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左利きと着物ルールと

もう着ないから処分しようと思って。着るなら持って行って。
なんとなく処分しちゃうのはもったいなぁ、普段着で着てみたいなぁと、
母から譲り受けてきた小紋や紬の普段着着物たち。

数年そのままになっていたのですが、最近着るようになりまして。
もともと母が仕事の関係で着物に携わっていたこともあり、
着方などまったく習ったことはなかったけど、多少の馴染みはあったので
着付けはユーチューブでさくっとお勉強の自己流。
還暦間近になって、マイブーム真っ盛りとなり、普段着としてガンガン着ていたりしますが、

「着物ってルール厳しいんでしょ?」

私自身、着付け講師の免状をもった母から着物のことは多少聞いていたし、お茶の作法も習ったことがあるので、いわゆる着物ルールはさほど抵抗感もなくすっと入ったんですが、、

そんな言葉をいただきふと改めて見まわしてみると・・

最近は若い方が、洋装と併せたり、割と自由になってきてはいますが、実際のところまだまだルールは存在しているもんだなぁと。
自由に着ていいんですよーといいながら、これはダメ、みっともない、が
あること、あること。

そのひとつが、右前ルール(最大の難関笑)

右利きを前提として動きやすいようにとなってるわけですが、これ左利きの私にとっては、とても不便で。ガンガン着るようになってから、ほーんと動きにくいと思うことのナンバー1。

ところが左前は死装束なので縁起が悪いからダメという。

確かにそういう文化は日本に存在します。
諸説ありますが、生とは逆の区別をつけるため、っていうのが一般的。
が、左利きの私など、その文化の由来そのものが当てはまらないわけでして。

というわけで、そもそも右前っていつから??と調べてみたところ、、

起源は奈良時代にまで遡り・・

奈良時代に中国の習慣に習って「発令天下百姓右衿」という定めが発令され、着物は右前で着用するものとして定着したとか。

中国では、左右に関しては左の方が右より上位という思想があり、
それを取り入れて、要するに、庶民は右前に着なさいね、ということ。

当時の高貴で位の高い人々は、労働的な動作は必要がなかったため、左前でも支障がなかったけれど、庶民は労働するため、右前のほうが動きやすいので推奨したと考えられます。

ってことはさー、私にとっては左前のほうが動きやすいわけで、、
かつては矯正された右利きも、今の時代、左利きは左利きのままにという流れだし、いいじゃん左前でも。

みっともない、とか余計なお世話。
着やすいのが一番。

と思いながら、あーあ、やっぱり右前よね。

超不便と思いながら、左利きあるあるな不条理なルールにのっとって着てしまう勇気のない私(笑)




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