。菅原さんは、福島県いわき市の職員である猪狩 僚さんと、デザイナーの高木 市之助さんをお招きして、「福祉×デザイン」をテーマにトークイベントを企画されましたね。
福祉業界とデザインをうまく繋げていきたいなと思っていて、「いわきの地域包括ケア igoku」というプロジェクトで有名な行政職員の猪狩さんと、デザイナーの高木さんをスペシャルゲストとしてトークを企画しました。猪狩さんもおっしゃっていましたが、福祉は誰にとっても身近なはずだけど、福祉業界って外と接点が少なくて、閉じられた世界になりがちで。以前私が猪狩さんのお話を聞いた時は、福祉関係のコミュニティだったので、福祉業界と関わりのない人も多いLDSでも話題にしたいと思っての企画でしたね。
━━ そのようにプログラムに参加されたり企画されたりして世界が広がる中で、今後菅原さん自身はどんなことをしていきたいと考えていますか?
福祉の専門職は役所、病院、施設などどこかに勤めることがほとんどなので、私はフリーランスとして活動しながら、福祉職のキャリアの選択肢を増やしていきたいです。福祉の資格を持っているからこそ、「この資格を生かさなきゃ」と考えている人も一定数いて。資格があるからこそ戻れる場所があるし、もっと自由な働き方ができるということを自分自身が提示できたらいいなと思っているところですね。
━━ LDSを通して、その活動の萌芽はありましたか?
リードデザイナーの方から新しいプロジェクトを始めるかもしれないと話を聞いて、何かできることで関わりたいと手をあげています。あとは、リードデザイナーの迫さんやRWの稲波伸行さんが、デザインの民主化を目指してそれぞれやられているデザインの勉強会や相談会を、自分も福祉職向けに開催できたらいいなと思っています。
━━ いま拠点とされている愛知でも、新しい展開が生まれているとお聞きしました。
会社員の時からまちづくりのNPO「大ナゴヤ大学」でボランティアをしていました。そこで繋がった喫茶店のオーナーさんに退職したことを伝えたら、「仕事をお願いしたい」と声を掛けていただきました。その方は"産地と福祉をつなげる"というストーリーでコーヒー作りをされていて、その魅力を伝えるための喫茶イベントを企画しています。また、(前述の)NPOの活動でまち歩きを企画していたりもしますね。
━━ ずばり、LDSに参加してよかったですか?
とてもよかったと思います。会社を辞めたタイミングで受講開始したこともあり、日々新しい刺激を受けています。全国にいろんな分野で活躍するプレイヤーとの繋がりができて、これから新しいことを始めるにあたって心強いです。また、福祉とデザインをつなぐ人になりたいと思っているので、デザイナーの知り合いが増えたのも今後につながると思います。
(聞き手|運営局 森谷)
地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者とが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。デザイナーはもちろん、行政職員 / 地域おこし協力隊 / 学生 / 経営者 / ディレクター / ディベロッパー / コンサルタント / 編集者 / イラストレーター / 理学療法士 / 八百屋 / 販売員 / 印刷業 / 百姓 など、多様な方にご参加いただいています。詳細は 公式HP から!
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