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待ち行列理論でトイレの男女平等を考える

はじめに

 とあるところで、公衆トイレにおける、男性用 女性用の設置比率が話題に上がっていました。ある方は、「(女性が)倍くらいで平等じゃない?」と。ある方は「(女性が)3倍くらいで平等じゃない?」とおっしゃる。

 わたくし、ちょっと調べてみたところ、台湾の立法院(国会)には、野党から「(女性用を)5倍にすべし」という「便器平等法」なる法案が出ていました(未成立ですが)。

 この「何倍で平等か?」って、かなり個々人の「勘」に左右される話だという気がします。もう少し客観的な基準は無いかな?

待ち行列理論

どうやら「待ち行列理論」

というのが使えそうです。そういえば、昔、データベースの勉強した時に、出てきたことがあったな。

M/M/1の待ち行列理論の公式にあてはめて妥当性を検討してみます。
Tw=ρ/(1-ρ)×Ts
Tw : 平均待ち時間
Ts : 平均サービス時間(1件当たりの処理時間)
ρ : 利用率(単位時間当たりの到着数/単位時間当たりの利用可能数)

想定は「小の場合」なのでしょうけど、使用時間平均、男性40秒,女性90秒,と上記記事中にあります。つまり平均サービス時間は、男性40秒=2/3分 女性90秒=1.5分
利用可能数単位時間(分)当たりの便器一つあたりの利用可能数は、男性60/40で3/2 女性60/90で2/3
単位時間(分)あたりにやってくる人数をx人として
男性の場合 利用率 ρm=x/1.5=0.67 x
 平均サービス時間 Ts=40秒=0.67分
女性の場合 利用率 ρf=x/0.67=1.5 x
 平均サービス時間 Ts=90秒=1.5分
 ここで、女性用の便器が2,3,4,5倍あったとすると平均サービス時間Tsは変わりませんが、単位時間当たりの利用可能数が2,3,4,5倍になりますからρが1/2,1/3,1/4,1/5倍になりますね。
以上の想定で、一分当たりの到着人数に対して、「どれくらい待つことになるか?」を表計算ソフト(Googleスプレッドシート)でグラフにしてみました。

グラフ

トイレ何分待つか? (1)

トイレ何分待つか?

分かったこと

女性用トイレを男性用トイレに対して・・
・2倍設置くらいじゃ全然足りない。
・3倍設置だと、約2分待ちの混み具合の条件でようやく平等になる。
・4倍設置だと、約0.4分(24秒待ち)の混み具合の条件で平等になる。

2分我慢は酷。20秒あたりが妥当なところと思えば、5倍必要というのはあながち大げさでもないことがわかりました。



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