読書ノート:ぐるぐる博物館

読みました。「ぐるぐる博物館」三浦しをん
ちくさ正文館で買ったサイン本。
三浦しをんが、国立科学博物館から秘宝館まで、世界の森羅万象を集める博物館を訪ね歩いたエッセイ。
文庫化されたのは、コロナの自粛のさなかということで、あとがきの博物館は平和である(平和を希求する人々の心)ことの象徴であるという言葉にしみじみした。
自然災害を未来に伝えたい、石の魅力を伝えたい・・、
美しいと思うこと、面白いと思うことの集積が博物館。それらに触れる時間の大切さをしみじみと感じているしをんさんに親しみを感じた。
博物館と博物館を支える学芸員さんやボランティアガイドさんへの敬意と愛があふれている。
あと、私が一番グッときたのは、日本で唯一のSM・フェティシズム専門の資料館、風俗資料館の館長さんの言葉。
「月に一回おしゃれなイベントを開催する、若いひとも気軽に来られるお出かけスポットみたいにはしたくないということです。お互いにある程度の距離を保ったまま、図書館で自分の好きなものを静かに閲覧する。おじいちゃんたちも気兼ねなく通える。それが理想です。」
チャラいイベントなんてやらない!という矜持にグッときました。



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