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子育てに行き詰ったときに読んでほしい絵本~Love You Forever~


 
リトル・スマーティ・パンツからしかさん(およそ4歳)コースの今月(12月)お届けした絵本は「Love You Forever」 Robert Munsch (Author), Sheila McGraw (Illustrator)です。
 
1986年の出版以来、この本は世界で3000万部以上売れた作品です。また、2001 年Publisher Weeklyというベストセラーの児童書のペーパーバックで
6,970,000 部の4 位にランクされました。また、2007 年のオンライン世論調査に基づいて、全米教育協会( NEA )は、この本を「Teachers' Top 100 Books for Children」の 1 つに挙げています。
 
作者のロバートマンシュは、2人の子供が死産し、その後養子を3人迎えたそうです。生物学的に我が子を持つことのできなかった作者は何を思い、この作品を作ったのでしょう。
 
 
http://littlesmartypantsbook.com
 
1.あらすじ
 
この物語は、息子とその母親の生涯を描いています。生まれたばかりの我が子を母親は愛おしい目で眺め、子守歌を歌います。そして息子は2歳、9歳、10代とどんどん成長し、やんちゃになり、彼女の理解をどこまでも超えていくようになります。それでも彼女は夜になると息子を抱きしめ、あなたを愛するよという子守歌を歌うのです。やがて息子が成人して隣町に引っ越しても、わざわざ夜に会いに行って、成人した男性をかかえて子守歌を歌います。
そしてついに母親は歳をとり、子守歌が最後まで歌えなくなります。そうして息子は母親のもとを訪れこれまで歌ってくれた子守歌を代わりに歌います。そしてやがて生まれた子供にも彼は同じ子守歌を歌います。
 
こちらの絵本の英語での読み方については、下記YouTubeをご参考ください。
 
https://www.youtube.com/watch?v=70aHBZEbrxo

 
2.読み聞かせポイント
この本を読み聞かせるうえでのポイントをお伝えします
 
 
(1)鮮やかでリアルなイラスト
 
この絵本の魅力は、母親はいつまでも子供を愛し、それは子供が大人になっても変わらず、そしてその愛情は、子供に繋がっていくという永遠のテーマを扱っています。そしてそんなどこにでもある親子の生涯の1ページをとても鮮やかに描いているのがこのSheila McGrowのイラストです。
 
特に表紙にもなっている男の子は2歳の時の様子なのですが、陽気な笑顔の男の子はバスルームに座りこみ、トイレットペーパーはすべて引き出され、歯磨きチューブは床にばらまかれ、オイルも床にこぼれて、しまいには、手に母親の腕時計を持っているのです。(そしてこの時計はトイレに流されたそうです)もう「あ~あ~」と目を覆いたくなる絵ですが、お子様をお持ちの方は、これを微笑ましい、懐かしい目で眺めてしまうのではないでしょうか。「うちの子にもこんな時があったなぁ」と。
うちの娘もトイレにリングと髪留めを流して、詰まらせたことがあるので、この絵を見るたびに、「自分も同じことをしたよ」と言っています。
 
(2)歳をとるということを伝えてみましょう
 
自分たちが大人になるということは、自分たちの親である私たちも歳をとるということを意味します。賛否両論あるかもしれませんが、お子様に“old and sick”について説明してみましょう。この絵本では、母親が息子に電話をかけて、私はもう“old and sick”だから、こちらに来るようにと伝えます。息子はかけつけますが、彼女はもう途中までしか歌を歌えません。娘は3歳ごろから「どうして歌えないの?どうしてsickなの?」と聞くようになりました。わからないというよりも「死」についての好奇心がでてきたのだと思います。
 
 
(3) 子守歌を歌ってみましょう。
 
YouTubeを参考にして、子守歌を歌ってあげてください。私は歌っているうちに、いつも涙で詰まりそうになりますが、とにかく「あなたのことが大好きなのよ」と絵本を通して伝えてあげれる、というのがこの絵本の最大の醍醐味です。
 
I’ll love you forever,
I’ll like you for always,
As long as I’m living
My baby you’ll be.
 
 
最後に、この絵本は成人した男性を抱えて、子守歌を歌うシーンがあります。” 子離れしていない親” という印象を読者に与えかねないこのシーンを、なぜ作者は残したのでしょうか?真相はわかりませんが、私はこの絵本が、子供のためだけのものではないことを顕著に示しているように思います。
 
なぜなら “我が子は、たとえ大人になっても、いつまでも自分の子供であり大切な存在である “という気持ちを伝えたかったからではないでしょうか。息子や娘が20歳を過ぎたって、いつだって抱きしめてあげたい、そういった強い気持ちをこの絵本では代弁してくれているように思います。
 
お子様との読み聞かせの時間がよりよいものになりますように。
 
Let’s keep reading!
 
 
 
 

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