見出し画像

海外名作絵本と読み聞かせ方法についてNYからご案内

Pete the Cat and His Four Groovy Buttons

くまさんコースの6月にお届けする絵本は「Pete the Cat and His Four Groovy Buttons」Art By James Dan, Stroy by Eric Litwinです。

https://littlesmartypantsbook.com/

猫のピートシリーズの中でも1,2を争う人気の作品で米国で発表された絵本の作家とイラストレーターに送られるTheodor Seuss Geisel 賞を受賞しています。James Danは、ストーリーテラー兼ミュージシャンなので、どの本もとてもリズミカルでクールです。Pete the Cat: I Love My White Shoesはニューヨークのベストセラーリストにも乗りました。

ネイティブの読み聞かせ方は、下記のYou Tubeをご覧ください。同じフレーズが何度も繰り返されますし、難しい単語もでてきませんので、初心者にとっても読みやすい本です。

こちらの絵本のポイントを解説します。

(1)リズムに乗って親子のやりとりを楽しみましょう
動画でもわかる通り、” My buttons, My buttons, My four groovy buttons”のところは歌になっていますので、ぜひ恥ずかしがらず、ノリノリで歌いましょう。そして”Pop, OH NO!!”については、ものすごーく困ったように大きな声でお願いします。何度同じことをしても子供は毎回楽しんでくれます。そしてこの絵本の特徴は、親と子のやりとりです。”How many buttons are left?"とママが尋ねたら、子供に数を得意げ伝えてもらいましょう。そしてさらにママが”Did Pete cry?"と尋ね、”Goodness, no!"と答えてもらいます。慣れてくると、子供のほうから”Buttons come and buttons go."と返してくれるようになりますよ。そしてこのやりとりが最後まで続くので、親子の楽しいコミュニケーションにもなり、よい英語学習にもなります。ママにとっても子供が反応してくれると嬉しいですよね。(ただし何度もせがまれ、繰り返し読むことになるのでそこは覚悟が必要です)

(2)数字の理解につながります
もともと4つだったボタンがどんどん減って、最後はおへそだけになりますので、自然と数字や引き算をボタンを通して学習してくれます。この本がそこまで意識したかどうかはわかりませんが、この本のタイトルでもあるFour(4)という数字は、人間が数えなくても即座に認識できる数になります。これを”subitize”(スービタイズ)といい、赤ちゃんでも動物でも4までは本能で理解できるようです。大人の社会でもこれ以上の数字を掲げると即座に人が理解できないので、本当に大切なことは3つか、4つにとどめたほうがよいそうです。それもあってか、この本はまだ言葉も十分に話せない1歳半からでも十分楽しめます。

(3)おしゃれで独特な絵が楽しめます
Peteがボタンを落とすのはなぜかいつもおしゃれなシチュエーションです。赤くてかっこいいスケートボードに乗っているときだったり、おしゃれなアイスクリームトラックの前だったり、赤いフォルクスワーゲンの止まった海辺だったりします。油性、水性、ボールペン、マジックが混ざり合ったこのしゃれた絵もじっくりお子様と楽しんでみてください。色が鮮やかなのと、カラフルなボタンは子供も大好き。色や数そして、ぐるぐるとボタンが転がるさまを描いた線などすべてが子供の五感を刺激します。

(4)レジリエンスを備えた最強キャラクターがPete
Peteという猫は、この本に限らずですがいつもクールで、大きく口を開けてアハハとわらったりしません。いつも同じ表情でクールなことを口にし、なのに愛嬌があります。特にこの本では、ボタンを4つもなくしても、一度も落ち込まず、泣かず、しまいにはボタンがゼロになっても、僕にはおへそ(belly button)があるもの!「It's all good!’」と言っています。このどんなシチュエーションでもへこまないメンタルが私は実は一番作者が伝えたかったことなのではないかなと思います。なので、「ピートは泣いた?」と聞いて、子供に「まさか泣かないよ~」と答えさせ、多少のことは「Goodness no!」で乗り切ろうと伝えているのではないでしょうか。
皆さんはどう思いますか?

Let’s read aloud every day!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?