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聖徒失格

私はハロウィンに対して複雑な感情を持っている。
わくわくしながらも申し訳ない気持ちもある。

私の家族は全員キリスト教徒だ。キリスト教の家庭で生まれた私は当たり前のように小さい頃から教会に通い、学校もキリスト教のだった。そういう環境の中で育った私は高校生になるまでハロウィンをお祝いしたことがない。しかも中学生の時は毎年ハロウィンの前後に、先生が授業で「何故ハロウィンはお祝いしちゃだめ」を説明してくる。ハロウィンは悪魔の祭りだから私たち聖徒は参加すべきじゃないとか。

下校の時、楽しそうに仮装してる他校の子を見かけて、少し羨ましかった。
いいな、Trick or treat.

高校の時に初めてクラスメイトとテーマパークのハロウィンイベントに参加した。もちろん家族には内緒した。人生初めてのお化け屋敷体験が涙が出るほど怖かった。コアラのようにずっと友達にくっづいていて泣きながら歩いてた。でも本当に楽しかった。胸の中のドキドキが止まらなかった。

ハロウィンのほかにも、嘘をつくことや、人を嫉妬することや、怒ることなど、色々「いけない事」が多いのだ。

聖書によって、人には原罪がある。つまり生まれた時から罪がある。私たちの先祖アダムとエバが罪を犯したせいで、私たちが罪を負わないといけない。不公平だなとは思うけど、私は依然として神様を心から崇拝しています。

だって、こんな美しい世界を作って下さったもん。そして、人間を罪から救い出すために息子のイエスを十字架につけられた。きっと人を愛していらっしゃるでしょう。

神様の存在を信じていながら、数が数えない疑問も持っている。

ハロウィンもその一つだ。

一年365日の中の1日、たった1日に人の目を気にせずに好きな仮装をして友達とワイワイする。ほとんどの人が悪魔のことがどうでもよく、ただそうしたいだけなんだろう。単純に楽しいことをしたい人たちがそんなに悪いなのかな。こんなことで怒るような器が小さい神様だとは信じたくない。

私は完全にハロウィンが好きです。
ホラーの映画も好きだし、
ゾンビやフレディやエイリエンなどの血だらけのものが怖くても見たい。
好きなんだな。

でも、楽しく仮装してる時さえ、心のどこかで「申し訳ない」という気持ちが存在する。私の敬愛する先生がきっとこれを賛成しないんだろう。この仮装を見たら、皆が私をどう思うんだろうとか色々考えちゃう。自分が悪いことをしたって全然思わないのに、私が好きな人たちを失望させることが怖いのだ。

神様を信じていても、ハロウィンを楽しめたい。「申し訳ない」なんか思いたくない。100%にハロウィンを楽しめるような世界になれたらいいな。きっと神様の懐が深い、と勝手に信じている私が、聖徒失格なんだな。


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