ウサギに学ぶ リーダー考 - Leaning about leadership
会社という不変ではない組織で、リーダーに恵まれるかどうかは、それはもう、宝くじに当たるようなものなのだ、と思ってしまうのが世の常。
挫けそうな時、読み返してみたくなる物語がある。中学生の時に初めて読んでから、昨年で読み返すこと3回(映画は2回観る機会あり)。
「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」
イギリスのリチャード・アダムスによる児童書で1973年にカーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞。
目の前に迫る危険を察知して新しい新天地を目指す、野生ウサギ達の友情、冒険や死闘、やがて理想の国づくりで大きなコロニーを作るまで描いた物語
リーダーのヘイズルは、強いわけでもカリスマ性があるわけでも、口が上手いわけでもない若いウサギ。時に迷って失敗も。
でも、状況を分析して遠くを見通して考える力があり、周りの話しを聞くことに長けている。
自分を犠牲にしても仲間を守り抜く勇気もある。何より柔軟でフェアなのだ。
ウサギ達の生態も描きながら、本当のリーダーとは、理想的な国づくりとは?の問いに、様々なエピソードを通して作者の想いで答えているかのよう。
上下関係なくリスペクトし合う関係の大切さや、限られたリソースを最大限に生かす巧みで知的な戦術と危機管理、種を超えた友情と共存、先祖から伝わる教訓や伝説をベースにした神の姿、行き過ぎた管理社会の恐ろしさ。
そして、平和とは日々の普段の生活にあること、種が生き抜くという意味、自然破壊によってもたらされる悲劇の予感をも描き切った壮大な物語。
かなり昔の作品でありながら、まるで今を生きる私たちの世界のことを描いているのでは、と思ってしまう。
会社のマネジメント研修の教材として使えば良いのに、と思うくらい、児童書のジャンルでありながら、ぜひ、大人にこそ読んでほしい。
(メスウサギの役割として、どこかの国の国会議員のオジさま達みたいなステレオタイプな表現もありますが、そこはウサギの社会ということで)
ヘイゼルが良きリーダーになったのは、多様な才能を持った信頼できる周りのメンバー達がいてこそ、という点も見逃せないと思う。
困難な時期でもあり、この国のリーダーが変わる今、何だかまたこの物語を読みたくなってしまった。
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昨年カンボジアのシェムリアップで滞在したヴィラで生まれたベイビーラビット💕 (最初に発見されたチビに私の名前がつけられました)
その後、オーナーが変わってしまったのでウサギ通信も届かなくなり心配だけど、庭で放し飼いされていたうさぎ達は元気でいてくれてますように。滞在中、ラブリーな彼らに大いに癒されたもの。
庭から出れば犬に襲われたり、巣穴の子供たちをネズミに食べられたり彼らの生活も大変なのだ。
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