【ネタバレあり】ぬまんづ単独ライブ『蜜柑』ライブレポ

このnoteでは、ライターのもちづきもちこが文章、映像作家/デザイナーの石田ダダが撮影を担当し、全国各地のライブレポートをお届けします！

今回は、2021年10月23日(土)に沼津ラクーンよしもと劇場にて開催された、よしもと静岡県住みます芸人のぬまんづさんの単独ライブ『蜜柑』のライブレポートをしたいと思います！
開演前と終演後にインタビューもできたので、そちらも合わせてお楽しみください。

※この記事は単独ライブで披露されたコントなどのネタバレを含みます。
※インタビュー部分での敬称略ご了承ください。

3年ぶりの単独ライブ！2人の意気込みインタビュー

＿＿3年ぶりの単独ライブということで、意気込みをお伺いしたいです。

原いい日さん(以降「原」)：普段、沼津では漫才をしているので、コントともう1回向き合いたいというか。

うえたけさん(以降「うえたけ」)：ちょうど芸歴10年目というのもあって、良い機会かなと思います。

原：今年から無限大ホールのほうでもムゲンダイユースドラフトからやっているので、沼津以外の場所でもウケるネタをやりたいと思って。この単独きっかけに面白いコントができたらなと思ってます。

＿＿今日は全編コントなんですね。

うえたけ：7本ともコントです。

原：たまたまなんですけど、ちょうど賞レースくらいの尺で。7本中5本は3〜4分ネタです。賞レースに向けて頑張ります。

うえたけ：たくさんの人に認めてもらえるようにね。

原：横断幕とかやってもらえるようになってね。空気階段・もぐらとか高円寺に横断幕してもらってるしな。

＿＿空気階段さんとは同期でいらっしゃいますもんね。

うえたけ：この単独ライブの前に空気階段に来てもらって、『ぬまんづが同期に単独のネタを見てもらうライブ』というのがあって。

＿＿今日だけでたくさんネタをされてますね！

原：プラスで1本やりました。見てもらったんですけど、ぬまんづじゃなくて恥マシーン(旧コンビ名)のネタだったって……(笑)
同期が全員大活躍中なので、「静岡県住みます芸人もネタ強いんだぞ！」と。

うえたけ：「住みます芸人もネタやるんだぞ！」と。7年間沼津でやってますので。

＿＿ぜひ見せつけてください！本日は頑張ってください！

単独ライブスタート！会場は終始笑いに包まれる

定刻15時にライブはスタート。
まずはコント『右折』から始まります。

マイムのみの原さんと対照的に、うえたけさんの怒涛のツッコミとお客様の笑い声が会場いっぱいに響き渡りました。

なんでも、コントに登場したガイコツの人形はこのためだけに作られたのだとか。コントにかける情熱を感じました。

コント後、オープニング映像が上映スタート。この単独ライブのために原さんが作詞作曲したオリジナルソング『蜜柑』がMV風に流れます。耳なじみの良いメロディーが素敵で、毎ブリッジにすごく自然に使われていました。単独ライブをご覧になった皆様も、「蜜柑がみっかんないよぉ〜」の高音を口ずさみたくなったはずでしょう。

コント2本目は『テレビショッピング』。

2人が楽しそうに舞台を動き回る姿とボケの数々に、お客様も楽しそう。

激安商品を紹介する原さんに、うえたけさんが「こんなに安いなんて、なんか悪いことしてるんじゃないんですか〜？(笑)」と言われた後のなんとも言えない表情に笑いを誘われました。これは……してますね。

舞台転換中は、幕間VTRが！すごく豪華！
幕間VTRその1は『映像コント・竜王戦』。物々しい雰囲気漂う入りから現れた黒ひげ危機一発に会場は大爆笑！黒ひげが飛んだとき、いろんな角度からリプレイが見れてそのたびに笑ってしまいました。ぬまんづさんのコントをたくさん見れるのが嬉しいですね。

コント3本目は『等速直線運動』。「ぬまんづがもしオシャレコント師だったら」という、現在とは違う世界線(本人談)のコントが披露されました。黒シャツ・黒スラックスに意味ありげな言動……お客様も食い入るように見ながら笑っていました。

繰り返され、徐々にスピードが上がっていく掛け合い。途中から台本なのかハプニングなのか、やりとりもちぐはぐになってしまったところも含めて面白かったです。

何よりこのコントのためだけのフライヤーがあるという事実が、私は面白くて仕方ありません。

【違う世界線】

出来ることならこんな感じのオシャレコント師になりたかった。
そんなネタを単独で一本やらせていただきます。
その一本のネタの為のフライヤーを作りました。
もしもぬまんづがオシャレコント師だったらやってたコント
『等速直線運動』

10.23(土) ぬまんづ単独ライブ「蜜柑」にて🍊 pic.twitter.com/vDnLEMvKFt

— ぬまんづ 原いい日 (10/23単独ライブ) (@numanz_hara) October 5, 2021

幕間VTRその2は、うえたけさんのお誕生日企画。毎年誕生日にはプレゼントを交換しあっているというぬまんづさん。そんなお2人の仲の良さが伝わってくる映像でした。「髪の毛で遊べるバーバー代」をプレゼントされた結果、衝撃の姿になったうえたけさんとそれを見た奥さんのリアクションがとても好きでした。私はスキンフェード、似合ってると思います！

コント4本目は『はじめてのおつかい』。

個人的にはこのコントが一番好きです！幼稚園児のおつかいを見守るほのぼのコントかと思いきや、物騒なものばかり飛び出してくる爆発力のあるボケがとにかく魅力的。疾走感のある展開に会場も大盛り上がりでした。皆さんもお子様をおつかいに出す際は鈴木商店にご注意を……。

幕間VTRその3は、うえたけさんへのドッキリを仕掛けた動画。単独ライブ名『蜜柑』にちなんで利きみかんをするうえたけさんに「もしもみかんがレモンにすり替わっていたら？」というドッキリです。ドッキリに引っかかって「すっぺぇ〜〜〜！！！」と絶叫するうえたけさんのリアクションに会場は大爆笑！原さんがとても楽しそうにしている姿も良かったです。

コント5本目は『マジシャン』。1本目に続き、原さんがなにも声を発さないコント。

マジックショーを見に来たうえたけさんが、タネも仕掛けもありまくりのマジックにツッコミまくります。

観客であるうえたけさんにタネバレバレのボールを渡す一幕。なぜこうもにこやかなのか、写真を見返して笑ってしまいました。会場で一番盛り上がりを感じたコントでした。

幕間VTRその4は、原さんの愛犬・ルディくんの映像。世界一かわいい幕間を私は見てしまった……！

コント6本目は『電気』。

電気ショックにて尋問を受ける原さん。こちらも物々しい雰囲気から始まりましたが、コントは思わぬ展開に。

何度も電気ショックを受ける原さん。「バカだと思ってるよー！！」という絶叫に会場は大盛り上がり。少し共感してしまう偏見の数々が心にグサグサ刺さりまくりました……。

幕間VTRその5は、うえたけさんの愛猫・キキちゃんとメイちゃんの映像。こちらも世界一かわいい幕間……になるはずが、気まぐれな猫ちゃんたちに振り回されっぱなしのうえたけさんをモニタリングする映像みたいになっていて最高でした。「ぽんこつムツゴロウさん」の語感が良すぎてぜひ流行らせたいです。

最後のコントは『ファミレス』。

原さんの濃ゆいキャラクターに会場は大爆笑！お2人のやりたいことが詰め込まれたコントだったのではないでしょうか？

コント終盤、原さんがいきなりすんとして、バックグラウンドを語り始めます。そこで出てくるコントタイトル・内容の数々……これは伏線回収？！と内心はしゃいでいたところ、うえたけさんの「全然伏線回収できてないよ？！点と点のままだから！」とそのむちゃくちゃな過去にツッコんでめちゃくちゃ笑いました。

圧巻の締めくくりでコントは終了し、エンディングトークへ。

新ネタ7本を披露したお2人。「緊張したけど楽しかったね」といううえたけさんに会場は大きな拍手。お客様も、それほど上質なコントたちを楽しめたということでしょう。
最後はやっぱりぬまんづさんらしくあのポーズで締め！

お客様も一緒に腕を突き上げている風景に、「ぬまんづさんらしい単独ライブだったな」としみじみ思いました。

単独直後のインタビュー！「たくさんの人に見てもらいたい」

＿＿単独ライブ、本当にお疲れ様でした！終えてみての率直な感想をお聞かせください。

うえたけ：ありがとうございました！思いの外、体感めっちゃ短く感じましたね。やってるほうはあっという間でした。本当に単独ライブやれてよかったです。

＿＿特にやりごたえのあったネタはありますか？

原：最後のネタは、芸人の単独ライブをちょっといじっているようなオチだったんですよ。「そのフリが伝わらないともしかしたらピンとこないかもな」と思ってたんです。そこが笑ってもらえたのが良かったです。

うえたけ：最後のほうとかほぼアドリブだったしね。映像も笑ってもらえたし。

原：とりあえずオープニング曲ができて良かったです(笑) エンディングで触れられないくらい馴染んじゃって。

うえたけ：いろいろやれて良かったですね。

＿＿いろんな面をお客様も楽しめたと思います。初めて沼津の劇場に来たのですが、エンディングでお客様と一緒に「沼津サイコー！」で締めるの最高ですね！

うえたけ：ありがとうございます。本当にアットホームであたたかいお客様でした。

＿＿これからアーカイブ配信を見られるお客様もいると思います。その方々にコメントお願いします。

原：お笑い好きな人が沼津に来るのは大変だと思うので、そういう人にも見てもらえるのが嬉しいですね。沼津の劇場に来てくれる方って、ぬまんづ好きだったり常連さんが多いので、初めて見る方の感想が聞けたら嬉しいなと思います。どんどんアンケートや『#蜜柑』で呟いていただけたらな嬉しいですね。

うえたけ：本当に全国の人に見ていただけるのが嬉しいです。漫才と違って、今回地元ネタを全然入れなかったので、ぜひそこは新たなぬまんづとして見ていただけたらと思います。

＿＿本日は本当にありがとうございました！

今回レポートしたぬまんづさんは、沼津ラクーンよしもと劇場をはじめとする劇場でご活躍なさっています。沼津の劇場はとてもあたたかいお客様とアットホームな雰囲気が魅力的でしたので、皆様もぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか？

ライター・インタビュアー：もちづきもちこ(Twitter：@mczk_mochiko)
撮影：石田ダダ(Twitter：@ishida_dada)